鸞ト己テリモ積モ塵   作:サボテンダーイオウ

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30 【END】

物語の最後は本当は最後ではない。始まりだ。

けどそれは物語の住人が最後だと思ってしまえば最後になる。

カーテンが閉じて灯が消されて観客は席を立ちいなくなる。

時計の針が『ぼーん、ぽーん』と終了の時を告げ、真っ暗闇が広がる。

 

侑子さんがいなくなって、どれくらいの時が過ぎただろうか。

外の世界では目まぐるしく季節が廻っただろう。

俺は以前と変わらないまま、店に居続ける。帰り人を待ちわびながら。

時々、大好きなあの子がお土産片手にお店にふらりと来たりする。その時はやる気がみなぎって空回りする俺だ。この間は走る飴とか意味わからないモノを持ってきて、庭中を走らされた。

彼女曰く、『普段運動してないからピッタリだ』そうだ。

確かに運動不足だけど、飴に追いかけられる俺ってなんだろ。

こんな事、普段の日常だったらないことばかりだ。けどそんなのも楽しいと思っている。

ふと、思い立って俺は、宝物庫に向った。普段、立ち入ることのない部屋。

俺はアレ以来、彼女たちに会いに行っていない。正直、会える自信がなかった。

二度とみなくてもいいと思った。けど、今日は違う。今日は、会える。

 

 

◇◇◇

 

ようやく会えた。くーちゃんの前のくーちゃん。

初めまして、そして

 

「オヤスミ、狗楽ちゃん」

 

くーちゃんではない、くーちゃん。俺の知らない神崎狗楽ちゃん。

俺はあえて君の名前を呼ぼう。それが相応しいと思ったから。俺が知る以前の君だものね。

 

―――君が一身に見つめるのはおねーさんだけだ。他は一切目に入らないくらい、繋がった【絆】。それは誰にも断ち切れるものでもなく、誰も介入できない二人だけの世界。

逆に羨ましいとも思う。ここまで想って想われて互いに互いがなしでは生きられない二人。

最後の瞬間まで、君たちは互いの事しか考えていなかった。

 

天姫さんの魂はなく、器だけ。

狗楽ちゃんの器はなく、魂だけ。

 

君達は互いに足りない部分を補いあう一つの存在。

最高の姉妹だよ。良かったね、君たちはもう離れることはない。君の夢路はずっとおねーさんと一緒だよ。隣り合わせで、同じ閉ざされた空間で、君たちは永遠に手を繋いで眠るのだろう。もう覚ますことのない蒼の世界に優しく包まれながら。

見慣れた顔が目の前にあるのは正直淋しいけど、君たちは違う。ここは君たちだけの世界。君たちだけに許された領域。

 

「君たちの夢の旅路が【光】で満ち溢れていますように」

 

祈りを込め、呟いた。俺はゆっくりと扉を閉じた。

 

願わくば、この扉を開く時がありませんように。それまでは静かに静かにさせてあげたいから。宝物庫にて眠る二人の顔はおだやかなまま、俺は静かに扉を閉じようとする。

光が室内から消えていく。

 

もう、二度と彼女たちは離れることがないと思う。

なぜならそれが彼女たちが望んだことだから。それが、彼女たちの最後の【願い】だから。

 

―――君が一身に見つめるのはおねーさんだけだ。他は一切目に入らないくらい、繋がった【絆】。それは誰にも断ち切れるものでもなく、誰も介入できない二人だけの世界。

逆に羨ましいとも思う。ここまで想って想われて互いに互いがなしでは生きられない二人。

最後の瞬間まで、君たちは互いの事しか考えていなかった。

 

天姫さんの魂はなく、器だけ。

狗楽ちゃんの器はなく、魂だけ。

 

君達は互いに足りない部分を補いあう一つの存在。

最高の姉妹だよ。良かったね、君たちはもう離れることはない。君の夢路はずっとおねーさんと一緒だよ。隣り合わせで、同じ閉ざされた空間で、君たちは永遠に手を繋いで眠るのだろう。もう覚ますことのない蒼の世界に優しく包まれながら。

見慣れた顔が目の前にあるのは正直淋しいけど、君たちは違う。ここは君たちだけの世界。君たちだけに許された領域。

 

「君たちの夢の旅路が【光】で満ち溢れていますように」

 

祈りを込め、呟いた。俺はゆっくりと扉を閉じた。

 

願わくば、この扉を開く時がありませんように。それまでは静かに静かにさせてあげたいから。宝物庫にて眠る二人の顔はおだやかなまま、俺は静かに扉を閉じようとする。

光が室内から消えていく。

 

もう、二度と彼女たちは離れることがないと思う。

なぜならそれが彼女たちが望んだことだから。それが、彼女たちの最後の【願い】だから。

 

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