霊的な、
マシニング(センター)
ちなみに時刻は午後九時半です
止めネジを外して、抜き取り、台に置く、丙式五番なら換えもある、
ネジで止められていた鉄板を上に慎重に動かして外し
内部の電気配線やパーツ同士の噛みなどを見る
艤装はサビ辛いとは言え、いつも海水なんぞに触れていたら傷んでしまうのは道理、細かな傷やゴミが不調の原因になる
特にセンチ砲の名を冠していたって実際はもっと小さいのだから、百分の一ミリで単位測定する必要がある
用を言えばパーツ一つ一つを三次元測定器で万分の一ミリ単位で測定し、理想的な形状のパーツを組み合わせて作りたいが、実際はコストの関係と時間の問題でそうもいかない
パーツを次々に外し、それぞれに分類して置く、
最終的にバラバラになった艤装を
一つ一つエアブロー(高圧空気による吹きかけ)でチリや塩を飛ばし、バリ残りや表面に残留する塩をヤスリで取る削りに関しては良いが、ん?このパーツ、、
歯車だな、砂を外したら若干うまく噛まなくなった、、まさかこれ
慢性的に砂が入った状態で運用してパーツが痩せてやがったのか?
けしからん、実にけしからん!
砂を取って磨いたパーツを次々に調べ、
(あらかじめ設計段階で組み込まれる誤差の許可範囲)
未満にまでなっているものもある、これは当該パーツ周辺の総点検かな、
金属の棒から回転ヤスリでバイト(工場で使われる刃物)を作り、旋盤にセット、旋盤でブランク加工を施し、
ある程度形を作って、あとは細作業に入る、
コンピュータ制御のプログラム型旋盤、NC旋盤でブランクを軸受に加工する、
同時にフライス盤を使って歯車を作る、
1000度以上に加熱し、一気に冷却、熱処理が終わったらマイクロメーターで百分の一ミリ単位で測定
公差範囲内を確認したあと、歯車の回転試験で軸を取る
まれにパーツ内に空洞が発生するボイドという不良で重量に差が出たり、回転にやられて軸内側が削れたりするからな、これは欠かせない
中心部の同心性さえ確保できれば良いわけではないのだ、
それに、焼き入れでサイズに狂いが起きるのは古今東西よく知られている
焼きを入れたパーツの公差確認を終えたあと、バリを取って磨き、艤装にはめ込む
よし、完璧だ!
この後の、複数のパーツでこれを行う羽目になり、無茶苦茶時間がかかった挙句、丸一日全く食べなかったせいで間宮さんに心配されてしまった
ちなみに、これ川内さんの艤装らしい
色々と細かいパーツは多いが、それはそれ、一々油汚れなんぞ気にしていたら俺の仕事は務まらないのだ
とはいえ制服は洗えば落ちるようになっているわけではないので極力汚さないようにはしているが
うわ、装甲そのものが痛んでらっしゃる、外見だけ取り繕ったような修理後だな、これじゃあすぐに割れちゃうぞ
これなんて蒸気管にスケール(水が蒸発した時に出る水溶カルシウムの白い残滓)がついて狭窄を起こしている、
吐き気がしてきた、、
あぁ、今すぐに削りたい、真っ先に削りたい!
ちなみに対処は簡単、高温の湯を通して、カルシウムを溶かして、湯を捨てる、これを繰り返すだけ
溶剤もあるにはあるのだが、管を痛ませてしまうためあまり使いたくない
スケールを溶かしきったあと、組み立て直している最中に缶が板金を無理に貼り付けたような状態になっているのを発見し、顔面蒼白にしながら即座に交換パーツを作る
横七ミリ厚φ12内径、半計測定値外形二十六ミリ
縦二十ミリ外装、素材はMC7を用いる
これなら、、削るのにはかなりの時間がかかるが従来材料よりマシだ
サイズは同じだから普通に使えるが、今までのものより軽く、高圧に耐えられるものになっている
最高出力もより高い物にはなったはずだが、適合するかどうか、、
結果としては適合した、何の問題もなく、むしろ艤装の方が喜んで受け取っているくらいに
「良かった、綺麗になったね」
最後に防錆剤を裏面塗布して全てのパーツを組み立て直してゆっくりと置く
さて、早く防錆剤と機械油を落とさないと後でシミ、繊維腐敗や発火の原因になる
俺は1日ぶりに外へ出んと立ち上がり、
一歩下がった、その瞬間だった、、
艤装がキラキラと光る、桜色、濃紫、薄黄、若草色
「綺麗だ、、」
その光に照らされた俺は、いつのまにか艤装に触れて
そのまま手が艤装を通り抜けた
「はっ!?」
慌てて手を引き抜こうとするが、それより早く
艤装が黒い装甲を解けるように消失させ
中央部の白い球体が露出する、、
それは艤装の核、あらゆる干渉が不可能な概念領域
艤装が艤装として働く為のコア
ゆっくりと伸ばされた俺の指が、コアに触れる
兵装構造設計図とは、艤装や武器に新種が発見された際、必ず艤装技師によって作成される、その艤装、武器の構造、使用パーツの配置及び型式などを記した設計図です
普通の改装設計図と違って、現物から帰納的に作られるため理想数とのズレもあり、扱いが難しいですが、艦娘の艤装などのパーツ点検や整備の時に
パーツの測定や確認に使われます
ちなみに、二級艤装技師以降じゃないと書けません
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