「さて、演習艦隊は演習用の武装を装備して乗れ」《はーい!》
沖津丸のデッキに演習艦隊みんなを乗せて、ついでに陸奥と飛龍を護衛に指名して左右に付ける
「演習艦隊は全員休んでおいてくれ、本番は後だ……飛龍」「なに?」
飛龍をそっと手招きして、出撃シーケンス中の陸奥に目線を送る
「一応だが気を付けてやってくれ
陸奥は艤装に適合してから日が浅い上に、沈んだ理由が『突然の爆発』だ
突然艤装が爆発して轟沈、なんて可能性もないわけではない……一応メンテはしているし確認済みだが、そういう理詰めを超えてくる可能性があるからな」
「んじゃ私は警戒より『護衛の護衛』ってかんじなの?それはちょっと嫌かな」
「そうじゃなくて、陸奥が突然爆沈したりしたら困るから、接敵する前に出来るだけ叩いて、陸奥の索敵範囲に敵が来ないようにしてくれ
彼女にとっては初の出撃になるから、苦手意識をつけたくないんだ」
「あ〜……うん、分かった
たしかに初戦でなんかトチると苦手意識ついちゃうよね……うん、この飛龍さんに任せなさい!」
「声が大きい」
ドン!とでも効果音が付きそうなポーズをとる飛龍にツッコミを入れて
俺は沖津丸に乗り移り、飛龍は鎮守府側のドックから出撃した
「じゃあ沖津丸、出航するぞ」
(りょーかいです!)
(抜錨!主機回せ!)
妖精達の慌ただしい動きを見ながら、俺は海図を睨んだ
一応沿岸部の側には深海棲艦はほとんど来ていないため、安全地帯はあるが
その辺りは漁村であったり別の鎮守府であったりが存在する
その目の前を突っ切っていくのは挑発行為にも見えるかもしれないし、下手をすれば停められて臨検される可能性もある、コースは考えなければならない
そのため少し沖側にでて、深海棲艦が出てくるギリギリのエリアを通行することになるのだが
「……出てくるか……?」
沖側を航行するのならば避けては通れないのが深海棲艦、それによる被害を受けないように、本来の部隊を守る護衛の艦娘が必要なのだ
〈我、飛龍 9:00の定時連絡を行う〉
……海域は平和である
歴戦の正規空母が目をつけていれば、こんな場所には駆逐も出てこないとでも言うかのようだ
「……もう2時間くらいか」
海に出てから、約二時間
そろそろ相手方……甲崎鎮守府に着くところだ
「これより、作戦前のブリーフィングを行う、演習艦隊は全員、会議室に集合を」
俺は演習艦隊の全員を集めて、兼ねてから伝えていた作戦を再確認する
「まず、開幕から単縦陣で突撃を仕掛け、距離を詰めつつ千歳・千代田が先制攻撃を行う
敵艦隊に接近後、島風が単騎で突撃
艦隊は砲撃で島風の突入を支援しつつ更に接近、島風が突入した後は砲撃を切り上げて遠距離から魚雷の散布を行う、千歳と千代田は航空支援を維持しつつ、余裕があれば相手の艦載機を枯らしてくれ」
《了解》
「質問、不明事項があれば提示してくれ」
「まず、なぜ最初から島風ちゃんが突撃すら形にしなかったの?突然陣形の変更なんて難しいわよ?」
「島風に限ってはそうではない、陣形の変更なんてのは本来余裕のある時にしかできないが、島風の『最速』は尋常の限界を凌駕する
複数人の移動が必要な陣形の変更と違って、島風が単独で動けばそれでいいんだから、なんの問題もない」
神風からの質問には島風の速度を根拠にして答える、実際的に速度を自分でも売りにしている島風だ、小回りも効くし……退屈でウロチョロとするよりはマシだと思う
「……分かったわ、あと
具体的に『支援』って何をするの?」
「そりゃあ……島風の周囲に群がってくるだろう敵艦隊に対する砲雷撃だな」
「敵編成に潜水艦がいたらどうするクマ?」
「その時は駆逐と軽巡になんとかしてもらうしかない、千歳と千代田は対潜装備がないから、頑張れ球磨」
「仕方ねークマ」
「じゃあ、私から質問いいかしら?」
陽炎からの質問が入った
「なんだ?」
「この戦い、ガチで潰しに行くの?
それとも接待してあげるの?」
「決まってるだろ?
彼我の練度には大きな差がある、片や大被害からようやく再建した鎮守府
片や姫級の艦隊を乗り切った歴戦の鎮守府、司令官の階級は同じ大佐とはいえ、ここまで差が大きくなれば考えられるのはただ一つ……そう」
「つまり」
一旦台詞を止めて
「「「「「全力で潰しに行く」」」」」
「クマー」「ですね」
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