これはとある食卓での話










深夜テンション書いて後悔してる怪文書。戒めのために投稿しました。お前らもこれ読んで後悔しろ

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匙と蜜壷

 とある食卓、そこでは真新しい瓶と鈍色に光るスプーンが対面していた。

 

「ジャムさん……開けるよ……」

 

「うん……準備は出来てる……」

 

 そういう時ジャムの身につけていた(ラベル)を脱がし閉ざされた至福への()をそっと開いた。

 

 パカッという軽快な音ともに昨日まで何も知らなかったその瓶の中は大量の蜜で満たされていた。

 

「こんなに沢山……凄い……ぅわっ……光を浴びてすっごく輝いてる……」

 

「はっ……恥ずかしい……」

 

「そんな恥ずかしがらなくても大丈夫さ……さぁ……(スプーンを)入れるよ、ジャムさん」

 

 そういい硬く大きいモノ(スプーン)をジャムに見せつけるようにしながらまだ誰にも汚されていない中にへと侵入して行った。

 

「おや?」

 

 しかし入れても蜜に触れた感じはなく侵入を拒むような感覚があった。

「一体何が……」

 そういいながらよく観察してみると(乾燥防止用)が張っておりそれに触れた事で蜜とは別の感触がしていたらしい。

 

「……ふふっ、これがあるってことは初めてなんだね……」

 

「はい……だからその……スプーンさん……私の初めてを、上げるね?」

 

「…………あぁ」

 

 その言葉を聞いたスプーンは慎重にそれでいて大胆に、膜を破り捨てジャムの中へとモノを入れた。

 

「やっ! 優しくぅ! 優しくかき混ぜてぇ!」

 

 ジャムがどれだけ訴えてもスプーンは中をかき混ぜる。それはまるで中に空気を取り込む水飴のようにかき混ぜていく。

 

「だ、だめぇ! そんなに激しく混ぜたら……でちゃ、でちゃううぅぅうう」

 

 そう一際大きな声を上げると(瓶の)中から艶やかで甘い匂いの蜜を激しく撒き散らした。

 辺りに散らばった蜜はドロっとしており(空気を含み)白く怪しく輝いて床やテーブルにネチャッ……と絡みついていた。

 

 しかしその蜜を1番掛けられたのはかき混ぜていたスプーン自体。その大きく硬くそして鈍色に輝いていたスプーンはジャムの蜜で美しく輝いていた。

 

「あ~あ~……こんなに汚しちゃって……しかもこの蜜すごく粘性があってなかなか取れない……」

 

「なら私の身体(生地)で拭き取って上げるわよ?」

 

 そう名乗り出た少女は焼けている部分は茶色く健康的に見えるが焼けていない部分は病的にまで白く、焼けた場所と焼けてない場所、そのコントラストが綺麗に映えた少女はベット()に寝ていた。

 

「お前は……食パン!」

 

「久しぶりね……まぁ……また他の(ジャム)を虐めていたのね。しかも新品の……ほんとあなたって肉食よね……まぁそういう所がカッコイイんだけどね。ところであなたその絡まった蜜に困ってるんですってね、どう? 久しぶりに私の体で拭いてもいいのよ?」

 

「嫌、でも……」

 

「私がいいって言ってるのよ? もう黄身と白身はうんざりなの。久しぶりにいいでしょ?」

 

「そこまで言うなら……」

 

「ええ、いいのよ? ……私を使ってもバチは当たらないんだからさ」

 

 そんな食パンからの誘いなど断れるはずもなく、スプーンに付いた蜜を食パンの白い身体(生地)塗りたくっていった。

 

「まぁ……すっごいわねこのっ……! 蜜はぁ! んあっ……!」

 

「なんだよ、もう身体中蜜でべっとりじゃないか……でも、本番はここからだよ?」

 

 スプーンがそう言うと己の体を使い食パンの耳の先から足まで満遍なく蜜を塗り広げていった

 

「やっ!? にゃ、にゃんにゃの!? ひゃっ! そんなにぃ、刷り込まないでぇぇえ!」

 

 身体中に蜜を塗られそのスポンジのような身体に蜜が染み込みどんなに頑張ってもその甘ったるい匂いが取れることない身体へと変貌してしまった。

 だが食パンの表情は満足げで何一つ公開していないようだった。

 

 その後、起き上がったジャムの中をかき混ぜ、身体に付いた蜜を食パンに塗りつける……そんな行いに満足したのかスプーンは次の出番が来るまで一眠りし始めた。

 

 スプーンに初めてを奪われたジャムは開いた蓋を閉められ見た感じ新品だが1度開いたため日に日に賞味期限(婚期)が近ずいていく。

 

 一方食パンは身体に染み付いたその匂いは人間にとっては食欲をそそるもので抵抗する暇もなく食べられてしまったが終始幸福そうな顔だったという。

 

 これはとある食卓での話でした。




どうしてこうなった


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