「急遽決まった艦娘の融通のせいで!私の計画はボドボドだぁ!」
「……おうダディアナサン、早く髪型直せよ」
バタバタしているからなのか
ボサボサの髪をごまかそうという努力すら見えない髪型になっている明石を促して
普段使いの髪留めを何処かになくしたという悲しみに溢れた答えを知る
「探してる時間がないので、今日からしばらくは髪下ろします」
「……まぁ出撃もないからいいかな」
どうでも良いことを吐き捨てるように適当に切り捨てて、頭の中を切り替える
「お前の計画は置いておいて
物販に何置くか決まったのか?
土産物くらいはあって然るべきだしって事で鎮守府らしい物を用意するんだろ?」
「しましたよ!その辺はもう間宮さんに日持ちするクッキーとか作ってもらってますよ!鎮守府らしく各艦娘のキメセリフをプリントしたTシャツとか各サイズ作りましたよ!なんなら白露型の水着っぽいデザインの下着だってありますからね!」
「おっと例の全サイズ即日売り切れ下着の話はヤメルンダ」
2015の年末くらいに大変騒がしいことになった例の下着の話を急いで止めて
とりあえずそれは差し止めることを決意する
「まぁ下着は流石に売れる物じゃないし、そもそも仕入れてませんけど
とりあえず安っぽい変Tよりはマシ……って感じのしっかりしたシャツです
えっと……『一航戦赤城、寝ます!』と『まな板にしようぜ!』と……あと『どうする?ナニする?』と……」
「おまえなんでそんな微妙なセンスなんだ?」
「人気出そうじゃないですか!」
「……そりゃ出そうだけどな?……特定個人が自殺衝動を起こしそうな奴はやめたほうが……いや本人に許諾取ってるなら良いが」
十中八九取ってないんだろうな
「翔鶴さん達の制服からモデリングしたコスプレ衣装とかもありますし
バズーカ蒼龍の教訓を活かして色々とサイズとかカラー、デザイン変更を加えたものもあります、賑やかしには十分でしょう」
「その謎の熱意はなんなんだおまえ」
呆れたような声の俺に、明石は見惚れてしまうような笑顔で答えた
「こういうの、面白いじゃないですか!」
「……さいですか」
止めるのはどうせ無理だろうし
今から代案を立てる余裕はないか
せめて物販を艦娘達から遠ざけるといった方法は最大限に取ろう
「まぁ面白ければ良いか」
「はい!終わり良ければ全てよし
面白ければ全てよしですよ!」
「[はぁ……]」
俺の駆逐棲姫のため息は完全にシンクロしていた
「刹那主義は後に響くぞ、まぁおまえが何しようと構いはしないが
迷惑のかかるようなことは辞めなさい」
「えぇ〜?ほんとにござるか〜?」
「おまえ最近俺が上司ってこと忘れてないかおい」
「忘れてないですよ!」
ちょっと脅そうかと低い声を出してみると、予想外の反応で……ちょっと怯えている
「ん、で……メインの物とかは決めた?
バズーカ蒼龍は流石に色物だし
なんか王道なやつ、あるんだろ?」
「はい!ちゃんとありますよ!」
打てば響く、とはこのことか
「艤装技師としての艤装修理実演は演目としてあるので、
売り物の方は夕張ちゃんに任せてます!」
「……」
[結局丸投げじゃないですか]
[言ってやるなよかわいそうに……]
「ちゃんとTシャツとかも売り物ですし
賑やかな場所でさえあればそれなりの雰囲気が出るってものですよ
夕張ちゃんは華のある子ですし
商才も目立っているので、あの子の良いようにさせるつもりです」
それでバズーカ蒼龍やら
コスプレ衣装ならと?
「はい、夕張ちゃんが作るのに乗り気でしたし、妖精さん達も張り切っていたので
原料費もほとんどタダでしたから!」
「……一応聞こう、どこから?」
「ラバウルとソロルと江ノ島と……えっと兼六園と三沢のそれぞれの鎮守府です
特にラバウルは生産拠点として有名だからなのか、色々と送ってくれました、ソロルは主に技術協力で妖精さん達の技術向上に貢献してくれましたね」
「礼状と招待状書かなきゃ……(使命感)」
「提督がですか?」
「こういうのは直筆じゃないと意味がないの!感謝してるってプリントで書かれても感謝してるように見えないんだよ!手間かけてでも手書きするくらいに感謝してるってのに意味があるの!」
「大淀とかは」
「どこの世界に秘書に代筆させる組織代表がいるんだよ!」
「……割といると思いますよ?」
「それはそうだけどダメ……はぁ」
予期しない仕様追加というありがちなクソオーダーをかましてしまったせいもあり
艦娘達の方に直接足を運んでみたのだが
ここでも仕事が増えてしまうとは全くの予想外だった
「だが仕方ない……やらねば」
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