とにかく大本営に着く前に説明を終わらせるために、俺はジャーヴィスの隣の後部座席に乗って
運転免許を当然のように持っていたゴトランドに道中を任せていた
「んで、ジャーヴィスちゃん」
「はい、神巫さん」
「今回の作戦は簡単に言えば3段階に分かれる、まず第一段
俺たちは新造艦の艤装適合後の調整に来た……と、いう名目でゴトランドを除いて検診を受ける
本来ここではメンタルチェックと艤装の調整を行うんだが、名目だけなので艤装調整は俺がやる振りをする
ここまでが一段階目
次に艦娘が監禁、あるいは艤装を奪われた上で幽閉されている部屋があるはずなので
それを見つける
艤装調整を含めて約2時間しかないので、スピーディな捜索が必要になる
ここまで2段階目だ、質問はあるか?」
「はい、まずこの作戦は戦闘ではなく、潜入を主としているのよね?
ならばどこまでのラインを以って『成功』とするの?」
「作戦自体は、最悪監禁されている艦娘を『監禁されている』という状況で発見できればそこで成功とする
最良は全員を連れ出せることだが、そこまでは無理に試みなくて良い」
「わかったわ」
「他には?」
「もう一つ、作戦が失敗に終わった場合の対応はどうするの?」
「仮に時間切れの場合は俺ごと一旦撤退して裏山の提督が明日リトライ
怪しまれた場合は大体そいつが敵なのでミッションは失敗になるが
そこから離れて今度は天井裏やエアダクトを使った潜入に切り替える
それで見つかったら、その場で発見した敵を始末して再び潜入するか撤退
撤退場所は……ここ、大本営の三つの出入り口の中の1つ、西門だ
実はここは昔から人権派の提督とか将官が集まっているんで道具派や兵器派はなかなか入りづらい、それでも強引に入ってきたら……
これを使う」
本来は憲兵にのみ所持を許された対人制圧武装、フラッシュスタナー
もちろん加二倉さんのところから借り受けたものだ
「これは……」
「フラッシュスタナー、要は閃光手榴弾だな……あとこれも」
スタンガン同様に電流を流す機能を有した警棒スタンバトン、こちらも憲兵の装備だ
加二倉提督の前例があるから
『提督の格好をした憲兵』がいてもおかしくはないし、最悪俺自身も将校の数人くらいなら殴り倒せる自信がある
さすがに現状では拳銃を使われたらどうにもならないが、実在のところすぐに拳銃を出して装弾してセーフティを解除して発砲、とは人間の思考の構造上いかないもの
これだけあれば大本営という狭い環境で単独を相手にするなら十分と言えるだろう
生身の人間に対して艦娘が艤装を向けるのはそれだけで軍規違反なので
対艦娘用の制圧装備(ただの重火器)は必要ないだろう
「さぁ、そろそろ着くぞ
作戦の最終段階を説明する
2段回目で発見した艦娘達を連れ出す、あるいはなんらかの監禁の決定的証拠をつかんで帰還する
掴めなければそれはそれだ、どうなっても帰還すること、
その際、大本営の西門へ出る
成否にかかわらず、作戦終了時間は14:30とする」
「OK、西門には14:30に着いていれば良いのね?」「そうだ」
「じゃあ、その艦娘が監禁されている場所のアタリはもう付いている?」
「いや、それはまだわかっていない
だからこその捜索作戦だからな
大本営の全域に渡って捜索を行うため、かなりの難行となるがこれを決行したのは
……おそらく数日と経たないうちに、その艦娘達が全員撃沈処分、あるいは『処置』されるからだ」
「……」
「ウチに送られてきた青葉、その元同僚が監禁されているらしいことはわかっているが
詳しい説明は聞けていない
その青葉の体内にも爆弾が入っているし、connectという危険な薬物も使わされた
一応制圧はできた、未除去の爆弾が云々はウチの医官に任せている
んで、その青葉が送られてきたモトが大本営で、壊滅したブラック鎮守府の生き残りらしい」
「……なるほど、だから時間がないと
わかりました、ですがコレは要りません」
そっと、フラッシュスタナーは突っ返されてしまった
「私はluckyなので、私が携わった大抵のことはうまく行きます、使った時点で失敗が確実になるitemは必要ありません」
「そうか」
「どうしても心配なら、祈ってください
私と、その艦娘達が全員無事に帰ってくる事を」
「そうさせてもらうよ」
「……ほら、もうすぐ大本営に着くわ、着いたら先に艤装を預かってもらうのよね?」
「あぁ、そうなる」
「わたし車回してくるから先に行っていてね」
「わかった、それじゃあ作戦開始だ」
大本営正門の前で止まった車から降りて、正面から建物に入る
「すぅ……はぁ……よし」
一度呼吸を整えて
俺は大本営に突入した
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