戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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鳳翔マイワイフ(タグ風)

その後、俺は突然気絶して倒れたらしい

 

気づいたら翌朝になっていた

 

姉さんの声が聞こえたのと

無関係ではないだろう

 

おそらくは左目と、腕の痣

それぞれが姉さんにリンクしている

 

そして、多分という程度の話だが

姉さんが……姫になった

それも空母棲姫、危険な姫だ

 

最終鬼畜編成全部姫のメンバーでもあるし、イベントで高確率出現していた姫でもある

 

あの編成はラスダンだが地獄

下手に挑むと鎮守府の資源が禿げ上がってしまう

ので、全く油断できない

 

 

のは置いておいて

姉が姫になったのは俺にとっては朗報ですらある

今までヲ級だった姉は

序盤ボスくらいでもおかしくないレベルのステータスを持ちながら終盤の雑魚であり

倒してもドロップしない可能性があったが、姫級なら話は違う、

基本姫ならドロップするため

下手に倒して消滅してしまう可能性を排除できたということでもあるからだ

 

ドロップするしないには

倒し方等に変化要因はない、というのが大本営公式だが、そんな事を今時信じている奴はいない

 

おそらくなんらかの差がある

ドロップするしないに紐付く

なんらかの任意パラメータがあるはずだ

 

「提督?」

 

はっ!

「どうかしたか?姦」

「それやめてくださいよ、あと

どうかしたんですか?顔色、悪いですよ」

 

顔色?すこぶるいいはずだが…

 

枕元にいた姦に手鏡を貸してもらい、自分の顔色をみる

 

真っ白やな

 

左腕の白い痣レベルではないが

取り敢えず漫画とかなら白塗りにされるくらいの顔色だ

 

「ね?酷いでしょ?

先、休んでおいた方が良いですよ」

 

「いや、昨日の分の仕事がまだ」「休んでおいた方が良いですよ」「だから」「休んでおいた方が良いですよ」「俺には」「休んでおいた方が良いですよ」

 

「アッハイ」

 

これエンドレスリピートや

アカン、鹿島が香取型スピーカーになってもうた、、なんてふざけた事を言うのはやめよう

 

仕事はできるが万全ではない

体調管理に気をつけなくては…

 

はっ!お艦の気配!

「神巫提督?体調を崩したと聞いて参りましたが…やはりまだ休んでいた方がよろしいようですね

少し遅いですが、朝食はどうなさいますか?」

 

「良いよ、やめておく

体が追いついていないんだ、今食べたら更に体調を崩す」

 

「……そうですか

わかりました、でも」

 

ベットに横たわっている俺の隣に寄ってきた鳳翔さんは、

「熱を調べましょうか」

 

額をつけてきたわけです

 

「鳳翔さん!近いです!」

姦が何か騒いでいる…

 

ちかい、ちかい、、かわいい

おかぁちゃんのファンになります

 

違った、いや違わない

尊いのは確か

 

[うん、たしかに尊いよ、これは]

[川内まで同意するなんて…]

瑞鶴と川内も同意見のようだ

 

「熱は大丈夫ですね、食欲はどうですか?」

「食欲は、、あるよ」

 

あるけど食べたら体が受け付けなさそうなだけだよ、、体調悪っ!

 

俺体調悪っ!せっかくのシーンなのに…

それを 楽しめない なんて もったいない

 

アイテムじゃないんだから

二度ともらえないかもしれないチャンスなんだからさぁ、せめて楽しみたかったよ

 

「先輩?」

[[提督?]]

君ら三人とも目力強くない?

なんでそんなに睨むのさ

 

[[別に]]「なんでもありません」

 

君ら普段は喧嘩するくせになんでこんな時に息を合わせるのかな

 

「目が泳いでいますね、

気分はあまり良くないのでは?」

 

鳳翔さんお気遣いありがとう

 

「いや、大丈夫だ問題ない」

 

姿勢をいつの間にか戻していた鳳翔さんに声をかけられる、というか

「今は何時だい?」

「えっと、、午前九時四十分、といった頃ですね」

マジかよメンテの時間ぶっちぎってるじゃないか

 

これはやばい、死んでしまう

 

「すぅ、、、はぁ、、、よし!」

 

体を無理に目覚めさせて

上体を起こす、先程から状態は安定していたから問題は本当にない

 

「あっ、提督!急に体を起こしたら!」

「構わん!仕事をしなくては…」

 

「せんぱいっ!」

 

ただでさえ姦しい輩がいるのだ

職務放棄などできるものか

 

俺は医務室に鳳翔さんを残したまま、ドックに向かうのだった

 

 

「ふぅ、、昨日の分の仕事を早く済ませてしまおう」

 

俺はそこら中に降ろされている艤装を確認して、メンテ済みのタグが付いているのを見つける

 

「?これはたしか俺の担当だったはず…」

「え?体調悪いから休むんじゃなかったんですか?」

 

後ろから声をかけてきたのは

メンテ班、第2班のメンバー

夜半 鳥貞(ヨハン・トリニティ)22歳

 

俺からすれば後輩くんに当たる

技能も学問も特段の能力を見せないが、反射能力が極めて高いらしい

 

「あぁ、もう復帰できたよ

ありがとう」

 

「いえ、その言葉は私ではなく鯉住さんにいってあげてください」

 

笑って穏やかに身を引かれた

まぁ彼がそういうなら良いや

 

「じゃあ今度言っておくよ

さて、次は……巡洋艦か」

 

姦の艤装は触りたくないなぁ

 

「鹿島さんと五十鈴さんはまだ終わってませんから、よろしくお願いしますよ」

「おう任せとけ(棒)」

 

結局、自分の矜持と鹿島の艤装どちらを取るかをしいられた俺は、気が乗らないながらに艤装をメンテするのだった

 

べつに、嫌いなだけで憎いわけではない

沈んでほしいとは言わない

中身と接した覚えのある者として死ねというのは辛いだけ、というのもあるが

一番の原因はこいつ自身は問題を起こさない事だ

よく見るといつも周囲が問題を作っているのを仲裁する形になっている

 

おそらく、悪女も生来の面倒見の良さは捨てられなかったのだろう

 

 

はぁ、、艤装メンテ終了……

 

同時にチャイムがなる

昼飯食べよう、朝食は結局食べてないから

さっさと食べてしまわないと

 

そして俺は、食堂へ向かい

鹿島の艤装が淡く光っていた事を見落としてしまうのだった




夜半の名前?ダブルオーの某お兄からですw

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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