「次なに見る?」
昼を過ぎた頃の時間
エヴァQを見終わった艦娘達もそろそろATフィールドに慣れてきたのか
次になにを見るかの相談を始めた
「秋雲さんはブレイド見たいかな〜」
「スピリット、きゅぅぅうう」
五月雨、あの畳の音まで真似しなくて良いよ
「私はもう一休みと行きたいですね……間宮に行ってきます」
赤城さんは速やかに撤退していく
そして、それに引っ張られるように姉さんも消えていった
「私も随行します」
「おーばーくおーつぁー見てみたいかな」
「暁、言えてない言えてない」
「Over quartzerか」
ジオウの映画はあたりだったし、もうだいぶ前になるからブルーレイ版も出ている
ちょうど良いか?
「ミッシングエースはー!?」
「グレイブ見たいのはわかったから……他になんかある?」
「あ、私超時空の大決戦見たい!」
「ティガのファイナルオデッセイ見てみたいわ」
ウルトラとか仮面ライダーとかから割ときてるな……プリキュアとかじゃないのか
「いや、プリキュアもいいけどさ
やっぱりボクたちはアニメーションにはあまり見識がなくてね、特撮の方が馴染みがあって好きなんだ」
ボーイッシュとよく言われる最上が言うとなんか説得力があるな
「鈴谷はポケモン見てみたいなー
提督vs深海棲艦vsダークライとか」「ダークライ過労死定期」
鈴谷のボケに漣が速攻で突っ込んだ
「ディアルガvsパルキアvsダークライな?……アルセウスとかも含めてあのダイパ世代は当たり年だったな……」
シンオウ地方シリーズは全体的にボリュームもあったし、作品としての円熟期と言っても過言ではなかっただろう
「滅びのバーストストリーム!」
「それは遊戯王、滅びの歌な?」
鈴谷は右手をだして手札を相手に突きつけるようなポーズを取るが
残念ながらカイバーマンはお呼びではないので落とし穴とさせていただく
「どれ見るにも早く決めろよ?
でないと時間がなくなってしまう」
《はーい!》
その言葉を皮切りに
わいわいと主張を始める艦娘たち
それを取り仕切ろうとする者、騒ぎ立てる者、周りの意見を聞こうとする者
対応は千差万別だ
「どれになるにしても、俺は見れないけどなぁ……」
大淀も見ていたエヴァ三部作
流石に2日に分けたが、その間はずっと書類も放置であった(大淀達だけが見られないのは流石に不憫がすぎるため、俺がそうさせた)ので
書類も多少溜まっている
というわけで、俺も少し
本腰を入れて書類を片付けなくてはならないのだ
「さぁて……行くか」
俺は、書類と傷ついた偽装のために部屋を離れた
「……う、ん?
これは………鎮守府を一般開放した海軍の活動説明会?ちょっと待て、艦娘の存在は軍機扱いなんだろ!?」
実態としてはもはや軍機扱いに価値などなく、一般にも晒されているのは事実であるが
それでもこんな企画が立ち上がるなんて予想外だった……まさか形骸化しすぎて忘れられているんじゃないだろうな
「鎮守府を一般開放……ねぇ
深海棲艦をある程度のレベルまで抑えこめている鎮守府に限るらしいが、それをウチでやるか?」
そもそも極秘にしているとはいえ
鎮守府に深海棲艦がいる状況が不味い
お忍びとか監視とかでお偉いさんや事情通が来てしまった場合には深海棲艦と繋がっている云々が露見してしまうし、悪い方向に解釈されてしまう
レ級や空母棲鬼はともかく、一軽巡に過ぎないヘ級の存在が特に不味い
レ級達は強すぎて実力で排除しようとすれば被害が嵩む上に危険すぎる、とでも言えば反論を押さえ込むことはできよう
(それでも危険が過ぎるが)
だが、軽巡艦一隻を潰すことすらできないような鎮守府が本当に大艦隊と戦えるのか?といえ疑問が生まれてしまえばどこかで『深海棲艦と繋がっていて、すべては出来レースによる偽装工作』という解釈が生まれるはずだ
そうなれば俺もろともに鎮守府の解体
艦娘全員の『処分』は避けられない
開催予定日よりも前に来るであろう視察も想定に入れなくてはならない
いや、開催云々よりもまず上手いこと拒否しなくてはならない
しかし戦況の悪化という万能の言い訳は使えない、なぜなら余裕があるから
深海棲艦も最近は大人しく
艦娘たちがDVD映画鑑賞をしているような鎮守府でブラック運用を強いられるような戦況と言い張るのは流石に不可能だろう
「……どうすれば……」
断るほかないというのに、艦娘達に聞かせたら面白そう!などと良好なリアクションが帰ってきそうなのが一番恐ろしい
「司令官?どうしたのそんなに悩んで」
執務室に入ってきたのは
陽炎だった
「陽炎か、お前は下でやってる観賞会は行かないのか?」
「私?私は仮面ライダーとかはあんまり、ね……それにブレイドってその
ちょっと敵が気持ち悪いし」
「まぁ……リアルに生物感あるもんな」
「それに、一話はさ……」
「そっか、イナゴの群れか、あれは流石にちょっとな……」
仮面ライダー史上一番ぶっ飛んだ1話はおそらく『最初からクライマックス』を地でいくディケイドか、それでなければ虫が突然溢れるという大事故を起こし、所属する組織が壊滅するブレイドであろう
「かっこいいし、私も始さんは好きよ?
そういえば、司令官は誰が一番好き?」
「そうだな……アンデッドでは嶋さん(♣️K タランチュラ)と金居(♦️K ギラファ)だな……ライダーはレンゲル(♣️)
最強だし」
「最強(w)じゃない、頭痛で変身解除されるような奴で良いの?」
「良いんだよ『(0H0)』で
睦月は最強(w)でも、希硫酸は最強(ガチ)だったし」
「それでもやられ役でしょ」
冷静すぎる陽炎にレンゲルの格好良さを説いても良かったのだが、今はそれより考えるべき命題があるので、あえなくスルーして
「まぁ見てくれ、これを」
「……なにこれ、鎮守府の一般開放で説明会?……ふざけてんのかしら?」
以前の夏祭りではあくまで業者を数名、機材搬入のために呼んだ程度であり、民間からは情勢もあってあまり人は来なかった
だが、海軍の公式行事として開催する説明会となれば、広報課による報道、マーケティングもあって確実に人の入りは多くなる
まさか『艦娘の運用施設であり、体の良い隔離場所である』などと説明するわけにも行かないし、それっぽい説明についても考えなければならない
年頃の女性を兵器と称して戦場に出すなど人倫を外れている、と叫ぶ野郎も居るだろう
美少女、美人を集めてハーレム気取り、などと言い出す男も多かろう
女性を現場に出して提督は踏ん反り返って見ているだけか、と批判もあるだろうし
なによりフェミニスト(自称)が騒ぐのは目に見えている
「そもそも男ならともかく女性受けが悪いからなぁ……」
そう、女性ばかりを現場に出し、男は踏ん反り返っているだけ
そう見えるのも仕方ないし
前者に関しては否定し得ない事実ですらある
「だが、艦娘になれるのは女性だけで提督になれるのは男女同じ
だったら女性は艦娘、男性は提督と振り分けるのは誰にだってわかる話だろ……
ただでさえ高レベルな適性者は貴重なんだし」
低レベルでよければ有り余るくらいにいるのだが、男性の適性者の中でも高位適性かつ提督を務めるに足るメンタル的資質を持つ人物は少ない、大概片方は欠けているのだ
反面女性はメンタル面での資質も傷病歴も関係なく、書き換えてしまえる分気軽だ
無論、最低限の教育はあるが
艤装に適合してしまえば消えてしまう記憶や教育に如何程の意味があるか
「まぁ艦娘と違って提督は鎮守府にいる分、仕事に対するスタンスの違いが目立つし、仕方のない点はあるわよね……」
だからといってそれを根拠に適性の幅が広い女性の方が優れているだの艦娘の方が指揮官より偉いだのと言われるのは困るが、そういった現場の話がわからないのが迷惑クレーマーなのだ
「なら、そんなのは見せなければ良いのよ、女性受けなんて無視して、男にターゲットを絞れば良いじゃない」
「しかし、艦娘の適性者の確保も目標にはあるようだし、悪い印象をつけてしまうわけには行かないだろう」
「まぁそうねぇ……本当に『一般向け』っていうわけでもないようだし?
プロパガンダを現場でやる意味もないと思うんだけどねぇ……」
艦娘たちが下で視聴会を開いている間、俺たちはずっと会議を続けていた
600話記念番外編は
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過去編軍学校
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過去編深海勢
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裏山とかの話を
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テンプレ転生者(ヘイト)
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ストーリーを進めよう
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戦争が終わった後の話を!
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しぐ……しぐ……