「この世界私がルールなの」
そんな雑な回答を得つつ
俺が考えていたのは、その能力と俺がかつて魂の中で振るっていた力の共通点
物理的に入らないものを収める
存在しない物体を作り出す
ありえない物理法則を追加する
それらをまとめて言ってしまえば
『創造主の権能』と呼べるだろう
主は奇跡を行い
主は世界を作り
主は法則を作る
新約聖書によれば
カラシ種ほどの信仰心でも有れば
『ここから離れて海に植われ』と言われた木はそうするのだとの事だし
その世界の創造者と呼べるだろう中枢棲姫がその権能を使うことができるのはわかる
なら、俺は?
魂の中では自分を創造者として定義することが出来るのか?いや自分以外の魂に接続していてもそれが行えるのは不自然だろう
この世界の魂の比重とは全くもって釣り合わないと言われる俺の魂があればこそ
俺はこの世界でなら頂点の存在としての権能を有しているのではないだろうか?
それを無意識的に魂の中でだけに制限していただけで、本来は中枢棲姫のように
物質的にもなんだってありな能力なんじゃないか?
「残念だけれど、物質も結局は魂を代謝して作っているのだから試すのはやめたほうがいいわね、今の貴方が魂を消費したら、手のひらサイズの鉄の塊一つ出すだけで魂が砕けてしまうわよ?」
「なぜ分かったんだ!?」
「だって貴方、顔に出てるもの
……えぇ、そうよ、貴方の力は私と同じ
違うのは規模と燃費くらいなものね」
俺の目を見つめる中枢棲姫は
淑やかな微笑んで
「でも、貴方の力はもう擦り切れきってしまっているから、ここは私に任せておいて」
そう言って、空中に手をかざした
「……んんんっ!」
めきょ、と音がなりそうなほどに力を入れながら手を握りしめて
そして開く
「できたわ」
その手にあったのは
「貴方が使っていた刀よ、どうぞ」
間違いなく、『大和撫子』だった
「撫子!?なぜ!」
「それが『貴方に一番馴染みのある使いやすい武器』と言うことね、他の艦娘由来のモノだから貴方自身にはかかる負荷も低いでしょう?」
相変わらずどこかズレた答えを出して
鞘ごと刀を渡してくる中枢棲姫
しかし、この刀は
「起動するのには大量のエネルギーが必須?……ならこうして……!」
凄まじい圧力が掛かって、ミシミシと鞘が軋みをあげ、そして刀身が光を放つ
「これで、起動できた……はぁ
はぁ……はぁ……はぁ……」
息を荒げるほどの疲労があるのならやめればよかったのに、と思いかけて止める
さすがにそれは失礼が過ぎる
「さすがに戦艦の艤装を丸ごと動かすくらいのエネルギーはキツいわ
私、またしばらくは役立たずかも」
「……休んでいてくれ、頼むから」
俺はもう考えることをやめて
切実な声音で休むように言った
「残念ね、せっかく貴方と一緒にいられるのに、ただ眠っているだけなんて」
能力の連発は相当な負荷がかかっていたのか、中枢棲姫は気怠げな動きで適当に横になって目を閉じる
「おやすみ、中枢棲姫」
「おやすみなさい、貴方」
「で、提督!今までどちらに」
「まって、待って待って、急に引き込んで質問は待って」
突然変化した視界の中を確認し
それが間違いなく大和の艦内であることを見て取ったあと、ようやく一つ、息を吐く
「すぅ……はぁ……よし、ようやく落ち着いたよ、すまない大和、今まで留守にしたな」
「本当ですよ!提督!」
顔文字で表現されそうな怒り具合を見せる大和は、傘をくるくると回して
「で、どこに居たんですか?答えてください」
俺に鋭い視線を向けてきた
「いや……駆逐棲姫に拉致されてハワイのオアフ島付近まで、……うん、なぜか突然拉致されたんだ、本当に……はい、すいませんでした」
「本当に反省していますか?……私はこうして話せて居る分良いですけれど
あきつ丸さんとか摩耶さんは本当に必死で探して居たんですよ?二日前から」
「ヴェッ!?」
なんか変な音が出た
「本当に2日前からです、一昨日はあきつ丸さんが秘書艦の日だったので、執務室で昼前まで待っていたり、部屋に行ってもいないと言い出したり、徐々に空気が騒がしくなっていって……昨日は本当に一日中海域を捜索したり近隣の鎮守府に協力要請をだしたりと慌ただしくて……」
突然遠い目になる大和を眺めて居ると
「人事じゃありませんよ!提督がうかつに駆逐棲姫に拉致なんてされるからです!
その辺自覚してますか!?」
「はいすいませんでしたわたしがわるかったですごめんなさい」
物凄い勢いで詰め寄られてしまい
そのあと滅茶苦茶質問責めされた
600話記念番外編は
-
過去編軍学校
-
過去編深海勢
-
裏山とかの話を
-
テンプレ転生者(ヘイト)
-
ストーリーを進めよう
-
戦争が終わった後の話を!
-
しぐ……しぐ……