くーside
うーん、暇でしょうがない。廊下の端から端まで一人でゴロゴロしてるけど何回も繰り返していると飽きてくるというものだ。
あとなんか忘れてるような気がしてならない。どうしてかな、そう感じるんだ。でも気にしてもしょうがない。だって忘れてるんだもん、きっとどうでもいいことなんだ。忘れるくらいなことだもん。きっと大切なことじゃないんだ。
よぉし!なんだかやる気になってきたぞー。
今誰も相手にしてくれなくて暇なんだ。たまにはイメージトレーニングも必要だろうってな訳で一人芝居をやってみようと思った。
設定は森の中に住んでいる仁王立ちできるくまさんと白いカチューシャがお似合いの女の子。全部創作だけど内容は面白い感じて行こうと思う。
ではスタート☆
深い深い森の中で道に迷った女の子は困った風にしていた。女の子はある目的で来たのだ。そこに偶然通りかかった歩いているくまさんにこうお願いをした。
女の子「くまさんくまさん、わたしのお願い叶えてくれますか?」
くまさん「いいだろう、可愛い子チャンの為なら毛皮だって脱いでやるぜ!」
優しいくまさんは男前でした。そして同時に女の子好きでした。
でも女の子のタイプではありませんでした。だって毛深いから。
女の子は男前なくまさんに迫られたけどさらりと交わしつつ、こう言った。
女の子「まぁ!本当?だったらその毛皮剥いでもいいですか?」
女の子は恐ろしい台詞をさらっと口にした。そう、女の子の目的は体の弱いおばあさんの為に毛皮を探しにきたのでした。なんておばあさん想いの女の子なんでしょう。
小首傾げつつ上目遣いを狙ったおねだりの仕方にくまさんは案の定ズキューンと胸を打たれた。
くまさん「おっと!ただの冗談だったんだがマジにとられちまったみたいだな。可愛い子チャンの頼みなら叶えてやりたいがこの毛皮剥いじまうとオレは死んじまうからな。代わりにこの銃をやろう。これで毛皮も取り放題だぜ」
そう言ってくまさんは女の子にM19 コンバットマグナムを渡しました。女の子はずしっと重みのあるM19 コンバットマグナムを受け取り満面の笑みで礼を述べました。
女の子「ありがとう!親切なくまさん。これで貴方の毛皮も剥げるのね」
くまさん「おいおいマジかよ、可愛い子チャン。オレの話通じてねぇ?困ったぜぃ」
とても困った素振りにはみえないくまさん。
たった今女の子に「おまえ殺るぞ」宣言されたのに全然気がついていません。
でも女の子も殺るは殺るにしてもとても自分だけでは殺れない事実に悩みました。
女の子「でもこんなに大きな巨体一発で仕留められるかしら」
すると親切なくまさんはこう女の子にアドバイスをしてあげました。
くまさん「そうだな、可愛い子チャンの腕じゃまず無理だろうなァ。どうせなら一服盛ってからゆっくり料理した方がいいんじゃねぇかい」
なるほど!と女の子は納得して手をぽんっと軽く叩きながら
女の子「まぁ!それはそうよね。ありがとうくまさん。それじゃあ一杯どうかしら?」
と、何処から出したのかわからない徳利と猪口をくまさんに差し出した。
くまさんは目をキラキラさせて上機嫌になった。差し出された猪口をふさふさの手で持って並々注がれる酒を見つめた。
くまさん「ラッキーだな。可愛い子チャンに酌してもらえるなんてオレは最高にツイてるぜ!ぐ、ぐぐぐ………しまった、一服盛られちまった……!!ガクッ」
でもそのお酒には睡眠薬が入っていてあわれくまさんはその場にズドォーンン!と倒れてしまった。女の子は口元に笑みを浮かべながら右手に出刃包丁携えていました。
女の子「素敵なくまさん。穏やかな顔して寝ているわ。大丈夫痛くしないように剥いであげるから。じょーりじょーりじょーり」
くまさん「ぎゃぁぁあああああああああ!!」
くまさんの断末魔が森の中に響き渡りましたとさ。
end。
◇◇◇
「…………くーちゃん。ただいま」
名を呼ばれ振り返れば制服姿で佇む君尋の姿があった。およよ熱中してたらいつの間にかそんな時間だったのか。ふぅ、ちょっと疲れちった。
「お!帰って来たかヤンチャboy?暇で暇で仕方ねぇから仕方なく一人芝居しちまってるじゃねぇかよおう?」
「………一人芝居どころか喋り方まで変わってるんだけど」
心なしか君尋の顔が引きつっているような気がする。いや、確実に引きつってる。主に口元とかヒクヒクしてる。
「そうかよ?そんな細けぇこと気にすんなよ男の癖によぉ」
それよりも腹減った。頑張って腹減った。迫真の演技をしたので余計腹が減ったのだ。
「腹減ったぜ、なんか頼まぁ~」
その場で足を広げておなかをボリボリと掻いた。あ、背中も痒い。
でも手が届かない。まごのて欲しいな。ゆうこに頼むかな。
それとも宝物庫の中にまごの手ないかな。猿の手ならあったよな。でもアレは開きたくないなぁ~。
「こ」
「こ?」
ここ掘れわんわん?
「こんなくーちゃんは」
「いやだぁぁぁあああああ―――――!」
この世の終わりな顔して涙目になって叫ぶ君尋でした。
【今日は視える女の子と出会いました】