戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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今回提督の戦闘シーン付き!


第7章 呉編、鯉住くん、がんばれっ!
大和〜ヤマトって初見じゃ読めないよね〜


大和撫子押し付けられたけど

正直ネーミングがアレすぎる

俺が使うなら責めて大和武雄くらいにしとけよ

大和撫子は女性の美を表すための慣用句的表現だろ

 

ってなんかチカチカしてね?

 

まさか

 

っ!

 

握っていた刀を放り出して

出来るだけ離れるために走り出そうとするが

 

刀が強く輝き

 

反転

 

勝利は此処に、敗北を彼方に

願われる儘に、揮われた

そう、私は

 

「戦艦:大和……だろ?」

「あぁ、もう!気づくの早すぎですよ」

 

「悪いな大和さん、こっちは命がかかってるんだ」

俺は後ろの艦橋前に立っていた大和を見据えて

 

「では、やりましょうか」

主砲を向けられる

 

「……HA?」

 

「いやは?じゃなくて

私を使うのならそれなりの覚悟ってものを見せてもらいますっていう、昔の漫画にありがちなアレやるんでしょう?」

 

「確かにありがちなパターンだけどそれは古典的な良さがあるじゃん?、、って俺そんなのやりに来たんじゃ無いんだけど?」

 

「……え?」

 

どうも話に根本的な食い違いがあるようだ

「何をどう勘違いしたらそうなるんですか?大和さん」

「え?だって私は大和で刀で使われるなら使い手を選ばなきゃいけなくて、、ぇ?」

 

本人も混乱してしまっているようだ

 

「とりあえずラムネでも飲んで落ち着きましょう」

優しく声をかけると

「はい…」

 

案外従ってくれた

大和は綺麗だよなぁ

どんな艦より美しいとか言われただけあるよ

 

「お世辞でも嬉しいです…けど

やっちゃいました……」

 

頭を抱えてしゃがみこんでしまった大和

 

落ち込んでる…別に戦う必要ないってわかって落ち込んでる……

あとラムネ(大和に限らず中、大型艦にはラムネ製造施設があります)美味しいです

 

冷えてて甘い、、

大和、武蔵、扶桑、山城って日本国の名称と首都って名前のつながりがあるんだよね

 

名前で言えば姉妹艦でもおかしく無いって事なんだが、、残念ながら時期的なズレがありました

 

飲みきったラムネはポイ捨てするのもアレなので、大和さんが飲んで、取り敢えず持ちっぱなしになってたカラ瓶も受け取って、、

「ふっ!」

 

瓶は俺の手の中で

光の粒子へと変化して消えた

 

「うわっ!凄いです!

どうやったら出来るんですか!?」

 

食いついて来たなぁ

 

「川内の艦内で練習したんですよ、イメージで構成される想子に由来する存在なら、想子に分解できないか?って

練習が必要ですけど、これくらいならできますよ」

 

なにせ自分の体を川内に渡せるようになるためだけに適合率上げをしてたら発明された技術である

 

最近はこれの応用で自分の体を再生したりも出来るようになった…まぁ川内は最初からやっていたが

 

「練習させてください!」

「はい、どうぞ」

先程分解した光の粒子を糸状に紡ぎだし、再びガラスの構造体を取り出し、大和に渡す

 

「んんんっ、、!」

 

「がんばれぇ」

 

バキッ!

 

「「あっ」」

力の入れすぎで割れてしまったようだ

大和型の膂力を忘れていた

 

まぁそのくらいは

駆逐でも出来るしな

 

「じゃぁリサイクルで」

手を向けた俺は、即座に

割れた瓶のかけらを分解し、再構成

再び大和に渡す

 

「慣れてるんですね」

なんか凄いものを見る目で見られた

 

別に俺は凄いわけじゃ無いんだけど…

 

しばらくあと

 

「やった!出来ました!

見てもらえましたか?提督っ!」

 

はしゃぐ大和さんが瓶を光に分解していた

 

「おめでとう、おつかれさま」

「はい!ありがとうございます」

 

ニッコニコしてるところ悪いんだが

「じゃあ次の段階行きましょうか」

 

大和が分解した光から、拳銃を作る

この世界に物体は基本的に持ち込めないが、こちらで再現することは可能なようだ

 

「目覚めろ…輝那」

 

輝那を大和に見せる、

そして

「んじゃあ、作る方行きましょう」

「えっ、、?」

 

どうも彼女は戦う方に戻る展開を期待していたようだ

 

「だって私は戦艦で工作艦じゃ無いんです…いくら工芸が上手くても仕方ないのに……」

ちょっと凹んでるのが可愛い

 

「じゃあ戦いますか?」

「え?いいんですか?」

 

それだと戦闘狂にしか聞こえないと指摘したら大和は顔を真っ赤にしていた

 

「五メートルでいいですか?」

「わかりました!」

 

大和から五メートル離れて、輝那と、こっそり撫子を出して構え

「「レディ……ゴーッ!」」

 

開始の合図が重なると同時に

俺は動く

大和の主砲から目を背けずに

輝那をまっすぐに大和に向け

 

発砲、その瞬間に大和は身をひねり

主砲の内部破壊を回避した

 

あれだけ大きな艤装なのに凄いな

「反撃、行きます!」

 

「まだだ!」

 

再び発砲、主砲を掠めて艤装の装甲に着弾

メインターゲットの主砲内部破壊は失敗、攻撃自体は成功

されど与えたる損害は軽微に留まる

 

「はあっ!」

応射された副砲による弾幕を離れ直して艦体の構造物を盾に回避する

 

盛大に自損した大和を見据え

艦体を登る

とはいえ

ここが彼女の体そのものである以上、隠蔽はできない、艦橋から体を出した瞬間に、対空弾幕が展開される

 

そこで俺は

「よっと!」

 

艦橋から飛び降り、輝那を連射

縦移動ゆえに射界が狭く、対空機銃の操作がままならないため、大和は僅かながらに飛んでくる弾を敢えてその身に受け

耐えることを選択したらしい

 

飛び降りて、大和に向かって落下する俺は当然機銃掃射を受けるのだが

 

キンキンという音と共に

大和撫子で機銃弾を払い飛ばす

 

「なっ!」

 

ライフル弾は物によるが秒速800〜1000メートルくらいだ

二級とはいえ俺とて艤装技師の端くれだ

回避は十分に可能、だが

迎撃となると話が違う

濃密な機銃弾幕を無傷で抜けるのは諦めて直撃弾のみを弾くに収める

それでも体の芯へと飛んでくる正確な弾は多く

わずか数秒の間で俺は全身に銃創を作る事になったが、生きている

 

「うぉぉおっ!」

「はぁあっ!」

 

甲板に飛び込んだ俺は

ボロボロの足で着地せずに、体を回転、大和までの距離を前転で詰めながら輝那を構え

膝立ちで止まるや発砲

 

材料の関係で威力は高いが

流石に大和の主砲である46センチ3連装砲は防げず

至近距離での砲撃を受けた俺は当然

爆散した

 

「あっ!」

大和は挑んできた敵とはいえ

人を殺した事に衝撃を受けているようだが

 

それで欺かれていては世話ないな

 

「こっちだよ」

大和の後ろから

大和撫子を突きつける

 

「空蝉……ですか」

「こちとら忍者仕込みなんでね」

 

ハイスペックすぎる第一種軍装を脱ぎ捨てて、一瞬だけダミーを作り

巨大な大和自身の艤装が視界を塞いだ瞬間に跳躍

砲撃で爆散したように見せて

大和の後ろにふわりと着地した

 

自失していた大和は艦体の感覚に気づかずに俺の生存を察せなかった

 

「さて、いささか卑怯だが俺の勝ちだ

俺に従え、大和」

 

「はい、()()()()()()でしたが()()でしたが!一応負けは負けです」

 

「なんか怒ってない?」

 

「いいえ!別に!傷ついてなんかいません!私に人を撃たせて!いかにも!死んだように見せられても!傷ついてなんかいません!」

 

怒ってるし傷ついてるのね

「ごめんなさい、適当なことやりました」

 

「もっとちゃんと謝ってくださいいっ!」

幼児退行てもしているかのように、腕をばたつかせて怒る大和をなだめて、なんとか大和撫子の使用権をもぎ取るのに、なんと二時間半かかった




こんなところにまでニンジャが

????「ドーモ、読者=サン」

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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