「残念だったわね、最後の一旗
挙げられなくて」
「……敵に同情の余地はないわ、敵なのだから」
「そうね、敵である以上、それら全てを踏みにじる必要がある
徹底的に」
深海鶴棲姫を諫めて
再び島へと戻らんとする私たち
その背中に砲撃を受ける
「残党か……」
中核を失った雑魚の群れ如きにどうこうとされるわけではないけれど
資源も、それを礎とした再生能力も、ましてや弾も無限ではない
いくらゴミのようなものとはいえ
無数にたかられては危険
「そこそこに蹴散らすか」
私は反転して、副砲を始動させ
深海空母鬼と深海鶴棲姫は引き下がった
「いくぜ……16連射!」
普段の私とは程遠い言葉を敢えて叫び
連装副砲を16発連射
16×2で32発
大型の敵に対しての攻撃力は一撃必殺とはいえないものの、それだけの弾数を振りまけば十分な威力を発揮する
「どうかしら?」
全盛期の提督のように大和並の装甲と火力を振り回して近接戦と狙撃をやったり
その場で機関銃を作り上げたりとはいかないけれど、私だってこの恵まれた火力を振り翳すくらいの事はできると思っている
そして、その自負通りに敵をある程度蹴散らしたところで、もう私たちの方に砲を向ける愚か者は居なくなっていた
「……つまらないわね」
「仕方ないじゃない、気骨ある馬鹿はみんな沈んだんだし」
「そうね、帰りましょう」
3人で帰って拠点の岩礁の裏に艤装を隠し、その中に戻って座る
「……はぁ……」
少しは楽しめたけれど
ここからまたずっと暇なのかしらね
「よし、これで午前中の仕事は終わりだな」
訓練工程を午前11時ジャストに終えて
昼休憩時間となった
受付(雷+鈴谷+熊野)で配布した資料にも掲載されているので、みんな昼食に行っているだろう
「余剰艦娘達はみんな観客のエスコートに行ったからな……」
裏山からかなりの人数を貰って
そこそこ余が出たのだが
そのあたりは役職を『観客のエスコート』とする事で監視兼より細かな説明を行うことにしている
無論、観客の数に対しては微々たる人数なので、怪しげな人物を優先する形だが
龍田と一緒に回ることになった30代独身貴族は冥福を祈ろう
「……よし」
青葉の監視メンバーからも大した報告は来ていない、深海棲艦の連中の気配も大きくはなったが直後に縮小した
おそらくボス級を先に刈ってくれたのだろう、時間稼ぎも戦力漸減もありがたい所だ
「提督〜!一緒にゴハン、食べまショー!」
「……金剛、お前まだ食べてなかったのか
っていうかお前は客付きだろ?」
「お客さんは駆逐艦だけ見て帰ったネ!
多分ロリコンだったんじゃないカシラ?」
「……はぁ……」
ひとつ、ため息をついてから目線を戻す
「俺はもう食べてしまったし、ここを離れるわけにはいかない、残念だがそのお誘いは受けられない、悪いな金剛」
「断られたのならそこでお話はfinish!次に賭けるまでネ!何度でもくるカラ
まってるデース!」
突然駆け込んできた金剛はなんとも騒々しく駆け抜けて行った
〈司令官、青葉さんの監視、交代時間です〉
〈わかった、丁度手の空いている金剛と交代してくれ、いま一棟にいる、もうじき出てくるはずだ〉
〈了解しました〉
青葉の監視メンバーであった龍驤が空母の演技の方に出演しているので
不知火が単独で残っていたのだが
それもそろそろ
〈金剛、聞こえるか?〉
〈もちろんデース!なにかご用デスカ?〉
〈青葉の監視を不知火と交代してほしい
頼めるか?〉
〈OK、任せてくだサイ!〉
一応戦艦だし、生身でもパワーのある金剛なら青葉を抑えるのに心配はない
「……大丈夫だろうか」
金剛は艦隊旗艦としての能力が高く、指揮をとるケースが多い
金剛を青葉を抑えることに使ってしまうと出撃に問題が出てしまう可能性もある
……いや、うちの艦娘達は金剛が出られない程度のことで戦闘力が下がるような鈍ではない
「……とにかく、深海共が凹んでるってのが優先か、まずはそこだよそこ
この隙に精鋭ブチ込んで壊滅させるか?」
[それは良くないですね
いくら精鋭とは言っても、遠い場所にしかも祭りの最中に派遣となれば気もそぞろになる]
[……やっぱそうか]
脳内
流石に悪いとは思っていた思考を切り替える
「にしてもどうすっかなー」
青葉が動くまでの反応待ちなのだが
これがとにかく長い、むしろ永い
「……本当にしばらくお預けだな……」
俺はそのまま椅子に戻り
予測される混乱に備えるべく扉を睨んだ
600話記念番外編は
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過去編軍学校
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過去編深海勢
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裏山とかの話を
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テンプレ転生者(ヘイト)
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ストーリーを進めよう
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戦争が終わった後の話を!
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しぐ……しぐ……