それでも誤字報告してくれた方ありがとう、愛してる。
たまに設定ガバったり文章力も画力も更新速度もうんちだったりしますがよろしくお願いします。
当然ながらネタバレを多分に含むので原作未読の方はお気をつけ下さい。
ファンタビのネタバレもがっつり出してる箇所があるので避けたい人はマジで注意。
尚、予告無しに本文を改稿することがあります。ご了承下さい。
「こいつ更新遅ぇな」って時は、大体最新話の後書きに現況を追記します。
万が一失踪したら分霊箱に乗っ取られたとでも思って下さい。
Page 0 「最悪の覚醒」
―――あいだだだだだだだァァァッ!!!?
千切れるッ、千切れるううううぅぅぅッ!!
突如走った激痛。
全身をまるで雑巾絞りのように強く捻られる感覚に、このままでは上半身と下半身が分離してしまうのではという恐怖からみっともない悲鳴を上げる。
なんだこれは!?まさかガン?いや心筋梗塞??未知の病魔かッ!!?それとも本当に事故かなんかで真っ二つに???
全身を巡る悍ましい痛みの中でも人間の脳というものは案外まともに機能しているようで、このような目に遭った原因を思いつく限り並べていく。そうだ、急に痛みを感じるなんてやばい病気か突発的な事故以外考えられない。特に一際強い痛みの発生源は主に胸部で、心臓をやっちまったのかと頭の隅で絶望する。生物の急所とも言える臓器、ここが壊れてしまえば蘇生は困難―――自分は、死を迎えようとしているのだろうか?
あんまりにも理不尽で突然な痛みと死の恐怖に耐え切れず身をよじり―――よじり……あるぇ???
ふと、気付いた。
四肢がない。苦痛でとっくに胸を抑えているであろう両手が、無い。見えない。立つことも座ることも出来ず折り畳むしか無かったであろう両足も、無い。見えない。というか、手足の感覚無くない…?やばすぎでしょ、これ。
もしかして、何らかの要因で心臓を損傷してしまい、血が全身に通わなくなって感覚喪失した、とか?でも視界に捉えられない理由が解せない。視覚も失った?嘘だろ、無いわ。
そしてさっきからずっと絶叫したり呻いたりしてたはずなんだけどな…?自分の声が、聴こえないのよ。耳もおかしくなったのだろうか。これはいよいよヤバい。つーか、声を上げてる感覚も無いわ、声帯、機能してる?うっそだろおい…。
まさか嗅覚も?と思ったが最初から何も感じていない。匂いなんて普通に清潔な部屋とかに居たら無臭だよね。…鼻の機能に関しては正常かどうか何とも言えないな。鼻で気付いたけどさ、自分呼吸してなくね?息苦しさは感じないけど……肺もヤラレチャッタのか?
そこまで思考を巡らせると、今度はいつの間にやら全身を襲っていた痛みがさっぱり消え失せていることに気付いた。
そういえば途中からやけに冷静に身体機能について考えられてると思ったわ…。嘘でしょ。あんな、いっそ死にたいとも思える地獄の激痛がこんな短時間で、綺麗さっぱり無くなります?まあ、無くなってくれたのなら有り難いことこの上ないのだけれども。
さて、現状把握の時間だ。
さっきも感じたけど胸がめっちゃ痛かった!間違いない、これは心臓やっちゃってますわ。身体の感覚が失われている理由も説明がつく。と言っても自分医者じゃないしそういう専門知識も無いので、血が巡らなくなったらこうなるんじゃない?という勝手な理屈で推測しているだけなんだけど。
うーん、しかし思い出せない。どうしてこうなったんだっけ?痛みに襲われる前、自分はどうしていた?病気とかがいきなり発症した、とか?信号を渡っている最中に車にでもぶっ飛ばされたのか?…何も思い出せない。
落ち着け、あんな激痛を味わった直後だ。脳が混乱して、上手いこと記憶を引き出せなくなっているのかも。この件は保留にしよう。
今重要なのは、自分の身体がどうなっているか。動かしてる訳じゃないし、そもそも感覚無いし、十中八九地面にぶっ倒れてる筈。触覚も失ったのか、倒れている実感無いけど。
今何時何分で何処に居るのかもさっぱり解らないが、通りがかった誰かに救助してもらうのを祈るしかないか。そもそも身体が動かないから、こうやって思考を巡らせるしか自分に出来ることはない。
しかし痛みが消えたとはいえ、感覚機能が戻ってくる気配が全然しない。現状はどちらかというと危険な方に傾いているだろう、主に死という下り坂の方に。
…でも不思議だ。さっきはあんなに死ぬのが怖かったのに今は全く感じないぞ。感覚はやはり失ったままで、暗闇しか見えないし音もしない空間に放り込まれたようなものなのに、恐怖というものを微塵も感じない。
…いやこれ、時間の問題か?
意識はあるのに身体が動かないって、普通発狂もんだよ。いや発狂する声も出せんけど。こういうの何かで見たな…確か『閉じ込め症候群』って言うんだっけ?うわ、マジヤバだわ。一生このまま治らなかったらどうするよ?勘弁してよ…
―――と、どんどんネガティブな方へ流れていく『ボク』の思考は、これまた唐突に遮られた。
文字が―――黒いインクで描かれた文字が、脳内の奥深くに、魂の根底に刻み込むかのように、
視覚というものが機能していないこの状況で、その文字の『色』と『形』がはっきりと、恐ろしいとさえ感じる程鮮明に脳に焼き付けられる。
"TOM MARVOLO RIDDLE"
こんな状況で、場違いにも美しいと感じる筆跡で『ソレ』はボクの意識―――いや、魂の中にスルリと潜り込んできて、居座った。
何で、解るんだろう。
何で、視えるんだろう。
だって自分は今、原因不明の病気もしくは事故のせいで、目なんか全然視えないのに―――
それでも、英語で書かれたその文字は、唖然となっている自身の内側へ強く強く染み込んでくる。
とむ、まーぼろ、りでれ…?
あっこれ、名前か!
トム…、マー…?…英語の人名なんて読み方解らんがな!てかなんだよこれは。目が視える訳じゃない。今だって視界は真っ暗闇の中なのに、なんで文字だけが
またまた唐突過ぎて何が起こっているのか解らず、不可思議なこの現象をどうしたものかと思っていると―――
うぉわ!?
グン、と全身を引っ張り上げられる感覚。
そう、自分がまるでクレーンゲームの景品になったかのような。
…もしかして感覚機能が治った感じですかねこれは。ワンチャンあるぞこれ!なんて呑気な思考に浸っていた数秒前の自分を叱咤したい。
引っ張られる力に抵抗もクソもなく、そのまま暗闇の中を浮上する感覚に身を委ねていると、霧が晴れるかの如く視界が開けた。
暗闇しか映さなかった瞳は、目の前のページを開いた状態で地面に置かれている本…のような物を視界に捉えていた。
いや、本じゃない?ページはどれも真っ白で、何一つ書かれてないから……新品のノートか何かか?なんて考えていると、
「これで…完成だ……!!」
男の声がした。若くて透き通るような、それでいてはっきりとした自我を感じられる力強い声が。
声の主を探そうと首を動かせば、すぐに視界に入ってきた。かなり近い場所、それも白紙の本の傍にその人物は座り込んでいた。恥ずかしながら、こんなにも近くに居たのに声がするまで全然気付かなかった。
…あれ、そういや感覚戻ってる?目が視えるし他人の声が聴こえる。ほんとに感覚治った!?マジかい…今のうちに確認しないと…ここどこだ?ていうか君はどちら様ですか?
男を見る。黒髪と赤い瞳をした、端正な顔立ちの青年。わーお、有名な俳優さんか何かで?…何か顔色悪いね、大丈夫かな?てか、何だろうそのローブは。ファッションセンターでも今時売ってない。俳優の衣装ってやつ?
このお兄さんが助けてくれたのかな?いや、何かおかしいぞ。苦しそうに胸を抑えて、肩で息をしている。どちらかというとこの人の方が助けがいるんじゃあ?てか、ボク、なんか無視されてない…?すぐそこでボクが無遠慮な視線を向けているのに、こちらを気にする素振りもないぞ。
…お兄さんも目が見えなくなった?でもさっき喋ってたし。何じゃこの病気、ウイルス感染かなんかなの?
とりあえず「大丈夫ですか」と声を掛けたつもりなのだが、反応がない。相変わらずこちらを見ることすらしない。ただ、その血のような瞳は目の前の本に注がれている。
こりゃあダメだ。お兄さんは声を出せるようだがどうもこちらを認識出来ないようだ。
意思の疎通を諦め、とりあえず周りを見渡す。…何か水っぽい。蛇口が見える。個室と便器がある。洋式だ。ここもしかしてトイレってやつですか?あらやだ、こんな所で自分はぶっ倒れるなんて痴態を晒し―――、ッッッ!??
トイレのような空間を見渡していると、床に倒れている人影のようなものが目に入った。
思わず固まる。倒れているのは少女だった。印象に残るのは厚ぼったい眼鏡。仰向けで倒れていて、眼鏡の奥の両眼はゾっとするほど不気味に見開かれている。
―――まるで、死んでいるような…
そこまで考えて、急に気分が悪くなってきた。ここがトイレだと解っているが、脱力に抗えず床に両手を付いてへたり込んでしまった。
少女は、ピクリとも動かない。時間を忘れてしまったかのようだ。呼吸で胸が上下することも、瞬きでその目が閉じられることはない。ただ見開かれているだけだ。
…自分達は、ここで死の病気にでも罹ってしまったのだろうか?
直接触れて確認した訳じゃない。でも、あの少女はもうきっと、動かない。見開かれた両目が自力で閉じられることは永遠にない。
さっき感じたあの激痛は、ひょっとしたら命に関わる病気の症状で、感染するもので、この場にいた3人がその病気を発症してしまった…?
特に少女の容態が酷くなってしまい、先に亡くなってしまったとか…?
そんな的外れな推測を連ねていたボクを、更なる衝撃が襲った。
『う、ぐっ!?』
咄嗟に口元を抑えた両手の隙間から呻き声が漏れる。痛みではない。しかしそれ以上に不気味な感覚が脳内に走る。
頭蓋骨をこじ開けて、剥き出しになった脳みそにべしゃっと、乱雑にペンで文字を書かれているような―――
『あ、あぁぁああああッ!』
また、あの時と同じように。
意識に―――脳内に―――魂に、黒い文字が染み込んでくる。
"I AM LORD VOLDEMORT"
痛みは一切感じない。それでも無理やり脳髄に突っ込んでくるようなその文字が、容赦なく精神を蹂躙してくる。
せめて亡くなってしまった少女の、閉じられることのない目を閉じてあげようと伸ばした手が空を切った。いや、正確には―――触れることが出来なかった。自分の手は少女の身体を突き抜けていたのだ。
有り得ない現象を前に、ようやく気付く。手だけじゃない……腕が、肩が、胴体が―――否。全身が幽霊の如く透けていた。何というか、薄い。薄々だ。
―――あぁ、そりゃこんな状態だったら、声を掛けても気付いてもらえないよな…。
驚く程あっさり自分の状況を受け入れながら、のそりと青年の方へ目を向ける。
青年はいつの間に取り出したのか、白い羽ペンを手に白紙の本へ何かを書き込んでいるようだった。
は、羽ペン?なんつう時代錯誤な…。
と、そこで青年の持つ本のページが目に入る。
新品同様の、恐らくは上質であろう白紙のページに大きく黒い文字で英語が書かれていた。
【I AM LORD VOLDEMORT】
アイアム、ロード、ヴォルデモート…。
先ほどと違って、英語の意味と読みが理解出来る。まるで体に馴染んでしまったかのように。さっきまで絶対に、解らなかったのに。
あの単語、あの英語……全部、今しがた頭の中に焼き付けられた文字と寸分違わず同じものだった。
『ヴォ、ルデ、モート……。ロードヴォルデモート……』
思わず声に出してしまったが、自分以外には届くことが無いようで青年は微動だにしない。
口に出して、ようやくそれが意味することを理解した。
有名な物語だ。女性作家の描く、魔法使いの少年少女達が織り成す青春と冒険と魔法のお話。それに登場する、ラスボス的存在の名前。
優れた才能と強力な魔法を操り。
殺人を犯すことで魂を複数に分けるという、非人道的行為を以て仮初の不死を手に入れた闇の魔法使い。
物語の主人公と深い因縁を持つ魔法界の脅威。
―――ヴォルデモート卿。
その本名は、トム・マールヴォロ・リドル。
さっきから脳裏に焼き付いてくる人名は、紛れもなくあの物語のキャラクターと全く同じものであった。
…目の前の青年が書き込んでいる本に、ヴォルデモートの名前。
それとリンクしているかのように、自分の頭に直接刻まれる同名の文字列。
あれは本ではない……日記帳だ。
あの少女は病死ではない……殺された。
この青年は……ヴォルデモートの過去。
学生時代のヴォルデモート卿。
トム・マールヴォロ・リドルその人だ。
そして、『ボク』は。
頭の中に流れ込んでくる、日記帳と同じ文字。
認識されない、透明人間のような体。
生きても死んでもいないような、全身を駆け巡る虚無感。
―――
どうやら『僕』は『ハリー・ポッター』の世界で、ヴォルデモートが制作した記念すべき最初の
……
…………
……………………
ふざけんなよおおおおおおおおおお!!!
認められるかああぁ―――こんな夢ェェェェエエ!!!
夢じゃないと気付くのは、もう少し後。
色々とやりたい放題のイカれた小説へようこそ。
「あれれ~?おかしいよ~『憑依』タグが付いてないぞ~?」
とお思いのお方。「先の展開」を考えると憑依に当てはまらなくなっちゃうのでタグ付けせずに進行させていただきますがご了承を。(なお、肝心の「先の展開」をお届け出来るのがいつになるかは考慮しないものとする)
『憑依』タグが付いてない事自体がかなりのネタバレな気もしますがとりあえずスルーしてもろて
原作キャラ以外の恋愛要素は無粋故に入れません。つまり主人公の恋愛描写なんて甘酸っぱい物がこの作品に誕生する事は絶対無いよ()
そもそも転生先がチェリーボーイみたいなもんだし……(なお、『呪いの子』で発覚したデルフィーニの存在は考慮しないものとする)
という訳で始まりました、エクストリームデスストーリー。
魔法界の未来と平和の為に、死ななければいけない存在になってしまった外野の少年がアップを始めたようです。
まだハリーは生まれてもないですが、予言は原作通り告げられるであろーう。
一人称が最後で変わったのはわざと。