腐り目提督鎮守府再建計画   作:!すでのな

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コメントや評価ありがとうございます。面白い作品にしていくよう努力して行きます。

今回は霞視点


さよなら司令官(クズ)。はじめまして司令官(腐り目)。前編

私はどちらかと言えば古参勢で駆逐艦の主力組でもあった。司令官は朗らかな人で軍人としたシャキっとした様子のないマイペースな人間で艦娘に優しく親しまれていた。私はその司令官が嫌いだった。艦娘を甘やかすだけ甘やかし人間関係だけを重視して運営して来た人間で、仕事はあまり早くは無い方で作戦もあまり練らない人だからだ。

こっちは命をかけて戦っていると言うのに作戦ミスがあったら笑いながら「ごめんね」と言うだけ。毎度毎度叱責していた。

 

「このクズ!人が必死で命をかけて戦っているってのに…もし誰かが沈んだらどうすんのよ!」

 

「ハハ悪い次気をつけるさ。さて仕事仕事〜」

 

拳に力が入る…私以外の艦娘は笑って過ごしている。…なんでこんなに気が抜けているのか理解できない。いつ敵が攻めてくるか分からない鎮守府で…更に鎮守府の後ろには何十万もの命がある。それを背負う覚悟が無いのか…それとも自分や仲間が無事だったらと言う結果だけを見ているだけなのか。ここに居ても気分が悪くなるだけなので直ぐに執務室を出る。少し後に朝潮が建造された。もちろん嬉しかった。だけどそのあとに「それであの件は無しにならないか?」と言う。私は頭に血が上る感覚がはっきりとわかった。

 

「…あんたそれで司令官なの?失敗を反省しない、次に生かそうとしない…私達の命を背負ってるって自覚しなさい!」

「…そんな怒んないで、可愛い顔が台無しだよ?」

「あんたそのうち艦娘沈めるわよ」

「大丈夫、大丈夫。あっ悪い金剛待たせてるんだった…じゃあ案内頼む」

 

…あのクズはただ艦娘と慣れ親しみたいだけ?はぁ、どんなに言ってもそれじゃ治らないわけね。どうしたらしっかりした司令官になるのかしら?

 

何度言っても無駄だった。それどころか周りまで私に対して「まぁまぁ」と言ってくる。MVPの艦娘は甘え始め、司令官もそれを許可する。他の艦娘も我こそがとMVPを取ろうと必死になった艦もいた。

 

「ッチ…被弾しやがって」

 

と仲間の被弾にカバーよりも舌打ちをして蔑むように見たり、無視して交戦したりする艦がいた。

 

「撤退なんてもったいないっぽい!」

 

「私一人でやる」

 

「はぁ味方運が無いなぁ」

 

など…クズの撤退命令を聞かなくなる艦や味方に責任を押し付ける艦が出てき始める。それでも甘やかし…笑顔で迎えるクズ。

 

「何よ!司令官と今日いた時間が長いからって!」

「それは関係ないでしょ!」

 

「提督と遊ぶ約束してたんだけど」

「貴方はどうせかけっことかいうつまらない遊びでしょ?こっちは重要な話なの」

 

「提督がティータイム来てくれないネー」

「提督はみんなの提督ですから」

「榛名が羨ましいデース…今日提督とランチタイムを過ごしたんでショ?」

「世間話を少し…」

「…」

 

「霞ちゃん…そう言えばいい子ぶってるよね」

「提督にクズって言ってる時点でどこがよ?」

「ほら、鎮守府のため〜だとか」

「あぁ〜健気さをアピールしたいんでしょ」

 

艦娘同士の関係もおかしくなった。陰口も増えてきた。何も出来ない自分が悔しくて下を向き涙を貯めてしまう。…なんでクズはこうなっても何もしないの!だったら私からやるしか…

 

「やめといた方がいいわ」

 

後ろを振り向けば曙が居た。壁で寄りかかってみんなの様子を伺っていたようで、私が動こうとしたのもわかったのか止めてくる。

 

「この鎮守府の運営は失敗よ。あんな奴ら沈んで最初からやり直した方が早い」

「嫌よ…私はそうならない為にクズに散々言ってきた。私の努力は無駄にはしたくない」

「あんただけじゃあ力不足よ。もちろん私にも不可能」

「じゃあどうすれば」

「クソ提督にこの現状を見せるのよ。あいつらは提督の前ではいい子ぶって影ではコソコソとしてるとか本当卑怯よね」

「上が変わってくれなければ意味が無いのよ」

 

別の日艦娘同士の喧嘩が始まった。クズを呼び仲裁に入って貰うように頼み喧嘩の場所へと連れて行く。だが周りは提督に喧嘩の光景を見せたくないのか妨害する。それでもクズは喧嘩を終わらせたいが故に喧嘩のしている方へと向かう。

 

「調子に乗ってるんじゃないっぽい!」

「調子に乗ってるのは君のほうさ!」

 

あんだけ仲の良かった夕立と時雨の喧嘩を見てクズはショックの表情を隠せなかったがそれでも仲裁に入る。

 

「まぁ、落ち着いて「落ち着いて居られないっぽい」「元はと言えば夕立が!」」

 

その喧嘩の一件から自分には艦娘を纏める自信が無くなり、更に追い討ちをかけるように艦娘の現状を伝えた。するとしばらくし、自分の目で確かめていたら、もうクズは「こんなはずじゃない」と絶望する。数日後、昇格と言う形で大本営にクズが異動して行った。

そのあとは誰のせいでクズが〜とかいう責任転嫁祭り。いや責任はあのクズにあるはずなのに彼女らはそれを考えていない。

 

「霞が喧嘩してる所に呼ばなければ…」

「いや喧嘩した方が悪いでしょ」

 

クズは自分のやり方を変える勇気は無かった。だからこの鎮守府はおかしくなったのだと思う。そして何日も私も含め陰口を言われる。朝潮はそれに堂々と正面から論破した。曙は無視を決め込んだ。私は何とかしないとと言う焦りが積もって行った。

 

「霞…今日新しい提督がくるらしいわ。貴方が案内しなさい。そして提督にこの鎮守府を運営出来る程度にして欲しいって頼むのよ」

「今日が司令官の着任か…わかったわ報告ありがとう。あとなんでそんな情報を?」

「漣よ…あいつ意外と情報通でね。」

「なるほど…じゃあ行ってくるわ」

「えぇ…」

 

「あららボノたんせっかく新ご主人様とのご対面のチャンス逃しちゃって〜」

「うっさい…引きこもりの姉に変わるなんて不名誉よ」

「オヨヨ…妹が反抗期で私は悲しいよ」

「まぁいいや、私は撮り溜めたアニメ見てくるね」

「漣も一緒に行くのよ」

「あーれー」

 

私は鎮守府の入口である門の前に待つ。すると30分ほど後に2人の軍服を着た人が真ん中の人間を引っ張っている。その後ろに一人の計4人。今みた光景が異様過ぎて敬礼を忘れてしまったが無理やり落ち着きを取り戻し敬礼をする。

 

「駆逐艦霞です」

「あぁ…さっそくだがこの新しい提督に案内を頼む。あと逃げないように見張ってくれ」

「はい」

 

え?この司令官始まってすら無いのに逃げようとしたの?さては大本営無理やり連れて来たわね…ごめんなさい、新しい司令官貴方が逃げきれなかったこと後悔するわ。

あの軍服の人達は帰って行き新しい司令官と初めて目が合う。整った顔を無駄にする死んだ魚の目のような目をしておりお世辞にもイケメンとは言えない暗そうな人間だった。その新しい司令官が私を見ると驚いたようなリアクションをし何かを考えるような素振りを見せた。が直ぐに「…比企谷です」と自己紹介。あら、自分から名乗ることは出来るのね…

 

「私は駆逐艦霞よ」

「さっそく案内して頂けますか?」

「えぇ、あと貴方は上官だからタメ口で接しないと他から舐められるわよ」

「…了解」

 

しばらく鎮守府の施設案内をする。中には興味深そうに司令官を見ている艦娘もいる。

 

「…雰囲気最悪だな」

 

ボソッっと一言私でもギリギリ聞き取れたような声で言い放った彼の言葉。一瞬でこの鎮守府の雰囲気が悪いと分かるのはそう居ない。思わず彼の真意を探ろうと彼の目を見てしまう。

 

「…俺の目が腐ってるって?これは生まれつきだから。あ、あれか?こんなので提督務まるのか?って思っただろ?安心しろ俺は素人だ」

「そういうつもりじゃ…って安心する要素がどこにあるのよ!」

「それより次はどこに行くんだ?」

 

話をそらされたがまぁそんなことどうでもいい。それよりもこいつの言ったことがどう言う意味なのか…艦娘同士の関係が最悪だと言ったのならそれは期待できる。だけど焦っちゃダメ…もう少し色々な所へ案内してから感想を聞こう。

 

「…最後にここが執務室でその隣は貴方の部屋よ。どうだった?この鎮守府は?」

「…」

「言いたく無ければ別に良いわ」

「いや、はっきりさせた方が良いだろ?」

「え、えぇ…」

「正直ここの艦娘には出撃させたくないな」

「なんで?」

「艦娘が故意で味方を攻撃するかもってくらい隠しきれない嫌悪感が出てた…何したらそうなるのか疑問なんだが?」

 

いや、そこまでには至ってない。だけどそのうちそうなるはず…だからそうならないために…今のうちに全てを明かそう。

 

「…この鎮守府を元に戻してなんて言わない。だけど…この鎮守府の雰囲気を変えて欲しいの」

「直ぐには無理だしもしかしたら一生不可能かも知れないから断る。俺の命令を聞いて貰えるのかわからんと言うのに…」

「そうよね…ごめんなさい」

「だが策はある」

「本当に!?」

「あぁ…その代わり俺のサポートやってくれ。仕事何すればいいのか分からないし、他の奴らに声かける勇気無いし」

「良いわよ。ただしビシバシ司令官の業務をこなしてもらうからね」

「まぁ約束はして無いから失敗しても恨むなよ」

「…クズだ」

 

「それで策って?」

「あぁこの鎮守府に明確な敵を解らせる。敵は深海棲艦だという認識を再確認させる着任式でそれについて言おう…」

 

そして着任式の時

 

ーーえぇ…この前任に引き継がれた比企谷八幡です。前任曰く「深海棲艦の攻撃が激しくなったのでなるべく安全な陸に行く」と言っていました。前任が帰ってきて欲しいならそこら辺の深海棲艦を狩るべきだと思いませんか?だったら協力してください。以上です。

 

「ふぅ…」

「ふぅ…じゃないわよこのクズ!あんなの嘘だってバレたら余計に言うこと聞いてくれなくなるわよ」

「…しっかり考えてる。これでしばらくは様子見だ」

 

とても不安でどうしようもない。本当にこいつ艦娘の仲を変えてくれるのかしら?これじゃ問題の先延ばしよ…

 

「撤退だ」

『なんでよ!相手は引き気味なのよ!』

「…それ相手の思う壷だぞ」

『罠ってこと?上等よ!一網打尽にするチャンスよ』

「霞…」

「…行かせちゃダメ」

「でも撤退だ」

『…わかったわ』

 

次の日

『提督…こっちはまだ戦える』

「あーダメダメそれ以上行くほど作戦考えてない。今回はここの偵察だけ」

『嘘言うな。とりあえず進むぜ』

「撤退だって」

『まぁまぁいい結果を期待しろってせっかく味方に大破が居ないんだからな!行くしかないだろ』

結果:大破3中破1

「面目ない…いやでも戦術的勝利だぜ?」

「そう言う訳じゃないんだが…」

 

更に次の日

『提督さんチャンスよ』

『えぇ…でもこちらには大破が一人よ』

「え?そんな重要な局面じゃ無いから撤退で」

『は?いやいや私だけでもやりに行くわ』

『はぁ…援護に行きます』

「え?ちょ…この先結構強い相手居るのに…」

「霞さん」

「何よ」

「…深海棲艦ネガキャン作戦失敗です。プランBに移行します」

「このアホ!てかそのプランBって何よ!」

「あ?プランBはプランBだろ?」

「プランBの中身が気になるのよ!」

 

本当にこの司令官大丈夫なの?と思いながら顔を見ると一瞬だけ真剣そうな顔をしていた。だけど私はその顔はどんなことを考えているのか分からなかった。

 

結果:戦術的敗北

 

「…」

「…流石にあんたが悪くないから責めないわ…逆にこっちが謝りたいくらいよ」

「いや、一応作戦の責任者な訳だし…この結果を重く受け止めなければならない立場だから責められても文句は言えない」

 

本当に申し訳ない。ここの艦娘戦果ばっかりでリスクを考えない子ばっかりなの。それよりこの司令官結構マトモなのはビックリ。前のクズだったら「ハハ仕方ない奴らだなぁ」って笑って許してたと言うし自分に責任があるなんて言わなかった…ただそれだけで好感持っちゃうってどんだけ前がダメだったのかよくわかるわ。

 

「はぁ瑞鶴…貴女が勝手に行動するから被害が大きくなったのよ」

「加賀さんだってやる気満々だったじゃない!」

「…言いがかりは「もういい」」

「んで誰が解体されたいって?え?」

 

空気が凍る。あいつの雰囲気もガラッと変わる。DHA豊富そうな目は変わらないものの口調や座ってる姿勢が変わる。

 

「命令を守れない艦娘かそいつを止めずに一緒に戦った艦娘か…止めなかっただけ戦犯だ…お前らだけの問題だったら俺はそこまで何も言わん。ただこの鎮守府の後ろに何人、人がいると思ってる?お前らの轟沈が下手したら敵が攻めてきた時に防げたものが防げなくなるんだぞ?」

「はい…」

「はいじゃない。謝罪も要らん。解体されたくなければさっさと出てけ。入渠は勝手にしろ…次同じようなことしたら解体より酷い目に遭うと考えとけ」

 

彼がそう言った後に艦娘達がビビりながら執務室を出ていく。なんだ…こいついい事言うじゃない。

 

「まぁここ横須賀より後方だから滅多なことが無い限り平和なんだけどな。しっかり地図見ような…ついでに言うけど総武高校はチーバくんの口ら辺って豆知識もあるよ…ここ海浜だけどね!」

 

いやただ性格の悪い…というより腐ったクズだった。あとこいつ千葉好きなのもよーくわかった…だってそのあと千葉トークを数十分も私に語って来たんだもの。…疲れる

 

新しい司令官はそれから問題が起こる度にアイツらに対して当たりが強くなる。思わず私の方が「言い過ぎよ」と止めることもあった。司令官に怒られた艦娘はガン泣きする奴や部屋に閉じこもるのも出てきた。それを慰める艦娘達…

 

…はぁ。いきなりどうしちゃったのよ。そんなので艦娘達との仲に溝が…艦娘の仲?慰める艦娘達…

 

「そういう事かぁ!!」

「え?何?いきなり叫ばないでよ」

「…ごめんなさい」

「それより霞。そういう事って何?」

「満潮…貴方は口が軽そうだから言えないわ」

「何それすごい失礼…」

「朝潮くらい口が堅くないと話せないわ」

「じゃあ良いわ…全くあの司令官酷いわね…いくら正論だからって言いたい放題。おかげで今の鎮守府は泣き声や啜り泣きの音が絶え間なく聞こえてくるくらい。霞秘書艦でしょ?怒られる艦娘が可哀想だから少し優しく言うように注意して欲しいんだけど」

「一応言っておくわ」

 

私は走って執務室に向かう。私も何度も前のクズに暴言や注意をしてきた。嫌われようが好かれようが関係無くただ鎮守府の為だけを考えて行動していた。だけど私の答えが合っていたのならアイツは…

 

「はぁ…お前は最前線に行ったはずだぞ。それなのにお前は「大丈夫よ!」って言って気を抜いてたな。馬鹿か?お前は敵が攻撃を仕掛けるタイミングが分かってて言ってるのか?そうかお前は頭空っぽにして敵陣のど真ん中に到着したと同時に全滅したかったのか」

「ち、ちが」

「何が違うんだ?言ってみろ。聞いてやる」

「…グスッ…ごめん…なさい」

「俺は謝って欲しい訳じゃないんだよ。理由を聞いているんだ。分かるか?なんでそんな楽観的な考えで進んだのか理由があるんだろ?」

部屋の中に入ると空気が重く感じる。ここだけ重力2倍だとか言われても疑わないほど…

「ま、まぁまぁ司令官…悪気があった訳じゃ無いから」

「…悪気が無いとかの問題じゃ無い。悪気が無くてお前から大事な物を奪う…それで許せるのか?」

「はいストップ!はぁ…これ以上言ったら逆効果よ…だから司令官は説教終わりにしなさい」

「…頭を冷やせ。もう1度自分の行動を反省してこいそれまで出撃はさせない。出てけ」

 

司令官の言葉に涙目の子や号泣して居る子が慰められながら出ていく。私が提督になったらあれぐらい言うのかな。

 

「司令官話があるわ」

さて答え合わせの時間よ。

「明日じゃあ駄目か?」

 

「ダメ」とだけ言うと司令官は「…しょうがないなぁ霞くんは…」とダミ声で言って来てイラッと来たが我慢。私が突っ込まないから真面目な話だと察してソファーに座るように指示をして来る。しばらくするとお茶を用意した彼の姿があり私にもお茶を渡してくれた。

 

「ありがと」

「おう、んで話って?」

「艦娘に厳しく接してる理由分かったかも」

「聞くだけ聞く」




この作品はブラック鎮守府を推奨しているものではありません。
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