戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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ブラックアンドブラック

「メェッ」

「いてっ!」

 

昨日の夜、帰ってきた後にゴトシープと一緒に寝ていたら、いつの間にか朝になって叩き直されてしまったらしい

 

「06:30か、ありがとう」

 

今日の秘書艦は朝潮、時間に厳しい子だから先に起こしてくれて助かった

 

「さて、まずは……」

 

着替えて朝食食べに行こうか

「メルメルメー〜〜」

 

「おっ、おい!?」

 

ゴトシープは飛び上がって窓から外に出て行ったので、どこに行くのかと思って追跡してみると……

 

すぐそこで見つかった、どうやら空母棲鬼にちょっかいを出しに行ったらしい

そんなところまでタコヤキそっくりなのか、もうお前羊よりタコヤキに見えるぞ

 

「メルメルメー!」

「ちょっと提督!この羊どうなってるの!?」

 

スカートを咥えたゴトシープをぶら下げたまま、空母棲鬼が駆けてくる

「落ち着け空母棲鬼、まずは深呼吸だ」

「できるわけないでしょこんな状態で!」

 

「だから落ち着け、俺が取ってやるから」

 

そっとゴトシープの方に手を伸ばすと

 

「……」

フィッと顔を逸らされる

おい、お前そんなに空母棲鬼が気に入ったのか?浮気性かこいつ

 

「いつぞやのタコヤキを思い出すわね」

「そうだな、本当にな」

 

じぃぃっとゴトシープを見つめると

なにやら視線を切ったゴトシープは

空母棲鬼のスカートの中に潜り込む

 

「あっ」「あっ」

 

その瞬間に二人の声が重なる

 

「待ってこの羊っ!!」

「セクハラはやめろぉっ!(いいぞもっとやれ)」

 

「メェッ!メ〜」

バタバタとスカートの中でなにやら蠢いている空母棲鬼は、顔を真っ赤にして足を動かして、なんとかゴトシープを蹴り出そうとしているようだ

流石に男の俺がいる目の前でスカートの中を弄るのはできないか

 

「ごめん、俺外すよ」

 

さっと部屋を出て……俺はゴトシープを空母棲鬼に任せて朝食をとりに向かった

 

まぁあの懐かれ具合なら大丈夫だろう

最初こそ問題が目立つかも知れないが、後々にはそれも減ってくるはずだ

……と希望的な未来を口にして

 

「間宮さん、とりあえず和定食、味噌汁と卵豆腐で」

「はーい!」

 

目についたオプションをつけて朝飯を注文しながら席を探す

最近の味覚は一応卵豆腐と豆腐の区別が付くくらいには回復してある

間宮さんの飯限定でなら、だいたい3割分くらいは味を感じられるだろう

 

「はい、どうぞ♪」

「ありがとう」

 

ずいぶんとご機嫌な様子の間宮さんがプレートを渡してくる

 

「何かあったか?」

「いいえ?提督が来てくれるというだけで、幸せですから」

 

「なんやこのセリフ、くっさいわ〜」

 

にこっと微笑んだ間宮さんに内心動揺しつつ、カウンターを去ろうとしたその瞬間

横あいから突然関西弁が飛んでくる

思わず横を向いたが、その視界には誰もいない

 

「…………あれ?」

「何処見とんねん!ここや!」

 

足元から元気な声が聞こえた所で、ようやく視線を下げて

 

「キミぃ……なに?」

「いや目線合わせつらいし」

 

そっと屈んで、カウンターと頭の位置がほぼ同じな龍驤に目線を合わせる

 

「いやそないな事聞いとらんのやけれど」

「そうか、じゃあな」

 

そっと立ち上がって龍驤とサヨナラし、そのまま適当な席に座る

「ちょ、ちょい待ちぃ!」

 

「提督さん、こっちこっち!」

「……いらっしゃい」

 

その先にいたのは、瑞鶴と深海鶴棲姫だ

 

「瑞鶴、黒瑞鶴、直接話すのは久しぶりだな」

「もう、誰のせいだと思ってんの?」

「はぁ…………」

 

膨れっ面で問い返してくる妹鶴と、それを横目で見ながら深くため息をつく深海鶴

 

「どうした深海鶴棲姫、なんかダウナーな雰囲気出してるけど、似合ってないぞ

お前は活発な方が良い」

 

「……バカ、そんなのは自分で決める事よ……」「ねぇ提督さん、コイツ本当に私と同じ瑞鶴なの?」

「本当に同じだよ、むしろオリジナルだあんまり馬鹿にしてやるな

普段はお前と同じように明るい子なんだよ、なんかあったみたいだけど」

 

瑞鶴が深海鶴棲姫に懐疑的な目を向ける中、テーブルに突っ伏した深海鶴棲姫を揺り起こす

 

「ほら、起きな……ってお前朝フライドポテトと黒パンって、なに考えてんだよ」

「そんなの提督の知った事じゃないでしょ?……はぁ……」

 

「いやそれは心配するっての、翔鶴だって」「黙ってよ」「……え?」

 

「黙ってって言ってるのよ!」

 

突如席を立った深海鶴棲姫は

俺の口に半分ほど残った黒パンを突っ込み、フライドポテトの残りを一気に流し込んで食堂を出ていく

 

「翔鶴がトリガーになる何かが起こったってのか?……んぐぬ……げほっ!……」

「提督さんお水!ゆっくり飲んでね、

焦らなくて良いから、ゆっくりだよ?」

 

瑞鶴に差し出されたコップを受け取って、その水を飲む……

 

「あ……間接」

「んっ!?!ごへぇ!がっ!」

 

強引にパンを飲み込むはずが

更に咽せるだけになってしまい

ひどく咳き込む

 

「ごほっ!……すまない瑞鶴」

「きっ……気にしなくて良いから!

そんなことより、深海姉の方に!」

 

「おう、ぇぼっ!……分かった!」

 

朝食を瑞鶴に任せて、

俺は深海鶴棲姫を追いかけて走った

 

朝潮にもこの問題は説明しなくてはいけないが、それは後だ、まず現場での対処を優先しなくてはならない

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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