戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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完結後 番外編 白露語

「はーい!皆さんはじめましてー!

創海鎮守府第四艦隊の遠征部隊長、

白露型駆逐艦一番艦(ネームシップ)の白露だよ!

人間だった頃の名前は式咲葉黒(しきざき はくろ)、黒なのに白って変な感じだよね?

本編中にはほとんど出番貰えなかったけど、その代わりに番外編では主人公になりましたー!」

 

ぱちぱちぱちー、と自分で言いながら拍手する白露はそのままどこでもないどこかに視線を向けながら話し続ける

 

「それじゃあ今日はみんなに鎮守府の案内をするね?」

 

白露はとてとてと足音を立てながら正門を通り抜けて、そのまま執務室のある1棟へ向かう

その入り口に着くなり後ろへと振り向いて

 

「はーい到着ー!ここが1棟でーす!

ここはね、執務室とか書庫とかいっぱいあるの、食堂もここなんだよ!」

 

大きく手を振りながら笑った

 

「えっとね、今日は提督も休みだし

絶対いると思うんだけど……」

 

かちゃり、と執務室の扉を開けて

そっと中を覗いた白露、そこにいたのは

 

「うへへへへへへへへへあへへへへへへ」

 

気持ち悪い笑い声をあげながら抱きしめた白い軍服に顔を押し付けている黒白のセーラー型制服を纏った黒髪の少女……いうまでもなく、時雨改二だった

 

「えぇ〜っと……その、この子は私の妹の時雨!ときにあめでシグレって読むの!」

 

ぴょこっ、と耳を立てた時雨がこちらに気づいて視線を向けてきた

 

「なんだい白露、なにか用があった?」

「ん〜ん、何にも」

 

耳をぴこぴこさせながら再び白の軍服に吸い付く時雨を見つめながら額に汗滴を浮かべた白露は木製のドアをそっ閉じして廊下へと戻っていく

 

「……変な(しらつゆ)だ」/「変な(しぐれ)だ……」

 

全く同じ感想を互いに浮かべて

 

「いつもはいい子なんだけど

時雨は提督のことがだーい好きなの、だからたまに変なことするんだ」

 

廊下を歩きながら呟く白露とすれ違う影

 

「あ、白露ちゃんおはよう」

「おはよう、雷ちゃん!」

 

雷は声だけを上げながら俯いたまま通り過ぎていき、そのまま視界から消えた

 

「今日はね〜鎮守府のみんな……は無理だけど、白露型みんなを紹介するよ!

まずはさっきの時雨

似合うお花は白百合で〜……一途でかわいい子!」

 

廊下を軽やかに走って食堂にたどり着いた白露は、そこにいた妹の一人に視線を向けた

 

「ここは食堂だよ〜大体いつもはお昼頃と6時から8時くらいまで一杯になるの!

ここのご飯はとっても美味しくて私もみんなも大好き、それでこの子は江風、私の8番めの妹で

似合うお花はチューリップ!」

 

「お?なんだよ白露の姉貴

……これはやらねぇぞ?」

 

目の前の丼を抱え込んで上目遣いになる江風を尻目に

間宮さんに挨拶を済ませてさらっと食堂を後にする白露だった……

 

「あ、いました白露姉さん!」

「?」

 

ふわりとした灰髪を揺らす小柄な少女に呼び止められて振り向いた白露は

目を後ろに向けるなり

 

「あ、この子は海風だよ

私と同じ白露型の7番艦なの、でもここからは設計が変わって『改白露型』っていう扱いにもなるから少しだけ制服が違うの

でも私の大切な妹だよ!

……似合うお花は雛罌粟(ひなげし)かな」

 

「……姉さん、今日は待機の日なんですから、ちゃんと部屋にいてください」

「えぇ?!今日待機!?」

「はい、忘れないでくださいね」

「ごめん……」

 

海風のお叱りにしょぼくれてしまった白露は顔を下向けながら歩き出した

 

「……あ……」

 

すれ違った緑髪の少女を見て気を取り直した白露は再び改二になって解説を始める

 

「この子は私の妹の9番目!山風っていうの

海・江・山って地形で続いてるんだ!

似合うお花は多分ネモフィラかな」

 

「……ん」

 

少しだけ頭を下げて、その直後に駆け出した山風を追うことなく、白露はとてとて歩いていく

 

「私の部屋は駆逐艦寮にあるの、今回は特別に入れてあげるね?」

 

そのまま歩く事5分

無事に駆逐艦寮の白露型部屋に入り

 

「たっだいまー!」

「あ、おかえりなさいです、はい」

 

「うんうん、やっぱこれだよね〜

新婚って感じがする」

 

ピンクの髪をベレー帽で覆った少女に迎えられて部屋の中に進み、そのまま少女に抱きついた

 

「ちょっと白露姉さんくるしいです〜」

「あぁうんごめんね……この子は白露型でいっちばん可愛い春雨!5番めの妹で

好きなものはさつまいもで特徴はピンク色の髪、触るとふわふわでいい匂い!似合うお花は白詰草(シロツメクサ)だよ」

 

「は、恥ずかしいです……その、はい」

 

顔を赤くした春雨はこくん、と俯いてそのまま固まってしまう

 

「えっとねー、あとのみんなは写真で説明するね?えっと……」

 

押入れからアルバムを引っ張り出した白露改二、そのまま解説に入る

 

「えっとねー、この子

この子は夕立っていって、4番目の妹

犬っぽい?でしょー♪

似合うお花は多分タンポポかな」

 

「……」

 

「でね、こっちのが村雨……ねぇ村雨〜?」

 

声を上げるが、白露の後ろに敷いてあった布団の中にいる彼女からの返事はない

 

「寝てんのかな、まぁいっか

村雨は3番目で、多分一番オトナ

頭が良くて気配りもできるの、

そういうの抜きにしても体だけなら駆逐艦の全体中でも一番オトナなんじゃないかな、似合うお花はゼフィランサスとかかな〜」

 

時々動いているので大丈夫そうだが

やはり村雨からの返事はない

 

「こっちは五月雨で、こっちが涼風

6番目と10番目の妹で、二人はそっくりだけど色々違うの

五月雨はドジでよく転んじゃうから目が離せない子だけど、とっても真面目な頑張り屋さん

涼風は江戸っ子で元気だけどたまに空回りするところも可愛いの、

二人はね〜……紫陽花(アジサイ)(スミレ)が似合うと思う!

あ、これで全員説明したね」

 

虚空に振り向きながら、白露は笑った

 


 

「白露姉さん……」

「心配なのはわかるけど、提督が帰ってこない事には話になんないぜ

姉貴達はみーんなおかしくなってるし」

 

「江風、そんなこと言わないの

……はぁ……白露姉さん、部屋を抜け出してまで何をしていたのかしら」

 

どこでもないどこかを見つめながら楽しそうに語っていた白露を想い

現遠征部隊長、海風はため息を吐く

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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