戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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パッション

「で、結局なんで急に何処かへ走って行ったんですか?」

 

「それは、、うぅん、機密に相当するようなしないような、、うぅん」

 

明かしたらモルモット、明かさなければ不審人物、、どちらにしても安定しない未来が待っている

 

「よし、明かしてしまおう」

 

「なにをだい?」

「俺の秘密、というか体質についてですね」

 

取り敢えず、三鷹提督には話そう

口止めしておけばそう簡単には漏れるまい

 

「さて、説明する前に

神巫、蒼羅の特異性についてお話ししましょう」

 

「まず俺はこことは違う世界の日本から来た、別の日本の出身だ、向こうの世界には妖精はいたが艦娘やら深海棲艦は居なかった」

 

「うん」

 

あれ?意外とあっさりしすぎ?

「戦力は必要とされなかったからかも知れないけど、それは定かではないよ

 

それはさておき、俺がさっき突然走った原因はですね、、『来い、川内!』

 

ぐにゃり、と世界が歪む

軋みを上げて、悲鳴を噛み殺して

俺の存在が書き換わる

 

軽巡洋艦『川内』へ

 

「こんな感じに、私が提督と融合しているからでーす!」

 

「なっ!バカな!」

流石に驚いた様子だな

ちょっと面白いぞこれ、

 

[あんまりやってると戻れなくなるよ?]

[そりゃ困る、じゃあ戻ろう]

 

[はーい]

川内はやや不満そうな感じで答えて

しかし、俺に支配権を返してくれる

よくできた女だぜホント

 

[ありがとう]

[ふん!]

 

一応礼を言っておく、

「このように、

俺は川内と適合しました、しかし完全に書き換えられてはおらず、外観

能力どれも変わっていません

しかし、一時的な『川内化』は可能で、その整備もまた必要ですから」

 

一応精一杯の予防線を引いておく

「へぇ、、、」

 

下唇を舐めて、こちらをみる三鷹提督

何かに狙われている、、?

 

「面白そうじゃないか」

 

「面白いならせいぜいモメてください!」

高速で突貫して離脱し

執務室を出て、鎮守府の屋上まで移動する

 

「これが俺の秘密ですよ、

大事にしてください、こわれものですので

 

郵便のような表現であるが

実際には結構的確なのだ

 

なにせ俺の秘密もレコードを取りたいという奴らが五万といるだろうからな!

人体実験なんてされたら

ただでさえ持続し過ぎると戻れなくなる可能性だってあるのに、さらに死亡率が上がってしまう

 

それに仕方がないと思うけど、男性艦娘は非常に珍しい、、というか存在しない為

原則、艦娘は女性限定であり、男性がなることはできない

そのサンプルが鎮守府の所属で

というは困りものだろう

 

研究者にとってはな

 

「あの、あんまり長くできないから

一応、ベットの上で死なせて….…」

 

「川内以外はどうなんですか?持続時間は? 影響は?]

「影響はご覧の通り戻れなくなる、持続時間は正確に測定できない、川内以外はできない」

 

一応現在はな?

 

[ねぇ、提督、多分さぁ]

川内から魚雷発射管に付いて居た魚雷を外して工具セットを取り付けられるという豆知識を与えられる

 

[おお?!コレは便利だ」

[声出てる声!]

「おっとすまないね]

うっかり声が漏れて居たようだ

取り敢えずしっかりと謝ってから

 

「すいません、今までずっと黙って居て…」

()()()今は点を極めるんだ、いいですね?」

俺の自己弁護は聞く耳もないようだ

 

工具セットのピンで前に置いてある 紙パック一リットルボトルを貫く

 

「ただのピンの先端なら火力は大したもの

だったな、この人なら…」

 

何を言っているのか全く聞こえない

があーっ!砲弾で顔面ぶち抜かれた

ひっくり返る、痛みから復帰最低時間120秒

 

「必要データのうちの一部でしかありませんが

それなりのデータ取りには使えるんです」

 

笑いなから言う三鷹提督

恨むぜ

 

「つまり、走った理由は?」

 

おっと肝心のそれを説明してなかった、

 

「意識を通して『サイオニック・リンク』と言うもので繋がっている俺たちは互いの状態がわかるんです!

だから彼女に呼ばれました!」

 

 

意味がわからないように言葉を並べておきましょう

という地雷レベルの思想をした発言であるが、なんと

そんな思惑を超えて、正しく意味を理解したらしい提督は、いつになく真剣な表情になって

再び口を開く

「しかし、君が先呼んだのは川内で、危ないのが川内ということはつまり、その問題は解決したという事かな?」

 

「そうです、もう問題ありません!」

カツッと床をふみ鳴らしながら息をつく三鷹提督

 

「そうですか、ならいいです、

今日はもう疲れたかな?それとももっと続けます?」

 

「無論、続ける」

 

口数が勿体無いと、エネルギーを絞る

なんとか倒れない程度の力を絞り出した後、執務部屋に帰り、、おっと危ない

寝てしまうところだった

すまないね

 

[それは言わないんじゃないの?]

[様式美だよ!それは理解しろよ!]

 

執務室で書類と向き合うのだった、、

 

「あぁ、、おおいよぉ、、」

 

紙吹雪ならぬ不採用通知吹雪だよ!何故かやっているのは鎮守府に新規着任する提督の取捨選択、全部自己判断でokだそうだが

履歴所みたいな専用紙はとにかく多い

しかし殆どが性能不足や性格に問題あり

 

不採用、審議に送ったのもの多いが、普段のストレス全開の毎日で頭が沸騰した人は全員不採用

結局、そういう事がある時点で提督としては不適格

そもそも一日中書類仕事なんてやりながら経済管理、環境維持、ストレスケア、作戦オペレート

そんなこと出来る奴はおかしい

俺だっていくつかに集中するタイミングくらい作る

 

それだと三鷹提督がおかしなことになってしまう、、おかしいのか?

 

おかしいんだな、よし

 

という茶番を終えて、川内の思考に引っ張られることもなく、さっさと光を集めて自分を再構成し直した川内の

すべすべの頬を撫でる、やっぱり可愛い

 

そして疑問だけど

 

一体何があそこまでこの子を追い詰めたのか

それを聞かずには居られない

 

「一体、君に何が、、」




花です、花言葉は情熱

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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