「うぉらぁぁあっ!」
そこら中に響くリスクも厭わず、全力での突撃
少しでも青葉を動かして
足元の指輪を破壊するためだ
「金剛!指輪!」
「ハイ!」
トン、とステップを踏んだ青葉は最小限の動きで俺を回避するが、俺も床に強烈な擦過痕を残しながら反転
背後に回って悪質なタックルを仕掛けた
「甘い」
くるり、と芸術的な動きで回転した青葉のローキックにより膝裏を強打されて転倒する俺と
そのまま俺を飛び越えてライダーキックする金剛
「ヤァーーッ!!」
「遅いんですよ!」
金剛渾身のロケットドリルキックも、あろうことか地上から片足蹴りで弾かれる
「お前がな」
水面蹴りで片足直立状態の青葉の足を叩きつけ、バランスブレイクを起こす
キックを弾かれた金剛もバク転して着地している、このまま指輪を金剛が破壊すれば
「甘いと……言ったはずです!」
青葉の手元に握られていた
細い注射器
「な!そりゃどういう」
「connect on」
一気に注射針を腕に刺して
そのままシリンジの薬液を注入する青葉
そして、その際の一言は
なによりも俺の心を抉った
『connect』
それはかつて881研究室で作られていた違法薬物、艦娘の力を限界以上に引き上げて
そのかわりに人生全てを壊しつくす悪魔の毒
「コネクト……!?」
「うぉぁぁっ!」
不知火が咆哮をあげると同時に
その腕に絡みつくように黒いオーラが現れる
かつて映像で見た朝潮についていたものと同じだ、間違いない本物のコネクト
それを使ったんだ
「テートク!指輪を!」「おう!」
今の青葉は艤装なしでも艤装をつけたのと同じ以上の力を発揮できる特殊な状態にある
それを押さえ込むのは容易ではない
むろん、以前のように無理の効かない俺には到底不可能な所業だ
だからこそ
「お仕事やで……一点集中、急降下!」
「……恨みはありませんが、撃たせていただきます」
龍驤と鳳翔の2人が駆けつけて
フォローに入る
指輪の展開したゲートから今にも出てくるところだったタ級がそれを見てそっと身を戻した
「今や!」
龍驤の爆撃が多少地面をえぐり
そのまま指輪を破壊する
鳳翔の射る矢が青葉の手元に命中し、その神経を切断する
「ぐ……うぅっ!」
神経を切断されてなお、激痛を無視するかのように腕を乱雑に振り回した青葉は
鳳翔の二の矢を掴み取る
「なんと……」
「うおぁぁあっ!」
既に中庭周辺は人払いがなされ
多少騒いでも問題ないとはいえ、ここまでの大喝声を上げれば人に聞こえる
青葉の叫びは断末魔の悲鳴でも
裂帛の奇声でもない
動物的な、咆哮だった
空かさず放たれた鳳翔の矢を首一つで回避して
数メートル以上垂直跳躍、そのまま龍驤の爆撃機を蹴り飛ばして反転
鎮守府本棟の屋根に飛び乗る
「川内……!」
その背後に、黒い影
川内だ
「邪魔ぁっ!」
「ふっ!」
登場直後に出落ちしかける川内だったが
流石にそこは回避して、逆に足払いを仕掛ける
しかし簡単に避けられ、その足をとられて逆に足払いされる……のだが
川内は空中で加速して一回転、頭上からフライングチョップを仕掛ける
「無駄だって……言った!」
川内の腕を掴み取って乱雑に放り
眼下の地面に向かって投げ捨てる青葉は、さらに魂から実体化させたのか、主砲を顕現させて川内に向け、連射する
「いかん!」「提督!」
「危ない!」
鳳翔の矢が3発めを、俺の射撃が2発めをそれぞれあらぬ方向に逸らし
そして間に合わなかった初弾は、川内自身が受け流した
「マ・ワ・シ・ウ・ケ!」
「そりゃ忍者の技じゃねえだろ……」
「いやでもありがとっ!」
跳躍した川内はそのまま姿を消して、再び青葉の背後に出現、今度は容赦なく首を斬るつもりなのか、ダーツや魚雷ではない一般的なクナイを握っている
「らぁっ!」
川内の気配に気づいたのか、獣じみた咆哮をあげながら腕を振り回す青葉に近づけない
「これ、使ってや!」
龍驤が渡してきたのは、高圧電流弾
俗に言う麻痺弾だった
どこから持ち出したのかはしらないが
工廠にでも行って来たのか?
「……!」
非殺傷部位を狙って撃つのは困難を極める、拳銃とはいえ、そのまま殺してしまう可能性もある
「だが!」
川内と屋根の上でやりあい続ける青葉に狙いを定めて
俺は変更した銃弾を
捕獲用麻痺弾を撃ち、正確に直撃させる
命中だ
「うぐっ!」
強烈な電撃で体内の挙動を狂わせ
一時的にショック症状を起こして動きの止まる青葉
「よし!」
その隙を見て川内も飛びつき
青葉を確保せんとする
勝った、と誰もがそう思った
「うがぁぁぁっ!」
青葉の叫びが放たれる、その時までは
600話記念番外編は
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