戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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帰還

翌朝、

目を覚ました俺は

さっさとまとめていた荷物を抱えて

部屋からでる

 

「じゃあな、舞鶴」

 

挨拶は昨日済ませた、

提督に離任許可ももらった

あとは去るだけだ

 

「僕の事、忘れないでね」

時雨っ?

いつのまに!

 

「白露型のみんなはまだ寝てるよ

僕はずっと起きてて、ずっと待ってたんだ」

 

「夜中ずっと待ってたのか?」

「うん、そうだよ」

 

「すまん、もっと早く起きればよかった」

頭が下がるぜ

 

「謝らないで、神巫提督

僕はメッセンジャーだから」

 

「メッセンジャー?」

鸚鵡返しになってしまった

 

「うん、みんなから最後に一言だって

 

じゃあ言うね

扶桑さんから、『優しさを失わないでください

たとえその気持ちが、何百回裏切られようとも』」

 

エースかよ、、

 

「山城さんから、『不幸に押しつぶされそうになってしまった時は、空を見るのよ』」

リンドウ……だと?!

 

「最上さんから『また会える日まで

私はここにいるから、いつかまた来て』」

 

ここに来て、、オリジナル

「五航戦の二人は

『貴方とはまた会える気がします

立派な提督になってください』

『アンタは行動全部が中途半端な感じがするけど、その甘さは、嫌いじゃないわ

 

頑張りなさい』だよ」

 

球磨川と、、誰?

「陸奥さんから

『私は彼とはあまり話せなかったけど

他の子達から話は聞いているわ

 

私から贈る言葉は一つだけ

努力は裏切らない、以上よ、、

えっ?これ全部伝言ってわけじゃ』」

 

 

ありがちなやつだな

ちょっぴり意地悪な時雨が可愛い

 

「白露型はみんな同じ

また会いましょう、だよ」

 

「あぁ、いつかまた」

 

俺は最後に時雨の頭を撫でて

くせ毛を弄り、、意地で手を止めて

 

「じゃあ、さよならだ」

「あっ、ちょっと待って

 

僕から最後に一言

『止まない雨はない』、だから提督の雨も、きっとあがるよ」

 

何感動させに来てんだよお前

 

ぁぁ、泣きそうになるだろうが

 

時雨に見送られながら、鎮守府を出る

門を出てから、鎮守府に向かって敬礼し

踵を返して

 

「提督っ!私を置いていかないでよ!」

後ろから声が聞こえた

神風だ

 

チッ……あわよくばこのまま置いていってこの鎮守府に所属することにしてやる計画だったのに

 

「神風、お前は隼鷹に送ってもらえ」

 

肩を捕まえて、

強制的に半回転させる

「私の運転免許アテにならないよ?」

 

免許更新前に艦娘になったせいで手続きに困っただろう隼鷹が後ろで笑っていた

 

「できるだろ、どうせ」

「アハハ……バレてんのね」

 

当たり前だ、あんだけ夕張と車乗り回してれば嫌でも気づく、、

 

「一緒に行けるな?」

 

「う…」

 

神風ちょっと怯えてないか?

何したんだ隼鷹

 

「笑いながらオープンカーを時速100キロ以上で乗り回してた、、」

 

「艦娘じゃなかったらできない所業だ…….」

される車の方も可哀想だな

 

まぁ、、いいや

神風なら精神的にも耐えられるだろうし、何より隼鷹が人を乗せてまでそんな運転をする正確には思えない

 

「じゃあ隼鷹、安全運転でな」

俺は回されて来た護送車に乗りながら告げる

 

この護送車ヤベエ

乗り心地ヘルな奴だ、、仕方ない

ずっと立ってるか

 

三時間が経過した、、正直時間感覚が曖昧だが陸奥が教えてくれた

 

そろそろかな?大本営は

 

今までの佐官管轄の鎮守府とは違い

将官が直轄する鎮守府のため

大本営から異動という形にするんだそうだ、、ちょっとよくわからない

 

唐突に、車が止まった

 

「降りてください!」

「はいよぉ、、」

 

腰痛い、、のは我慢して降りる

「では、自分たちはここで待機します」

 

「はい、ありがとう」

 

さっさと大本営のビルに入る

ナナイ研の研究室に四ヶ月ぶりに入ってみたところ、

 

「うわ……」

 

西側の壁に、、

大和の写真がビッシリと貼られていた

 

「ストーカーですか?室長」

 

「違う、違うんだ、、これは誤解だ

話し合えば分かり合える」

「問答無用」

 

憲兵に連絡するために壁際の電話機を目指した俺は、室長が抜いた刀に制止された

 

「こいつが原因なんだ、、

大和の主砲から作られた

日本刀(ポン=トウ):rw-202 大和撫子(ヤマトソード)ZRC(ゼロレンジキャノン)

こいつ、作ってみたはいいが

全くもってどうやっても起動できないんだ」

 

あぁ、そりゃ…辛いなぁ

 

「だから何が原因なのかを必死で探ってるんだよ!」

 

 

刀を振りながら言わないでほしい

危ないから

 

「これではただ深海棲艦を沈められるだけの刀だ!もっと大和としての属性を強く出さないと!」

 

正直深海棲艦を沈められるならそれで十分だと思うが…

 

騒いでいて7時間の無駄だと判断して、静かになった室長に、とりあえず試しに貸してもらい

 

握る、、

[うわ、、これ馬鹿みたいに力を消費するよ]

 

[具体的に数値に出来るか?]

頭の中で響く川内の声に質問を返す

[燃料と弾薬250ずつくらいかなぁ?]

 

うわぁ、、酷いコストだ

さすが大和型

 

[ってか人間が使えない理由それじゃね?膨大なコストを賄いきれずに電源を入れられないって感じで]

 

[そういう事だと思う]

よし、それなら多分俺は使えるな

川内、陸奥、瑞鶴フル活用すればいける、よし!

 

「大和撫子、起動」

 

紫色の光が、刀から湧き上がる

それは時期に薄い桜色になって

 

『目覚めた』

 

ブォンという音と共に

刀身が輝く、すげえ、

今ならなんでも切れそうだ

 

「おぉぉ、、おぉ!起動できた!

起動出来たんだ!私は設計ミスなんてしてなかったんだ!」

 

そうだな、これは室長のミスじゃ無い、大和型の問題点だな

 

まぁ、しばらくは使えるが、電源を一度切ったら入れ直すのに苦労するだろう

 

タイヤ同様、動いているものを動かすなら容易いが、止まっているものを動かすのは難しいのだ

 

「早速性能試験だぁあ!」

 

刀を持ってない方の俺の手を引っ張り、

 

試験場に移動する

無理に引っ張られると体勢を崩すからやめてほしい

 

 

丸一日経った後、そこには

刀に体力を吸われて

ヘトヘトになった俺と

逆にキラキラしている室長がいた

 

「あぁ、大和撫子は私達には起動出来ないって事は分かった、腐らせるわけにもいかないから

君に託すよ」

 

ほんな放り捨てるみたいな扱いで刀を渡されても

「君は軍刀を持っていなかったよね?都合がいい」

 

「はぁ、、?大和の主砲を飾るとは、随分と趣向をこらしておりますこと」

 

思わず口調がくずれたが悪いな

「どうせ使えないものだからね、しっかりと使ってくれ、」

 

「それいう?明らかに緊張するね」

 

「それが目的でもあるかな」

 

なんだその目的、、感情グラフの数値がヤバいだろうなぁ、もっとも、私にとってはという話だ

 

何に使うかもわからないデータだが、意外と感情グラフは

死にそうな数値を出してるって人も多い

 

 

 

結局、撫子は俺の儀装という事で、俺の腰に帯びられることになった

 

 




ポントウが武装に追加されました

現在の装備
拳銃(狙撃銃)

艦載機

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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