戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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勘違い

腕を折られ、グシャリという音が響く、その直後駆逐艦のうち何人かが目を逸らした

 

その動きから大体の未来が予測できたのだろうか、しかし

 

画面の中ではエヴァの動きが急変する

 

「やるっぽい!」

 

「暴走ですって!?」

 

「ロクな訓練もせずに出撃なんてするから……!」

「クソ司令官の采配が悪いわよ!」

 

霞、曙、その言葉は俺に刺さる

やめてください

 

「ATフィールドってなんでしょう」

「このバリアみたいなやつ?あ、破った」

 

バリアを貫通して手を突っ込み、そのままサキエルを一方的に攻撃する初号機に

歓声を上げるもの、沈鬱な表情になるもの、その反応は様々だ

 

「バリアはこっちも使えるっぽい?」

「ATフィールドな、一応使えるし、問題なく展開するよ?……最初以外は」

 

「じゃあダメじゃないか!」

「最上、もう少し静かにな?」

 

思わずと言った様子で声を上げた最上を嗜めて、画面に視線を戻させる

 

そして、その直後に勝てないと悟ったか、第三の使徒が自爆する

 

「っ!」「やりやがった!?」

「あの野郎っ!」

 

感想や発生こそ違えど、一様に嫌悪を露わにする艦娘達

 

しかし、エヴァは無傷で現れた

 

「……ふう……」

「心配させるのね」

「っぽい〜……」

 

夕立と伊19の気の抜けた声が戦闘の終了を告げ、そこからは帰投したシンジ君と綾波のコミュニケーションシーンへと移行する

 

画面に食いついている艦娘達の反応は良好、どうやらよくウケたらしい

 

「よし」

 

俺は僅かな満足感を覚えながら

その場を後にした

 

そして、約一時間が過ぎ……

 

「ATフィールドォッ!」

「オラッ!パイル喰らいなさいっ!」

 

「那珂ちゃんをセンターに入れてスイッチ、那珂ちゃんをセンターに入れてスイッチ、那珂ちゃんをセンターに入れてスイッチ、那珂ちゃんをセンターに入れてスイッチ」

 

「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ夜戦から逃げちゃダメだ……!」

 

軽巡、駆逐艦達は見事にハマっていた

 

一方、潜水艦は反応が渋いようで

「……結局、海のお話は出なかったでち」

「建造費いくらかな……あぁクルージング……」

 

「アレが出来たとしても運用に費用が掛かりすぎるし、結局艦娘の方が効果的って判断されるだけなのね」

 

伊58もU-511もマイナスな思考をしている中、伊19は一人、随分と冷静な様子だ

 

「伊19、お前なんかすごい静かだな、なんかあったのか?」

 

月並みだが、とりあえず一つ

尋ねてみると、澄ました顔で返事がくる

 

「違うのね、イクは男の人とお話しできるようにいっぱいお勉強したのね

その中には当然、ロボットものもヒーローものもあったのね」

 

どうやら伊19は経験者だったようだ

女性が興味を持つことは珍しい巨大ロボットものについてもある程度の知識を持っていると見ていいだろう

そういえばさっきも一人だけエヴァを『パイロットになるための資格がいる』タイプの兵器と評していたし、理解があるのだろうか

 

「お酒の席では、男の人は自分が気持ちよくお話しできる相手に対して好感を持つのね

それに男の人は脳構造上、『相槌や共感の表現』より『対話や議論』を求めるの、だから相手に付き添ってあげるだけじゃなく、相手の出してくる話題にある程度の理解を示して、かつそれに対する自分の評価、判断を提示することが重要なのね

イクはそういうこと、ちゃんと出来る様にお勉強してるの……提督さんは素敵な人だから、そういうトコロでは特別にサービスしてあげても良いのよ?」

 

流し目でこちらを見ながら

そっと腕を組んで、その身長に釣り合わないほどに大きなブツを見せつけてくる

 

「酒は飲まないから、俺は良い

それにそういう接待はする必要もない……もちろん、プライベートで絶対にオトしたい異性がいて、その人に対して使う、という程度なら良いが

スパイ行為に抵触する可能性があるから気をつけるように」

「はーい、気をつけるのね」

 

つまらなさそうな表情になる伊19

 

「そういえば〜…提督さんはこの映画の中で、誰が一番好みなの?」

「俺?……うぅ……ん?……

強いて言えば、綾波かな」

 

全国の惣流式波アスカファンに誓うが、アスカが嫌いなのではなく、単純に俺はツンデレが嫌いなのだ

 

「流石に年齢一桁相手ってのは無いし、ミサトさんは大雑把が過ぎる、赤城さんは対象外だ」

 

「!?!!?」

 

「どういうことですか、説明を求めます」

「赤城さん?!」

 

「提督、私は対象外である、とは何をもって対象を定義し、また何故に私がその対象外であるというのですか納得できる理由を御説明願います」

 

「いや赤城さん俺はこっちの赤城さんではなく赤城リ」「提督、言い逃れは聞きません、もう一度言います、なぜ私が対象外であると言うのですか?」

 

「俺は」「提督」

 

誤解を解こうとして何度も声を上げるが

その度に封殺されてしまい、次第に赤城さんとの距離が詰められていく

三度目にはもう瞳を覗き込むような距離になってしまった

 

「私、空母機動部隊の旗艦として以前に女としての容姿にもある程度の自信を持っているのです、ですが提督はこの身を対象外と仰いました、ならば何故、対象外と言われるのかを確かめなくてはならないと考えるのはおかしなことですか?」

「話を聞いてくれないかな……?」

 

若干のけ反りながら

俺はようやく話を聞いてくれた赤城さんの誤解を解くべく、反論を開始した

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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