大本営に潜入するスニーキングミッション
向いていないのは明らかなビスマルクは除外、アトランタは外見が特徴的(ゼロ適合の後藤田は外見が変化しておらず、明らかに日本人な見た目なので目立ってしまい)すぎるので除外
フレッチャーは大丈夫だろうか?小柄だが、やはり体型的に狭い場所には無理がありそうだ
ゴトランドには問題ない
サラトガは以前の呼び出しの際に伴として使ってしまったが、正式な検診はたしか受けていなかった筈だ
ガングートは正式な建造・ドロップではなく例外的な方法で着任しているので
大本営にもなんと話せば良いのかわからずに後回しにしていたが、ここでの切り札になるかもしれない
「外国籍艦娘用の検診を既に受けているものはいるか?」
「……そういえば、裏山で受けました」
「あたしは受けてないなー……ゼロ適合だし、特殊な扱いって言えばそうだけど」
フレッチャーは受けたか
「私は受けていないわね……提督と大本営にはいったけれど、あれは会議のときよね?」
「私は建造時点でウラジオにいたから受けていないな、この鎮守府に来てからも大本営にはいっていない」
「私も受けてないわ、というかそんな規則があったのね」
「受けていないと思うのだけれど……私はドロップだから」
「そうだな、ビスマルクは受けていない
……というわけで、この秘密作戦に参加できるメンバーはこれを受けていないメンバーに限られるわけだが
フレッチャーとアトランタは除外、ビスマルクも精神的資質を鑑みて除外だ」
「ということは」
平然としているアトランタと
がくっと項垂れたビスマルクと
ちょっとしゅんとしたフレッチャーを置いて、俺はそのまま説明に戻る
「ガングート・サラトガ・ゴトランドの3人から2人を選ぶ、そうなったら」
「なるほど、以前大本営に行っている私が」「ガングートとゴトランドの2人だ」
サラトガをあっさりと撃沈して
2人を選んだ理由はこうだ
「サラトガは目立ちすぎるし、以前俺の鎮守府の建造艦として連れて行ったのがネックになる、この作戦の都合上俺の艦娘であることがバレてはいけないし、バレた場合はプロフィールのごまかしも不可能、それに新規建造艦という名目なのに2回目の大本営は怪しすぎるだろ」
1つの鎮守府につき、同じ艦娘は1人
新規に建造したということは『前のサラトガ』が轟沈したか、それとも転属した・解体したかでいなくなったということだ
そうでなければわざわざ(形骸化していたとしても)規則破りの喧伝をする事になりかねず
それはそれで提督としての評価を落とすことにつながる
誰も気にしないレベルの規則は本当に多いが、それを引っ張り出してでも俺の、ひいては鎮守府や艦娘全体の評価を落とそうという輩もいるのだから
目に見えるレベルでの瑕疵は避けるべきだ
(本来はその辺りは俺が気にかけていればいいのだが、会議の呼び出しの際は時間がなさすぎた)
潜入能力を鑑みれば黒トガ/白トガの衣装を即時変更できるという利点はあるが、それも外見がそもそも目立ってしまうサラトガの色が変わったというくらいで
個体識別に対する隠蔽効果を発揮するかは怪しい
「……というわけな、まだ大本営に正式には報告していないガングートなら疑われることもない」
「なんだ、私の出番がやっと来たのか
平時はロクな仕事を振らん癖に、こんな時だけ都合のいい」
帽子をずらした頭をガリガリと掻きながら、ガングートはこちらに少し厳しい視線を向けてくる
「いやすまないな、無期限出張とはいってもガングートはいわば客分だし、
普段からバンバン仕事を振れるような扱いではないから……それに高速戦艦と同じ扱いをする低速(一般)戦艦って扱いが難しいし……」
「気にするな、やはり戦艦は撃ってなんぼなのだからもっと普段から出撃するくらいでいい、ロシアに出てきたネームドは大概片付けたし、向こうもここに着任して長い私を引っ張り戻すようなこともしないだろう」
金剛も最初の方は高速戦艦は前線を走り回るのが仕事なのだからもっと出撃させるべき、とか言ってたなぁ……
「そう?……まぁ頼んだ」
「おう、引き受けた」
なんだか長門にも似た雰囲気のガングートだが、まぁそこは置いておいて
ゴトランドに向き直る
「問題はおまえだ、ゴトランド
お前は使えるのか、それとも使えないのか?」
「もちろん、好きに使ってくれて構わないわ、ゴトシープもしばらく預かってもらっていたし
検診も都合よく受けていないもの
いくら国籍がちがうからって、さっきの話を聞かされて協力を渋るほど私は腐ってないわ」
キッパリと言い切るゴトランドに、とびっきりの切り札を叩きつける
これで折れるやつなら戦力としては使えないと見るべきだろう
「じゃあ甲崎大佐に話を通してくれ
ウチの娘として建造したことにしたいって」
あの頑固な古参提督をどう説得するかは見ものだが……どう出る?
と意地悪く考えていると、ゴトランドは一瞬難しい顔をした後、すぐに表情を普段のそれに戻して
「了解よ、今から帰って明日にでも
……あ、やっぱりウチの提督の説得に1日くらいかかるかも」
「できるだけ早くな、頼んだぞ」「ええ!」
細かい話は抜きにして
ゴトランドはひとまず甲崎大佐を納得させるべく急ぎ帰還することにした
600話記念番外編は
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