戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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手元の駒

「というわけで」

「幽体離脱〜……あれ?」

 

裏山鎮守府から融通して貰った艦娘達が、しばらくこちらに滞在する

ということで、交換派遣されて

『翔鶴in 山城out』

『萩風in 阿賀野out』

『秋月in 暁out』

『アトランタin 長良out』

 

など、人員の交換があり

その過程で大和、暁など、外聞が著しく良くない艦娘や秘匿されるべき艦娘たちを向こうに送って匿うことで隠匿に成功

一時的に人員を被らせて同名艦娘の重複所持にも成功した

 

裏山鎮守府から借りてきた艦娘達は共通して『緑のバンダナ』を腕に巻いているので、一目で識別できるようになっている

これで誤認の恐れは減らせているだろう

 

本当は抜本的に格好自体を変えたかったのだが、それをするの本人かどうかすらも怪しくなってしまうし、制服で識別しているところもあるので

服装自体を丸ごと変えるわけにはいかなかったのだ

 

「ウケ無かった?ねぇ司令官!」

「……黒潮、はっきり言ってやれ」

 

「そこでウチに振るん?……まぁええわ

とりあえず陽炎姉さん……ないわ」

 

「がーん!」

「まぁ……ね」

 

やった本人のかたわれすらウケると思っていなかった死体ドッキリ+幽体離脱

これがウケるはずもなく……

 

陽炎は大淀に叱られた

 

「私完全に巻き込まれてるんだけど……」

「ごめんって!ごめんなさい!」

 

陽炎が陽炎に謝ってる姿はなんというか……本当に双子の姉妹のように見える

一応わずかに背が高いのが創海の陽炎で、腕が多少細くて猫背気味なのが裏山の陽炎だ

 

「……こうしていると、本当に姉妹みたいですね」

「鹿島っ!?」

 

背後から背に乗るように体重をかけてきたそれを、ホールの床に(怪我をしないように)投げる

 

「きゃん!痛いです提督♪」

「お前な、仕事中なんだから真面目にやれ、フリーならいいけど就業期間中は規律を守ってくれ」

 

俺自身が仕事中でもないのに働いたりしたくないタイプなので、外出中や休暇の時までうだうだと言うつもりは毛頭ないがそれでも就業時間の間や出撃中くらいは言わせてもらう

 

「もう、いけずなんだから」

「やめろ気持ち悪い……いやまて、そんな悲しそうな目で見るな」

 

鹿島の顔は……控えめに言って整っているので泣かれるとかなりきつい

主に社会的評価が

だからといって顔がアレなら泣かせても良いわけではない野だが、アイドル的な意味で顔は社会的評価に直結するからな

 

「さて、陽炎」

「「はい」!」

 

「あ、うん、ウチの陽炎」

「はい」

 

裏山の陽炎が微妙な表情になってしまったが、まぁコラテラルダメージだ

双子を間違えて呼んだくらいのものだ

 

「まず、駆逐艦の寮での説明文は決まった?」

「うん、『駆逐艦』の説明はこれでいいと思うわ、有利・優越性、不利な点、どっちもしっかり説明できていると思う」

 

「よし、昨日空母と軽母の説明は決まってるから、あとは……」

 

「戦艦と海防艦、あとは潜水艦やね」

「サンキュー黒潮……海防艦か」

 

あんまり考えていなかった艦種だ

そもそもウチには1隻たりとも着任していない存在しない艦種なのだから当然だが

 

「海防艦についてはこっちで考えてるけど、今のところ運用が限られた艦種でもあるし

コストの軽い対潜要員……みたいな説明になると思う」

「潜水艦はどないするん?」

 

「そりゃ本人達が考えてるよ、戦艦もね」

「そりゃそうか」

 

「練巡も防巡も軽巡判定なので、私たちは特別なことはしないんですよね〜?」

「お前はただでさえ外面がいいからな

お前ばっかりに人が集まっては困る」

 

「もう、相変わらず塩対応ですねぇ

ちょっとくらいはデレてくれても良いんですよ?」

「……はいはい」

 

鹿島を置いてそのまま執務室へともどる

出歩いてはいても遊んでいるわけではない、艦娘達の精神状態や交換派遣の影響調査を行っていたのだ

 

「……あとは」

 

戦艦だな、山城が向こうの翔鶴と交換派遣(トレード)されているので

ただでさえ人数の少ない戦艦は1人欠ける

 

その影響がどれほどかはわからないが、扶桑と山城はかなり仲が良い

お互いに悪影響を出さないと良いが

 

「……」

 

side change

蒼羅out

中枢棲姫in

 

「彼は……忙しそうね」

 

ひとつ、ため息をつく

情熱的に口説かれても、所詮女は数多いということかしら……

 

「最近深海棲艦が静かなのは良いけれど

こうも長く続くと流石に違和感がない?

私はそろそろ来ると思うわ」

 

陸まで蒼羅さんについてきたものの

肝心の蒼羅さんは私には微塵もかまってくれない、どころか任務があるからと放り出されたもの同然の状態になってしまって、腹癒せにでもと中庭に来てみれば

 

「そうね、いつきてもおかしくはない

3ヶ月近く溜め込んだ資材で大量の雑魚を建造して水増し、最初の方に建造した個体は精鋭個体に進化、姫級か鬼級の個体が数体……そうね、最近沈んだばかりの良い体を拾って造った、といったところかしら?」

 

空母棲鬼と鉢合わせした、というわけなのだけれど

空母棲鬼と私の敵戦力の予想は概ね同じ

深海棲艦の戦力補充は艦娘とは比較にならないほどに早い

 

なぜなら建造直後からすでに実用的な状態だから、建造直後の未熟な艦娘を育成し、装備を変更し、強化策を施し、それに戦術を学ばせるといった手間がかからない

下級深海棲艦のほとんどは吼え猛る他に能のない正真正銘の無能だが、それでも暴れることだけはできる

下級はそこらへんの鉄や海水だけでも要求量を満たせるため、戦場跡からポコジャカと生まれてくるものだ

 

それを3ヶ月近く溜め込んでいる

……どうみても異常だ

姫級の建造・召喚のために多量の資材を使ったにしても1月も有れば十分に戦艦棲姫くらいは建造できる

体制になんらかの変化があったのか、それとも……単純に数を揃えて連携を強化して鍛えているのか

 

どちらにしても脅威である事には変わりない

 

「教えてあげるべき、かしらね?」

「……私達で出来る限り対処しましょう、彼は今忙しいのだから」

 

ゴトシープとタコヤキと鳥模型を侍らせながら、空母棲鬼は海側へと歩いていった

 

「……いや多すぎじゃないかしら」

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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