戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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二話連続更新なので、前話見逃してるかも?(秋津洲)


レ意義?

「さて、ひとまずこれで良いとしよう」

 

仕事どころか私生活にすら影響が出かねない悪行を繰り返した罰としてはマシな方だろうが、それなりに重い罰を受けてもらったし

白露型の面々をこれ以上咎めるようなこともあるまい

 

「っし」

 

もう日も暮れて夜になってしまったので、翌日の地方に差し支えないように寝ることにして、布団に寝転がる

 

「……やっぱ二週間ぶりの布団はちょっと落ち着かないな」

 

もともと自分のとはいえ、二週間も使っていないとやはり感覚的な違和感を感じるというのは当然のことだろう

 

ましてや微かに残る柑橘類や花の香に気を乱されながらでは寝付けたものではない

 

「……これ、陽炎のつけてた香水の香か」

 

ええい、いらん事で思考を乱してはいられないというのに

 

やけに生々しく記憶から浮かび上がってくる陽炎の肢体に気を迷わせつつも

ロリコン退散の真言を唱えて振り切る

 

「……」

 

結局眠ることができたのは2時間後だった

 

 

 

「メ〜…!」

 

ゴトシープの飛び蹴りを受けて目を覚ました俺は、そのままゴトシープを扉に向けて投擲し、送り主に投げ返してやる

 

「キヒヒヒッ!、提督〜……だめじゃんこんなに可愛い羊を投げたりしたら〜」

「レ級か、お前が起こしに来るなんて珍しいな」

 

「ダメか?戦艦が提督を起こしに来たらダメなのか?」

「いや、別にダメでは無いさ」

 

大和とか榛名とか霧島とか陸奥とか扶桑さんとかに起こされたい居眠り提督は沢山いるだろうし、その中にレ級が一人混ざることくらい何でもないはずだ

よかったなお前達、ロリも戦艦なら合法じゃ無いのか?

 

「なら良い、ホラさっさとメシ食いに行くぞ」

「待てって!まずは準備があるんだよ」

 

女の子ほどじゃ無いが、男だって顔洗って髭剃ってメガネなりなんなりの用意してとか、場合によっては朝風呂に入る事もある

それなりな時間はかかるのだ

女の子はそれ以上に時間がかかるというだけで

 

「ちょっとくらいなら待ってやる

180〜179〜178〜」

「3分で支度しろと!?」

 

突然数字を数え始めたレ級に抗議せんと声を上げると、レ級は深海から抜けても変わらぬ眼光で睨みつけて来て、

 

「40秒にされたいか?」

「いや3分でいいです」

 

俺はその圧力に屈した

いや別に害意があるわけじゃ無いというのもわかっている、攻撃的なわけじゃない

どちらかというと、俺よりも優先したい何かが存在しているということだろう

 

それは十中八九……

「飯、か?」「……ア?」

 

図星だなこれ

「よし、そんなお前にこれをあげよう」

 

俺が提示したのは、間宮券

間宮スペシャルの注文権利だ

 

「なんだコレ?」

「間宮券という、お前は使ったことなかっただろう?」

 

「あぁ、駆逐艦が喜ぶやつか」

「天龍達も喜ぶんだがな?」

 

実を言うと姉さんや長門、大井達も喜ぶのだが、それはまぁ置いておいて

 

「とりあえず、まぁ初回サービスだ

本当はMVP取った時とか格別な働きがあったときの褒賞なんだから、あんまり安売りできないようになっててな、貴重品だぞ」

「そうか!昼に使ってみる」

「おう、そうしなさい」

 

軽く笑い合って、いつのまにかカウントを忘れているレ級に苦笑しつつ

ひとまず着替えるために部屋から出す

 

「まぁ待ってろ、すぐに向かうから」

「分かった」

 

という会話を最後に扉を閉めて

速攻で着替える、急いで髭も剃って、髪を整えてから部屋を出る

 

「はい、待たせたな」

「待ったよ、まったくだ

ほら、朝飯行こうぜ!」

「あいよ」

 

その後は、レ級と連れ立って朝食をとり

レ級の食事風景を眺めていたのだが

 

「……」

 

なんというか、レ級は食べ方が汚い

空母棲鬼は特に必要ないくらいに教養があり、弓道や剣道、茶道花道書道と色々な方向に学があったが、レ級は下級の深海棲艦の中での上位個体だからなのか、真っ当に教育を受けていないのだろう

 

……間宮さん達も特に矯正しようとしたりはしなかったようだし、俺も今の今まで放置していたから余計に目についたのだが

 

「はい、レ級、まずは箸の持ち方から教えるぞ」

「えぇ?使えてるからいいじゃんよー!」

 

「行儀作法ってのはどこ行っても重要だぜ?今までは終戦のビジョンが見えなかった上に余裕もなかったけど、中枢棲姫がこっちに来て、戦争を終結させるビジョンがようやくできて来た、だからこれからお前も外を出歩けるようになる

その時に行儀が悪いと周囲からの印象が悪くなっちまうからな」

 

「はぁ……難儀だねぇ提督も」

「お前達に比べればマシ」

 

そっと手を取って、箸や器の持ち方やら箸の扱いの作法やらとさまざまな事を聞かせていく

まずは『理想的な扱い方』を提示するために雷に協力してもらい(たまたまそばに居た)

 

「はい、煮卵2つでーす」

間宮さんにも追加注文を頼んだ

 

「さて、実際の扱いだが……雷」

「はい、提督」

 

雷は文句一つ言わず、笑顔で応えて手元の箸を取る

 

『箸の扱いの作法をレ級に教える』だなんて唐突な面倒ごとに協力してもらえてありがたい限りだ

 

「レ級ちゃん、まずはね

こうやってお箸を持って見て?」

 

雑な握り箸から、正しい手捌きに直す過程は少々時間がかかるだろうが、雷は根気強く説明を続ける

 

「こうやって、中指に乗せる形で置いて、親指の根本の方で挟むの

やってみてね」

「こ……コウか?」

 

「うん、上手くできているよ」

 

俺は後ろからそっと声をかける

 

「次は、二本目のお箸を

さっきの一本目の上にして、こっちはこうやって……中指の先の所と人差し指の指先、最後に親指の先の内側のところで押し合って固定するのよ」

 

「うん?……えっと、もっかい」

「一本目は抜いて説明した方が良いわね、鉛筆の持ち方はわかる?」

「提督がよくやってる書類書く時のやつか?」

「俺そんな事思われてたの?」

 

ちなみに、しばらく雷と一緒に教えた結果、レ級は漆塗りの箸で小豆を掴めるくらいに成長した

 

もともと知らないことが多い子だからなのか、知りたいと思わせることができればよく学習する、驚くほどのスピードで成長していった

最初は扱いやすい割り箸だったのだが、滑りやすい漆塗りの箸で同じく滑らかで曲線的なフォルムから滑りやすく、また目標が小さいために捉えづらい小豆を掴めるとは、まさかそこまで進歩すると思っていなかった

 

「……今度は鳳翔さんのところで作法を教えてもらおうな?」

「作法?」

「礼儀作法ってのは重要だからな、なにも箸の扱いだけじゃなく、食事にはいろいろな作法がつきものだ、俺だって全部マスターしてるわけじゃないんだから、俺より詳しい人に教えてもらおう」

「わかった!」

 

「元気が良いわね、あ、もちろん私も協力するわ」

 

「ありがとう、手間をかけさせてしまったね」

「別に良いわよ、面倒ってわけでもないし、それに……」

 

「それに?」

 

俺が聞き返すと、雷はわずかに言葉を止めた後、勢いよく言い切った

 

「子育てみたいで、楽しかったの」

「…………」

 

「提督の子供、いつか生まれたら

私にも見せてね、なんなら預けてくれても良いのよ?第六駆逐隊のみんなでお世話するわ!」

「その時は頼むよ」

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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