「大淀?」
「はい、提督はご存知かと思いますが
私は前提督時代に鎮守府を放逐されて、近海に隠れていたことがあります
もちろん鎮守府の艦娘たちと定期的に接触はしていましたが……
その潜伏期間中、極めて見通しの悪い岩礁地帯にいたんです」
「なるほど、その岩礁地帯なら
海に深海棲艦がいてもおかしくはないし、愛宕たちについても艦娘が戦闘にいって抑え込んでると言えば良いわね……」
「そもそも見通しが悪いから隠れるのも容易、遠距離でも見通しが悪くても
愛宕さんと霞さんは認識が及ぶから問題なし、良い案なんじゃない!?」
憂い顔の空母棲鬼は、純粋にはしゃぐ瑞鶴と得意げな大淀に冷たい視線を向ける
「その案には一つ、落とし穴がある」
「提督さん?」
「提督?」
「そうね、その案は問題があると思うわ」
空母棲鬼も、俺と同じ答えに達していたようだ
「その、問題点とは?」
「いいか、神通、湾内に鬼級の深海棲艦が出るような鎮守府に、軍の高官が来たらなんて言う?それに艦娘達が出ているからといって
あまり長く戦闘は続かない筈だ
長くても30〜50分ともたない」
「あ」
「それに、だな……『深海棲艦と改造艦娘たちは存在が邪魔なので一時出ていってもらいます』なんてお前は言えるのか?」
「うぐぅ……」
ようやく自分たちの出した案の問題に気づいたらしい瑞鶴と大淀の表情が沈む
「邪魔なので放逐、一旦隔離
まぁやり方としては至極当然だ、だがな?感情論も考えてみろ……それに
艦娘や深海棲艦本人は隠せても、その生活の跡や艤装の存在は隠せない
どうしようもない物ってのは、存在するからな……」
どうしようもない痕跡というのは、やはり時間の経過でしか消えないものだ
ふとした時に出てくる習慣や視線の動き、そういった僅かな動作が『そこに誰かがいた』という事実を伝えてしまう
「なので、開催はウチでは無理と考えるほかにない、という事ですね」
神通の言葉に頷いて
正面へと視線を戻す
「なので、皆に考えてもらうことはまず、どうやって断るかだ、サブプランとしては一応開催する場合の段取りも考えるが、最優先は断り方であると心得てくれ」
「了解した」「分かったわよ」
「わかりました」
神通、瑞鶴、大淀、空母棲鬼の四人で話始める卓の様子を見ながら
俺は思索に入った
というわけで
「愛宕とレ級を呼んできたんだが」
「私たちにも関係する事、なんでしょう?お話を聞かせてもらえるかしら?」
「キャハハハ……あぁ、提督がワタシ達のことを真面目に考えてくれて何よりなんだけど、そんなに深く考える必要はないと思うレ級です」
愛宕とレ級を入室させて
より詳しく話を聞かせる
問題の根源である深海棲艦および改造艦娘の存在の隠蔽、それについては
対象者達にも聞かせる必要があるからな
「……というわけだ」
説明を終わった時、
瑞鶴は沈黙し、神通は表情を全く無くし
空母棲鬼は笑っていた
そして、愛宕達は
「なぁんだ、そんなこと?」
「キャハハハ!そんな事デ悩むナンテ、お前バカナンダな!」
なぜか二人して笑っていた
「そもそも、深海棲艦が疎まレルのは当然の事デ、お前たちが気にスル事じゃない
それにべつに、帰ってクルナってわけじゃ無いんだろ?なら良いじゃナイカ」
「そうですよ、私達自身、存在自体が軍機なのはわかっていますし
それに、私たち自身の体調みたいに近くに他人がいる事自体が問題になるならともかく、摩耶と時津風ちゃんは隠す必要がないわ」
「それなら良いんだが
時津風は隠さなきゃダメなんじゃ無いか?」
「それなら、昔あった戦闘で足を負傷してそのまま戦闘を続行したせいで治療がうまくできずに義足になった事で艦娘を引退し、憲兵隊に転属した
とか、適当に言い訳ができるわ
摩耶も同じね、戦闘で大怪我を負って艤装を付けられなくなって、引退を目前にした艦娘って事にすれば良いと思うわ」
「な、なるほど」
「私と霞、それに空母棲鬼さんとへ級ちゃん、レ級ちゃんは一緒にクルージングね
例の岩礁帯に案内してもらえるかしら?」
「は、はい!」
愛宕さんはあっという間に場を納めてしまった
「で……提督?
他にも何かあるのかしら?」
この跡滅茶苦茶話し合った
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