翌日、つまり
営倉ぐらし!6日目ともなるとだいぶ飽きてくるので、(本来はそのための殺風景な部屋なのだが)暇になってくる
昨日の高雄たちはまさに砂漠のオアシスとでも言うような貴重な遊興をプレゼントしてくれたのだが、それをやはり一時的な物
「………………」
目を閉じる、感覚を閉じる
ゆっくりと闇の中に浮かぶ
俺の中からではなく、俺の実像を外部から観測する他者の感覚はしない
今日は誰も来ないようだな
「……」
[てーとくー?夜戦しよ?]
[うるさい川内、俺は今謹慎中なんだよ]
[だからって夜戦できないわけじゃないじゃん?だから夜戦しようよ!]
[だっから今は昼……っておい、おまえ、どこから話しかけてる?]
[そんなの決まってんじゃん、魂からだよ魂から、スピリットとかソウルとかアニマとか呼ばれてるモノ、オーケー?]
[大体分かったけどさ……おまえ、以前接続が切れてるんじゃなかったのか?]
[そりゃそうだけどさ、提督
もしかしてコレの事、忘れてない?]
川内が提示したのは、左手の薬指
より正確には、そこに付けられた指輪
[コレ、私も付けてるんだよ?
んで、コレの効果はなんだっけ?」]
[提督-艦娘間の霊的接続の強化]
[そう、強化された接続、つまり縁があればほら、この通りってわけよ!]
[なるほど……]
[だから、夜戦しよっ?]
[何をもって『だから』に繋がるのかわからないからダメです」
[えぇ〜?夜戦に理由なんていらないよ!夜戦はそこにある!
夜戦!これに決めた!]
[おまえ、適当に言ってるだけだろ]
[えへへぇ……バレちゃった]
川内は適当にそっぽを向いて頭をガリガリ掻く……[おい、川内]
[なに?夜戦?]
[違う、頭をそうやって力任せに引っ掻くのは頭皮に傷が付く原因になる
潮風にあたる環境だと傷はちょっとしたところから跡が残る、やめた方がいい]
「うぇ?……提督、もしかして
初めてマトモに私の心配してくれた!?]
[……]
[やっぱり!提督が心配してくれるとか嬉しいわ〜っ!][おまえ俺がお前のこと心配してないとでも思ってんの!?バカなの?死ぬの!?]
[それは言外に『死ぬほどバカだなお前』って言ってるヤツだよね!?刺々しい!
さっきちょっと優しかったのにぃ〜
ねぇ戻って!優しかったあの頃に戻ってよ!提督ぅぅっ!]
[俺はDV旦那じゃねぇって!]
突然迫真のヒステリックボイスで叫ぶ川内に応じた俺は、ある種の
[しかもその声色から想像できるシチュエーションだと俺、首絞められてない?俺を強引に押し倒すかなんかして首絞めながら叫んでない?]
俺のイメージが伝わったのかどうかはわからないが、パッと表情を変えた川内は
体を隠すようなポーズで叫ぶ
[変態!そんな……押し倒したりなんかしないから!私だって恥じらいくらいあるんだからね!……あ、でも提督になら押し倒されるのも……]
[あー、あー、聞こえない聞こえない!]
精神内に聞こえないもクソもないのだが、ポーズとして耳を塞いだ上で大声を上げる
いや川内が俺に対して好意的なのは非常に嬉しい、俺だって男だし
美少女に好かれれば嬉しいさ
だがそれはそれとして、俺は提督であり彼女は艦娘だ、その間には
『主人とメイド』のような薄い溝とは比べ物にならないクレバスが横たわっているのだ
職場の上司・部下の結婚なら数例くらいはあってもおかしくはないだろう
両親が同じ職場だったり、同職種だったりした、という事もないではないだろう
だが、そもそも『人間』と『艦娘』では種族が違う
龍の夫は発狂してしまったし、蛇種の夫は妻に逃げられた、妖怪の類の夫婦は大抵妻に殺されるか逃げられるか殺すかだ
まず持って前提条件として『人権がない=ヒトとして扱われない』艦娘と結婚するということはそもそも出来ず、艦娘が退職し、艤装を解体してのちに結婚する、ということになるのだが、それはもはや人間であり艦娘ではない
[…………]
[ねぇ提督〜?なんか黙ってるけどさ
……うん、夜戦しようよ!]
[無限ループって、怖くね?]
[夜☆戦☆し☆よっ!?]
ちなみにこの後めちゃくちゃ夜戦に引き摺り出された
またこいつ一言も喋ってない……
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しぐ……しぐ……