戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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コンフォーコ

みんなで電探(いなづまたん)を眺めて、神風が撫でて、その様を見てキマシの塔を建築したり

一人愉悦していた提督を叩き出したりしたらいつのまにか夕方になっていたらしい

 

「午後出勤の艦隊が帰還する頃ですね、迎えに行きましょう」

「あぁ」

「もうそんな時間?いきましょ、電!」

「抜錨なのです!」

「出撃しないでよ」

 

この二人の言い合いが絶妙に笑わせてくるので上手くスピードを出せない、

そもそも、ちょこちょことしか歩けないはずの電探がなぜ競歩している俺と三鷹提督に追いつくのか全くもって不思議なんだが、その辺りに説明はあるかな?

 

「ないわよ、そんなの知らないわ!」

「自分でもわからないのです!ただ上手く歩けているだけだと思うのです」

 

どうやったら普通に歩いてそんなに早く動くんだ?

俺じゃないから良いか

 

「よっし到着ぅー!」

「さて、もう少しで帰ってくる頃ですね」

 

二人して係留用のコンクリ柱に座りこみ

待ちの姿勢に入る、とはいえ別段に姿勢が悪いわけでも、ピシッと背筋を伸ばしているわけでもない、いわば楽な座り方である

 

[行儀わるーい!]

[うるせえぞ?良いんだよそんなことは]

 

川内の追及を躱しながら座り直す、また別にぴしっとしているわけでも、気を抜いているわけでもない姿勢だ、が、今回は足を組むのはやめる

 

そんなことよりまず見え始めた艦隊が優先だ

「おーい!」

大きめに声を出して帽子を振る

 

これ見送りらしいけど、分かりやすい信号になるのは他にないから仕方ないだろう

 

「おーい!」

向こうもバタバタしてる、、

いや待てあれ国際信号旗だよな?

ってことはつまり、、

練習巡洋艦、鹿島(エロス)

 

いや彼女はこの鎮守府には居ないはずだから別の艦だな

一瞬焦ったぜ

 

まさかあの子がいるなんて!

って一瞬混乱しかけた

 

コミケの集客、ユンケルの売り上げ、ローソンの株価、その他色々を変動させた、まさに傾国の美女、エロ鹿島

 

鹿島のビジュアルを見た瞬間から全国の造船所が忙しくなっことに違いない

 

果たして、バタバタして居たのは

陸奥だった

正確には陸奥改二

強力な艦なんだが、

残念なことに少し運が悪い艦である

 

[怒って良いかしら?]

[ごめん陸奥、君に言ってる訳じゃないんだすまない

話の途中ですまない、艦隊が帰ってきた]

 

二人して立ち上がり

艦隊を迎える、

基本的に旗艦は一番大型の艦

例えば駆逐+軽巡なら軽巡

重艦隊なら戦艦と大きい方に譲られる

指揮官の立場的に小さい艦から指揮を出すわけにもいかないという立場論と、実際問題大きい艦は基本低速であり、そちらに随伴させる形で合わせる方が効率的

 

という実際論もある

 

陸奥が旗艦になるのは至極当然と言えるだろう

他にも空母は旗艦になりにくいという法則もあるが、これは航空管制と指揮を両立するのが難しいから

という艦娘側の理由がある

 

頭を使うことを複数同時に行うのは難しいだろうし、仕方ないと言わざるを得ない

 

その点頭に謎のアンテナがついてる陸奥は頭も良いしアンテナも付いてるし指揮と戦闘を両立できるしと効率的である、

[だから陸奥なのか]

[本当に怒るわよ]

[やめてください死んでしまう]

 

陸奥に本気で怒られたら間違いなく死ぬ、魂ごと圧殺されて死ぬ

[押しつぶされるから、ヤバイ]

[はい怒ったー]

 

反転

 

希望と絶望、悲嘆と悔悟

微睡みの日々は

いつか終わりを告げるだろう

 

「マジかよ」

「マジよ、真面目と書いてマジメ」

「それ普通に読んでるじゃないか」

「それくらい真剣なの!」

Oh……

普通に怒られてもうた、、

 

こういう時、どういう顔をすれば良いか分からないの

「泣けばいいと思うの」(マジレス)

 

なにそれこわい

「バカっぽいとかかっこ悪いとか散々言われて、挙げ句の果てには怖いだ重い!?もう少し乙女に対する配慮があるべきじゃないの!?」

 

「うわっ!陸奥が壊れた!」

「壊れてない!」

べしべしと叩かれながら追いかけられて

陸奥の艦体を逃げ回る、のは良いか

いくら撒いても撒いても見つけてくる、、まぁ当然か?ここは彼女自身の体内にも等しいのだから

 

「アンテナガールなんてもう言わせないんだからー!」

「言ってねぇー!」

 

ビームライフル持たせろとは思ったけど

俺は走りながら考える

 

生き残るためには陸奥から逃げるしかない、しかし俺は主体的に陸奥から出られない、、ならどうする?

「ヘイカモン!川内!」

 

[ええー?、、なんか気乗りしないなぁー]

 

「今はそれどころじゃねぇ!死ぬんだ!」

[じゃあ手伝ってあげる、そのかわり夜戦だよ?]

 

やっぱりどこでも夜戦なのな、

「ドーモ、陸奥=サン

ヤセンニンジャです」

瞬間移動じみた動きで陸奥の前に出現した直後、スリケン、、ならぬ魚雷を投擲し

 

「きゃあっ!」

陸奥の視界を奪ったと同時に前部甲板を損壊せしめる戦果を挙げ、瞬く間に撤退した

 

俺ごと

 

「ふぅ、、助かったよ川内」

「はぁ、、怖かったぁ、、もう二度とやらないからね?」

 

川内に乗船した俺は

また精神世界に来ているんだが

それでセキュリティ大丈夫なのだろうか?

 

「また陸奥来たりしない?」

「それは多分大丈夫だと思う、私は精神リンクが一番強いから、一番優先される艦なの、だからまたはこっちに来れない、、はず」

 

「あくまではずなんだな」

「確実じゃないからね、もしかしたらを想定しないと」

「そのもしかしたらがあっちゃいけないんだよ、、主に俺の生命的に」

 




コンフォーコ、意味は火のように、ですね

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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