「……〜〜」
暇つぶしにも限度がある
俺はそう思う
諸君、考えても見てくれ
一体どこの馬鹿が謹慎中に膝枕で耳掻きなどされるのだろうか?
「あぁ〜ん、そう言わずに♪」
「うるさい……鹿島、状況と雰囲気、そして場所、TPOというやつだ」
「はいはーい……もう、イケズなんですから」「あのなぁ……」
「私との一夜は遊びだったんですか?!」
「遊びもクソもないものは無いね」
膝枕をさせろだの耳掻きをしたいだのと妄言をブチかましてきた鹿島にすげなく返事をしつつ、その計画性も正確性もない思考を咎める
のだが、やはりというか何というか
「残念ですねぇ……うふふっ」
「懲りちゃあいないな、これ」
いつもの『うふふっ』で話を切られ、結局は何一つ辞めるつもりなど無いという事を悟る
どうせ何をやっても変わりはしないのなら、敢えて罠に飛び込むのも良いか……?
いや、やめておこう
かつての事態を繰り返すような真似はしない、歴史は常に未来のために存在しているのだ
「クソ……」
一つため息をついて、ゆっくりと思考を巡らせる
その最中
「提督、演習の申し込みが来たのだが」
「長門か、良いよ入って」
この状況を変えるための
「演習の申し込み?どこを相手の?」
「一応相手方は……以前の甲崎鎮守府だ」
「え?……そうか、去年の9月以来だから、半年くらいか……もう復興したのか」
「そうだな、向こうに行った那智は驚異的な練度に到達したらしいぞ?
なんでも、魚雷の進路を曲げて相手の背後から攻撃できるのだとか」
「……えぇ……」
魚雷の進路をねじ曲げて半円を描いた上で相手を狙撃……?意味がわからん
まぁ何にせよ受けるしかない
「えぇ?提督さん、鹿島との膝枕は……?」
「知らん、そもそも俺とお前はそんな関係ではない」「そんなぁ……鹿島の初めてがぁ……」「お前の初めてなどもらった覚えはない」
即答同士の交換は息をつく間もないのだが、それはそれとしておいて
「那智の現状も知りたいし、ちとちよも連れて行こうか……磯風と浦風の現状報告もしないとな」
「那智の現状は詳しく報告書に載っていたが、読むか?」
「いや、それには及ばない
俺はある意味現場主義なんだよ」
どうせなら本人から聞く方がいいだろうし、そもそも魚雷を使ったカーブ投法なんて技術を会得しているのなら、それを直に観察するのはウチの子の成長にも寄与するだろう
まぁみんながみんな会得できる技能とは思えないが、それでもその術理か、さもなくば現象だけでも理解できれば良い、最低限警戒の勘所を掴む程度はできるだろう
「……どうする?演習を受けるのか?」
「あぁ、これは受けた方がいいだろう」
「わかった、では指揮と艦隊の編成は提督に任せる、演習は最短で3日後にとのことだから、できるだけ迅速にな」
そのまま長門は出て行った
「…………艦隊の編成か、回避重点で島風を使おうかな……?」
命中精度の高い艦娘を相手とするのなら、回避に優れる艦娘を当てる
というのは間違いではないだろう
「……よし、じゃあ駆逐・軽巡4に千歳・千代田の2人だな」
となると必然的に火力不足になるのだが、そこはそれ、駆逐艦でも驚異的な火力を持った子はいるし、カットイン攻撃の効果を活かせば何とかできる事もある
まぁ、『何とかなる』ではなく『何とかできるようにする』のが提督の仕事
その辺りは俺の腕の見せ所だな
「……よし」
編成をあらかた決めて、頭の中で艦隊の候補を選んでいた時だった
唐突に抱き寄せられて、そのまま頭を抱え込まれる
「もう、提督さんのばか
せっかくここに私がいるのに、無視して艦隊編成だなんて、頭の中何が入ってるんですか」
「計画性と記憶と意志力
あとついでに判断力とジョークセンス」
「そんな事答えて欲しいわけじゃないですっ!」
地面をパシパシ叩きながら叫ぶ鹿島
「頭がキンキンするから金切り声はやめてくれ、頼む」「頭痛がするなら休まないとですよね、さぁどうぞ」「お前は何を言っているんだ?」
間接的に『お前はもう黙れ』と言っているにも関わらず、自慢げな表情で膝枕を進めてくる鹿島の図太さには一種の敬意すら覚えるが、さすがにそれは無い
「さて、鹿島……執務室に行くから、お前は帰れ」「わかりました!練巡巡洋艦鹿島、抜錨します!」
さてはお前執務室にまでついてくるつもりだな?
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