戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

571 / 649
少し、真面目なお話を

「というわけで、編成を考えるぞ」

「はい、提督」

 

今日の秘書官は翔鶴だったので、そのまま編成の相談をする

 

一部艦娘は『自分が出たい』などと猛烈に主張を始めるので、相談が実質できないのだが、翔鶴は大人だから大丈夫だ

 

ちなみに大型艦の中では天龍・赤城・大和が子供属性である

 

「お礼参りも兼ねて島風・駆逐×2・軽巡×1・千歳・千代田の編成を考えているんだが

誰がいいかな?」

「……そうですね、島風ちゃんの速度についていけるのが私と瑞鶴くらいですし……駆逐は……神風さんと陽炎ちゃんがいいと思います

あの二人なら速度はともかく、連携は崩れないかと……あと提督」

「なんだ?」

 

「なぜお膝に鹿島さんが寝ているのですか?」

「……知らん」

 

俺の膝……というか腿には鹿島が不貞腐れたような面持ちで寝転がっているのだ

わざわざそのために予備の椅子を引き出してまで俺の膝を占領する必要性は全く感じられないのだがな

 

「……提督さんのおばか」

「なんだって?聞こえないな」

 

そっと鹿島の頭を叩きながら聞き返す

もちろん聞こえているのだが

あえてポーズとして聞き返す

 

「なんでもないです」

「……だそうだ、翔鶴、話の続きに戻ろう」

「わ、わかりました」

 

というわけで出撃メンバーは

旗艦球磨以下

2番艦:千歳 3番艦:千代田

4番艦:神風 5番艦:陽炎

6番艦:島風と相成った

 

「島風ちゃんは最後なんですね」

「あぁ、出撃序列を考えると遅い遅いと騒ぎそうだが……序盤は縦陣を敷きつつ接近

千歳と千代田は散発的に航空機を展開し、敵の航空攻撃に備える

そのまま戦闘に突入して、ちょうどいいタイミングで島風を切り離し

単独で敵陣に突入させる、突撃の後背は神風がフォロー、単独突入後は球磨の指揮で艦隊を、俺の指示で島風を動かし、単独で指揮を取る大佐より一手先を打つ」

 

俺が考えたのは指揮系統の分割による指示の短縮、旗艦球磨も指揮を得意としていて、艦隊の全体的な練度は高い、俺とて島風に集中して指揮を行えば、島風のスピードに追いついての指示が可能だ

 

つまり、現場チームを主任の裁量に任せて直轄だけを独自に動かす、という事だ

言うは易く行うは難しというように、指揮系統の分割は混乱を招きかねないが

それでもやはり、俺の指示は基本的に『現場に任せる』と言うことが多い

相手が近くにいるからこそ、その反応を見てメタ対応を取り続けることができると言うだけで、それもそこまで広範囲に行うことはできない

だから島風(切り札)だけに絞る

 

現場での戦闘を島風以外の艦娘に任せて、盤上で派手に動く駒役を演じてもらい

俺は島風という槍で直接司令官(プレーヤー)を刺す、というわけだ

 

「よし、しばらくはこの艦隊編成で動きの練習をしてもらおうと思う、宜しいか?」

「はい、それでは仮称:演習選抜艦隊の皆さんを呼びますね」

「頼んだよ」

 

翔鶴が放送をかけて、艦隊に仮編入された艦娘達を招集する

 

その間俺は、艦娘達に島風の単騎突撃という一見無謀にも見える作戦をどう説明するかを考えていた

 

「で、私たちはどうすれば良いの?」

「提督の判断に従うクマー」

 

「それなんだが、島風」「おぅっ!」

 

いつもの奇声での返事、もはや慣れすぎてだれも咎めようとはしない

 

「お前には戦場の撹乱を頼みたい、俺がお前だけのオペレートに集中するから、戦闘中に最後尾から突撃し敵陣に斬り込んでの接近戦で乱戦に持ち込み、敵の陣形を崩して欲しい」

「えぇ〜?私速いんだから、狭い場所での乱戦には向かないと思うよ?」

「逆だ、誰より速くて小回りの効かないよりも操舵を十分に行える程度の速度で考えろ

元が最速の島風なら戦闘中の急カーブでの減速も切り抜けられると考えた

全てはお前が速いからだ、お前以外には任せられない、誰よりも速く動ける島風にしかできない仕事だ」

 

リアル言い包めのダイス判定に勝ったのか、島風はニコニコしながら頷く

 

「うぅ〜……わかった!」「宜しい」

 

「……(単純ですね……)」

「……(単純だな)」

「……(子供だから仕方ないわよ)」

「(神風だって子供だろう)」

「(私はもうかなり……子供だし!)」

 

自分で年齢の話に触れそうになって強引に主張を変える神風(かわいい)

 

「というわけで、神風と陽炎には単騎突撃をサポートしてもらいたい」

「単騎突撃……それはつまり特」「違う、断じて違う、()()は二度と口に出すな」

 

あらぬ単語を口走りかける千代田を封殺し、そのまま睨みつける

「あくまで『アレ』とは違うのね」

「あぁ、でなければ指揮系統の分割などしない……でだ、俺が合図を送ったら指揮権を旗艦に委譲する、その後は島風と別行動を取りつつ

『艦隊行動』で相手を殲滅する

指揮系統の分割によって指示から行動までの時間を短縮し、現場での判断で行動できるようにすることで艦隊全体での反応速度を早めるというわけだ

その際は混乱を避けるために俺の無線を島風にのみ接続する回線に切り替えるから、それ以降一切俺には通じないものと思ってくれ」

 

「わかりました」「クマー」

「はいはい」「了解」

「はーい!」

「おうっ!」

 

島風以外はみんなまともに答えてくれたのが地味に嬉しいと思う自分がいる

最近みんな返事が擬音とか語尾とかなんだよなぁ……

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。