戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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番外編 しぐっ(歌声)

「……なぜ貰ってきてしまったんだ……」

 

ひとつ、ため息をつく

俺の目の前には今、キャリー台に乗せられたカラオケの機材が一式置かれていた

 

「なぜって……親切な人がカラオケボックスが閉店して、その機材の使い道がなくなったから鎮守府に寄付しますって言ってきたからだよ?」

「そういう問題ではない!

なぜ貰ってきたんだ、置き場はどうするつもりなんだ?」

 

「置き場は……多目的室が防音だからそこに置けばいいじゃないか、なにを冷たいことを言うんだい?」

「……どう見ても、話を聞いても

その『親切なヒト』は鎮守府を廃材処理場と勘違いしているんじゃないか?」

 

「失礼だね、艦娘のストレス軽減のためにもこういうレクリエーションは必要だと思うよ

それに、寄付でもらったなら購入の経費も軽減できる、最高じゃないか」

「ここは鎮守府であってカラオケではない、監査だって来るんだぞ時雨ェ……」

 

どこかのゲームマスターみたいな事を言ってから、時雨を見つめる

 

「監査?そんなもの、前の時代から一度だってまともに来ては居ないよ、それにたとえ抜き打ちでもこれくらいなら隠せるし、そもそも隠す必要がないじゃないか」

 

「いや隠す必要はあるだろ」「なぜだい?艦娘のためのリラクゼーション用施設

と称すればカラオケマシンの設置くらい許可は出るはずだよ、原霧鎮守府を見てみれば良い」

「その原霧は壊滅したんですがそれは」

 

ウチと近くにある鎮守府のうちひとつ、原霧鎮守府は提督の退役にともなって移籍する艦娘が相次ぎ、最終的に鎮守府自体が解体されてしまったのだ

哀れな提督は残念なことに

退役した後にも艦娘に付き纏われているという

 

まぁ、そこまでは軍のカバー範囲ではないということなのだろう

 

「さぁ提督、コード繋ぐの手伝ってよ」

「……はぁ……以後事後承諾禁止」

 

大淀にどう言い訳しようか心配になるが、必死に表情を取り繕って配線を繋ぐ

時雨はウッキウキだが、俺の表情は完全に死んでいる

 

「……これで終わりだな」

「お疲れ様、提督、お茶淹れるよ」

 

「お、頼んだ……自分で淹れるとどうしても美味しくならないんだよなぁ……」

 

艦娘が淹れてくれるお茶は鳳翔の緑茶、金剛の紅茶、高雄・大淀のコーヒーとそれぞれの頂点には及ばないものの、みな美味しい

朝潮や吹雪が夏限定で麦茶を作るのだが、それもまた美味しい

 

「市販品を説明書通りに淹れても同じ味にはならないんだよなぁ」

「提督は適当にやってるからだよ

お茶とかは良い茶葉使ってればある程度は美味しくなるけれど、それだけじゃなくて技術的なものもあるんだ、細かくやると本当に"道"だよアレ

なんで『茶道』なんて言うのかよく分かる

はい、どうぞ」

 

「ありがとう、時雨」

 

金剛型は金剛紅茶、比叡コーヒー、榛名緑茶、霧島紅茶と得意が分かれるのだが

みんな紅茶を淹れるのが上手だ

あとなぜか金剛はコーヒーを淹れるのも上手い

 

「熱いから気をつけてね」

「うん」

 

そっと無地の薄青い湯飲みを眺める

これ、俺が昔買った奴だな

俺が提督になった直後、ゴタゴタしてた時期辺り、艦娘用にって食器や家具をたくさん買った時に買った奴

食堂ではあまり長い期間使ってはいなかったが、いつのまにか移動して

多目的室に置いてあったのか

 

「ん?どうかした?」

「いや、随分懐かしいものを見たと思ってな、この湯飲み、昔食堂用に揃えた奴だろ?」

「ん、そうだね……今は数を揃えられるガラスのコップを使ってるからね、それは食堂のコップが充足した後に間宮さんに譲ってもらったんだ

割られる前に回収して、自分用に取って置いてる子も多いんだよ」

 

なんて言ったって、提督が初めて買ってくれた物の一つだからね

そんな恥ずかしくなるようなセリフを笑顔で言い切る時雨に目を奪われて

すぐに視線を戻し、照れ隠しに茶に口をつける

 

「あっつっ!」

 

「あぁーあ、だから言ったのに

大丈夫?火傷してない?」

 

「大丈夫だ……」

 

口の中を一旦冷ましてから

少しずつ、ことさらにゆっくりと茶を飲む

 

「……もう、心配させないでよね」

「このくらいで心配なんかするな、ちょっと舌を焼いただけだ」

 

「結局火傷してるじゃないか、はぁ……」

 

カラオケマシンのスイッチを入れて

適当に歌える曲を探していた時雨が急に忙しなくこちらに目線を送ってくる

 

「なんだ?」

「ん、見ていたいだけ」

 

「それなら別に良いんだが」

 

二人して多目的室の隅にカラオケ用のスペースを作っておきながら

結局一曲も歌わずにその日は終わった

 

ちなみに、翌日大淀に見つかり

凄まじく怒られたあと、1日1時間まで、という制限がついてしまったのだが

それでもしばらくの間は大好評だった

 

 


 

個人的に白露型に似合いそうなライダー曲

 

白露 クウガOP『仮面ライダークウガ!』

平成1番目、クワガタとか好きそう

 

時雨 ジオウOP『Over ''Quartzer''』

『時の雨擦り抜けて』と

20番目で平成''最後''

 

村雨 ウィザードOP 『Life is SHOW TIME』

洒落たイメージとハイテンション

夕陽が似合いそう

 

夕立 カブトOP『NEXT LEVEL』

『高速のモーション(迫真)』

夜戦はキャストオフか何かなのか?

 

春雨 ディケイドOP 『journey through the dacede』

わるさめちゃんと激情態を喩えて

僕にキスしろ(空耳)

ちょっとロマンチックな歌詞と本人の性格が似合う

 

五月雨+涼風 ダブルOP『W-B-X』

多分2人で歌う、五月雨たまに音程外す

でも可愛い

 

海風 ブレイド前期OP『Raund ZERO〜BLADE BRAVE』

海風を灰色→カリス枠に置くと

山風(緑 レンゲル)江風(赤 ギャレン)涼風(青 ブレイド)とちょうどカラーが合う

 

山風 オーズOP『anything Goes!』

座り込んで放っておいて欲しいと言う彼女の言葉がエイジ氏にはどう聞こえるのか

多分あんまり上手じゃないけど頑張ってくれると思う

 

江風 フォーゼOP『Switch ON!』

多分1番このテンションが似合う、ヤンキー

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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