戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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プリンセス

「行きますよ……!単縦陣から複縦陣へ移行、魚雷装填!」

 

みんなの魚雷装備は統一で61センチ5連装酸素魚雷

高級な品だが、ランダム開発や戦利品に頼るからそうなるというだけで

自分で作ることができる俺なら量産も可能だ

 

「とは言っても、流石にそんな数は作れないがな……」

 

資材だけではなく精神力も体力も道具も消耗する、量産できるからと高級な装備を量産していては倒れてしまうし、装備頼りの残念な艦娘ばかりを育てる結果になってしまうだろう

 

「……よし」

 

依然として青葉には動きはない

 

「空母棲鬼達はポイントラムダ……『Λlanbs』に避難しているし、マジでやる事ないな」

 

今だけは、だが

「とりあえず先に飯食っとくか」

 

時間のあるうちに、とりあえず腹に物を収めておくべきだろう

時間がなくなってから『腹が減っては戦はできぬ』などと言い出すような間抜けはごめんだ

 

「よし、間宮さんのところに行こう」

 

ちなみに、食堂は大人数の一挙流入による混乱を避けるために『間宮さん+裏山の伊良湖さん』の食堂と『鳳翔さん』の居酒屋と中庭の一角に急遽用意された天幕で有志による軽喫茶がある

 

その中で俺が選んだのは

間宮さんのいる食堂だ

 

「さぁて……何しようかな」

 

適当に軽めの物を考えつつ、食堂へと赴く……っとその前に

 

「龍驤と浦風に連絡しないとな」

 

配置固定されているものは動く際には連絡が必須である、なぜなら

配置固定とは『そこにいけばその人がいる』という事であり

急遽の報告事項などが生まれた際に向かうべき場所・人物だからだ

 

それがいつのまにかどこかに居なくなっているというのは混乱も時間の無駄も招く、いい事なしだ

 

「……よし」

 

それぞれにメッセージを送ってから俺は食堂へと向かった

 

 

「提督は大丈夫かしら……?」

「知らないわよ、私はそこまで遠隔で感覚できないわ」

「……それもそうよね……あの水母棲姫が異常なだけよね」

 

かつて戦った水母棲姫は己の艤装の一部である糸を張り巡らせる事で超遠隔からの盗聴を可能としていたのだが、それは水母棲姫が糸の超遠隔操作と同時に糸を利用した知覚の延長という特異な技能を有していたからに過ぎず、他の姫や鬼においそれと真似できるものではない

 

「提督は心配だけれど

だからと言って鎮守府には行けないわ

私たちは隠れているのだし

……でも、一ついい方法があるじゃない?」

「……そういう方法は強引すぎて好きじゃないのだけれど……」

 

「なら、やめておく?」

 

「ふふっ……止めるわけないでしょう?」

 

そう、やめられるわけがない

自分が生み出した存在である深海棲艦達

その存在の責任は……いえ、私の破片の回収は、全て私が行うべき事

幸い、敵は纏まっている

私の有する超火力特化型の艤装はそれを纏めてすり潰すのに最適

 

「なら、やるしかない」

 

ぎちぎちと音を立てながらボイラーを回す艤装に命令をやって

その上に座る

 

「行くわよ、空母」

「レ級達はどうするの?」

「あいつは置いていく、はっきり言って、この先の戦いにはついていけないから」

 

私のきっぱりとした言葉に一種の納得を覚えたのか、特に反発することもなく

頷いた空母棲鬼は、そのまま艤装を起動して私の隣へとやってくる

 

「速度はそちらに合わせるわ、たった2人だもの、気にすることはないわよ」

「助かる、どうしてもって時は先行して

私の装甲は堅いから、気にしなくていいわよ」

「了解」

 

軽く言葉を交わしたあと

お互いにゆっくりと海上を進んでいく

ステルス能力のある種類の姫と違って、私は自分の深海棲艦としての存在感を隠蔽することはできない

 

けれどそれでも、むしろそれだからこそ

撒き餌としてこれ以上ないほどの効果を発揮する

 

私の存在が周囲に認識されたのか、少しずつ深海の気配が強まっている

少しずつ、本当に微弱だけれど

先ほどまで漠然と感じていた深海の気配が増している

 

おそらく

 

「小型艦に見せかけた姫級

それもかつての海峡夜棲姫や深海鶴棲姫並みね」

「そのようね……水母棲姫や軽巡棲鬼とはわけが違うってことね」

 

オーラは巧妙に隠しているけれど

駆逐サイズよりも小さいほどのボディに詰め込まれたパワーは戦艦級のそれを凌駕する

霊的質量はさして変わらずとも、物理質量が小さくなれば相対的に密度は上がる

それはつまり、硬くなるという事よ

 

「……面倒な」

 

相手は私と同じ基地型深海棲艦

 

「……アナタ達カ、カエレ

今スグニ」

「そうはいかないわ、私たちはこの軍勢を目の当たりにしてまで見て見ぬふりはできない」

 

空母棲鬼が口火を切る

その直後

 

「ナラバ……シズメ……!」

 

「調子に乗るなよ老害!」

「一旦さがるわよ」

 

空母棲姫のそれに似た巨大な艤装に座った形で、アームから伸びる主砲と

わらわらと群れて飛び始めた艦載機の山が展開される

 

流石に直撃を受ければ危険と判断した私は

一度下がってから釣瓶打ちにすることを願ったが、

 

「バカ、それじゃあ間合いを抜ける前に直撃するのがオチよ、ここはね……

こうやって!迎撃すんの!」

 

空母棲鬼は一声叫んで、無数の艦載機を展開した

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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