「霧島です」
「……いつのまに」
「というかいつから居たネー」
「………………」
「具体的には3分ほど前、比叡姉さんが魚の名前云々を言い始めたあたりからです」
「そりゃあ随分と前だな
というかもっと早く言ってくれよ」
「名乗る時機がなかったもので」
メガネをかちゃりと光らせながら
霧島が微笑む
「さぁ、ひとまずどこかへ行きましょう
あまり長話をしていると目立ってしまいます」
「……そうだな」
「そうですね」
「仕方ないネー」
とりあえずさらりと流した俺たちは
隣接している喫食スペースへと移動して
「とりあえず、金剛の描いた青写真を俺が想定したところによると……
榛名も合流するんだろ?」
「……Yes、テートクのワタシへの理解が深くて助かるネー」
「渋顔でいうな、隠して置きたかったとしてもさすがにこの流れで霧島まで合流したら分かるわ、お前の性格上榛名一人を置き去りにするようなことは絶対しないからな!」
コーヒーに映る指は真っ直ぐに金剛を指し、そして
「えへへ……バレちゃったデース
こうなったら仕方ないワ、今回のデートで私が描いた大枠の構想を説明するデース」
金剛は相変わらずの表情で茶菓子をサクサクしながら視線を宙に飛ばす
「まずテートクと水族館に行って、その移動時間と準備時間で少し時間を稼いで
姉妹3人でまとめてトラックを使って移動、高速を使って先回りして
ワタシとテートクがついたタイミングは……ちょっとコンビニに寄った時に連絡する事にしてマシタ
それで一緒に水族館に入って、道中で比叡と霧島と合流して、水族館を出たところでショッピングモールに移動して榛名と合流、みんなでショッピングした後はカフェに入ってティータイム、そのあとは少しフリー時間を取って、最後は流れでそれぞれの車で帰るって形デース」
「……なるほど」
みんなと合流しつつ、各ポイント回って
最後は流れで面白そうなところに行く、余裕を持って楽しめる時間を確保した安定プラン
だが俺の精神的安定はまるで考えられていないようだ
「まず、ひとつだけ言わせてもらおう」
「なんデスカ〜?」
「俺は金剛とのデートのつもりだった
そこに比叡たちが来ることを想定していると思うか?」
「してないと思いマース、だからsurpriseネ!」
「……一対一を想定した行動を取っている俺にアドリブで3人追加したらどうなると思う?」
「……あっ……」
急に顔色が悪くなってくる金剛
「両手に華どころか囲まれてるわけだが
周囲からの視線はどうするつもりだった?
ただでさえ金剛は美人なんだぞ?顔面偏差値は平均程度の俺と釣り合うと思うか?
美男美女ならともかく明らかにバランスが悪い、それにさらに複数人だ」
「提督と艦娘という関係ならばまだしも、提督と金剛お姉様は私服、側からは私たちとの関係性がわかりませんね……」
「提督と金剛お姉様が釣り合わないのは分かりましたが、それがなにか問題ですか?」
比叡君ナチュラルに俺を叩くのやめない?俺地面にめり込んじゃうよ?
「ここに榛名まで追加されてしまうと
本当に空気が重くて仕方がない」
コーヒーを飲み干した俺は
そっと一言だけ言い残して
「しかし、現状制服の私たちならばどうでしょうか、金剛型は建造実績も多く、民間にもその情報は伝わっていますから問題はないように思えます」
「……今度からはせめて2人までにしてくれ」
霧島に正論で叩かれた
「ならみんな制服にすればよかったネ!」
「軍服で制服の艦娘四人連れてイチャつくクソ野郎とかどう見ても憲兵隊案件なんだが?」
「「「……」」」
「おいやめろ、全員黙るな」
一瞬最悪のイメージが脳裏をよぎっただろうが
「とりあえず、あまり長話をするのも良くない……今回は仕方ないから
最後まで金剛のプランで行こう
榛名と合流するぞ、ついでに霧島と比叡も服を買ってやるから制服から着替えろ」
「はい?」
「服を買うから移動するぞ、お前たちの制服は目立つ」
「お、お願いします」
「Yes!それじゃー移動しまショー!」
金剛はさらっと立ち上がって歩き出し
妹二人を連れて喫食スペースから出て行く
その後ろで支払いを済ませながら財布の戦力を確認してため息をつく俺だった
「榛名含めて4人分は金が保たないか……」
ただでさえ女性の衣服は高価
榛名と金剛は私服なので置いても
比叡と霧島の分の私服はとりあえず一揃い買わなくてはならない、
と考えると手持ちでは厳しくなってくるだろう
こうなると気軽にクレカで済ませられないのが恨めしくなってくる
わりと高給取りのはずなのに
手元の財布が薄いって悲しすぎないか?
(クォーツァー)
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