「結局服はちょっと焼け跡ついちゃったし、ずいぶんと汚れたもんだな……」
砲弾の断片が擦過した事で生まれた切り傷や飛散した火薬による火傷
単純な物理攻撃によるダメージ、骨にまで響いた数発の物理攻撃
さらには自分の攻撃による反動ダメージ
さまざまな理由でさまざまな傷が付き
一日どころな一昼にしてかなり汚れてしまったシャツとジーンズ
時計が壊れなかったのが幸いだ
「さすがGシリーズ、軍用品ってだけあるぜ」
「テートク、腕時計は軍用品でも直撃弾を受け止めるほどの構造強度なんて無いネー」
単純な攻撃ばかりになってしまったが
ヲ級とツ級とリ級のノーマル個体を相手に取って物理的な方向でダメージを与え、行動不能まで陥れたところでようやく金剛が来てくれた
実はその少し前に比叡と霧島も来ていたのだが
「アレほどの殴り合い、挟まりなんてしたら何が起こるかわかりません」
と霧島が比叡を止めて
見学に徹していたというわけだ
「……さぁて」
榛名は回収して深海棲艦のスパイ(?)も捕まえることができた
あとは榛名自身からそのあたりの事を詳しく聞き取って大本営に情報を流せば良いだけだ
「
下手に深海相手に拷問なんてしても意味ないしなぁ」
深海棲艦はそもそも元を辿れば『海の意志』が産んだ存在であり、呪詛に変質した今でもその性質を残している
核に生物や艦娘を持っている可能性もないではないし、深海棲艦の記憶を保ったまま艦娘になった例もいくつかはある
拷問なんかしてドロップ艦がトラウマ持ちになってしまったら目も当てられないし
周囲から艦娘を拷問しているクソ提督みたいに扱われてしまう可能性もある
「インタビューはできないにしても
きちんと沈めてやらないとな」
轟沈させないと後々に厄介なことになったり、逃げられて情報を抜かれたりとロクなことにならない
なので速やかに沈めてやりたいのだが
今ここには艤装がない金剛型4姉妹と俺とハイエースに乗っていたグラサン2人だけだ
ちなみに榛名は道を聞くフリという典型的な技法で接近してきたコイツらに騙されてハイエースされたらしいと金剛が言っていた
「……さて、お前ら
覚悟はできてるんだろうな?」
腐っても鋼鉄でできたボディを殴り潰したせいで自壊し、血に濡れて赤く染まった腕を向ける
「ひ……ひぃ……」
「俺たちになんか恨みでもあるのかよぉ〜」
たったそれだけの動作でビビったのか、悲鳴を上げる情けない野郎ども
残念なことにこの場においてまともな対応が期待できる奴は居ない
優しさと気配りが巫女服着てる榛名はともかく金剛は修羅と化して凄まじい形相のまま生身でハイエースを追いかけて追いついてきたバケモノにしか映らないだろうし、実際俺だったら走っても絶対振り切れない
比叡も激おこ顔で睨み続けているし
霧島は一周回って完璧な鉄面皮を見せつけている
これに温情を期待するようなアホはいないだろう
「……比叡、警察に連絡してくれ
この誘拐犯たちを引き取ってもらおう
榛名は……精神的に大丈夫か?」
「だ、大丈夫です!榛名は大丈夫です!
それよりこの人たちは」
「榛名、そんな連中視界に入れるだけ無駄デース」
「海軍精神注入棒は持ってきてなかったのがいけませんでしたね」
「逆に外出に例の棒なんて持ってきてる方がおかしいからな?
あとそれで殴ったらお前が殺人犯だから」
残念そうに吐き捨てる霧島を宥めて
警察に電話している比叡に目を向けると、グッ!と親指を立てて片頬を上げる姿が見える
「もうじき警察の方が来てくださる」
「許してください俺たちは本当は」
「榛名がなんと言ってもこれは誘拐未遂、しばらく留置所で頭を冷やせ」
「は、はぃぃ……」
ごにょごにょとばかりに尻窄みに俯いていく誘拐犯
というかこの二人、海軍関係のワードや深海棲艦の現物をチラつかせてもロクに反応しないと言うことは
深海棲艦とは無関係なようだな
「と、来た来た、霧島と比叡は事情を説明して差し上げろ、金剛は榛名を」
「はい」「わかりました!」
「了解ネー」
俺は万が一にも動き出したりしないように深海棲艦の2体を見張ることにして
視線を地面へと落とした
その後
「ふぅ〜……」
深呼吸しながらそっと首を横に向ける
「日暮れですね……」
そう、事情聴取やら身柄引き取りやら
すっかり時間を取られてしまって
もう夕暮れ時になってしまった
外出届は1日とはいえ、もうそろそろ帰る時間だ
「飛んだグループdateになっちゃったネー」
「そもそも1対1のつもりだったんだがな」
「やはり私たちはお邪魔だったのでしょうか……?」
「いや霧島、それは無いよ
まぁサプライズとはいえ面白い展開ではあったし、人手としても十分に協力してくれた
ありがとう」
「あっ……その、それほどでも」
「司令、今鎮守府に連絡したんですが」
「なんだ?」
僅かに頬を赤くしながら横を向く霧島に眼福を感じていると、比叡が反対から話しかけてくる
「外泊許可、取れました
「はぁ!?」
驚愕にこちらが顔色を変えたと同時に
後方でスマホに向かっていた金剛が叫ぶ
「今Hotelの予約も入れまシタ!
テートク、『もう一回遊べるドン!』ヨ!」
「なんでこうなる……まぁ不完全燃焼だったし、延長戦も良いか」
600話記念番外編は
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裏山とかの話を
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テンプレ転生者(ヘイト)
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ストーリーを進めよう
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戦争が終わった後の話を!
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しぐ……しぐ……