「まだ次の作戦に移せないのか?」
上司からの質問…文句があるなら首にしろよ。そっちの方がお互いの為なんだからと言いたいのが山々だがチキンなせいで…「あっはい、すいません」ぐらいしか言えない。
「その為に着々と情報収集を「お前の情報収集はいつまでやっているんだ?」今最終確認と言うくらいには進んでいます」
「…お前の作戦は決行までが遅い。どうにかなるだろ」
「被害を最小限に抑える為にはこれくらいが妥当かと…」
「我々の被害は二の次だ!今どれくらいの深海棲艦が人を殺していると思う!艦娘はまた建造して育てれば戦力になるが、人は育てて何十年後にやっと才能が開花する生き物なんだぞ?その何十年後の命ために俺たちは戦うんだ」
「はぁ…ですが次の作戦には優秀な艦娘を残しておいて今後にその経験を生かしてもらい活躍して貰わないと総力戦に困ります」
「…まぁお前も考えがあるだろうから強くは言わん。元高校生だとしても人助けの仕事をしている自覚をもて。今は軍人なのだぞ」
「重々承知しております」
クソが!なーにが人助けだよ。こっちは早く仕事を辞めたいから歴戦の艦娘を残しておいて楽に攻略したいだけなのに。なんでそんな指図を受けなければならんのだ。大体な「司令官」俺が元高校生って俺やめてねぇ「司令官」それに新米にしては実績はある「聞いてるの!このクズ!」
「あ?」
「司令官、艦隊が帰ってきたわ」
「…ここに連れてこい」
何だかな…艦娘を大事にする気は無いが優秀な人材が消えるのだけは避けたい。この鎮守府の救いなのが練度が高い艦娘が多い。前任者の為に褒められたいが故にガンガン出撃して行ったと言う結果だろう。もし練度が低ければ多少は沈んでもいい気がしていたがここまで高いと沈めるのは勿体ない。だから慎重に作戦を考える。まぁ艦娘と言われても一つの命な訳で感情を捨て切れないって言うのもあるが…。
「やっほー提督。「で?どうだった?」あーうんバッチリだったよ。私達の編成でもしっかりあの海域のリーダー格の深海棲艦を確認するまでは行けた。ただそのリーダー多分港湾棲姫だよ」
「あと潜水艦が潜んでいる艦隊もあるから注意は必要だね。空母を入れると全く接敵しなかったけどね」
「道中の敵の強さと、大体の編成それにリーダー格の港湾棲姫の強さはどれくらいだ?予想くらいで大丈夫だが実際に戦った相手の感覚はしっかり答えてくれ」
「そうだね…私の装甲じゃ薄すぎかなー。でも相手は陸上系の深海棲艦だから三式弾を使う編成には弱いはず。道中はあまり気にしなくて大丈夫かな」
「まぁ…作戦報告書の提出は3日以内だ出ていってもいいぞ」
「ほいほーいじゃあね提督」
「ふぅ…」
「お疲れ様。でもこれからだからまだ気を緩めないで」
そうだな。と反応し作戦を行うのに必要な編成を考える事にした。とりあえず潜水艦処理はめんどくさいので空母を入れよう。あとは三式弾積める奴と護衛用に駆逐艦を2隻…それくらいかな…
「霞…このリストに書いてある艦娘を呼んできてくれ」
「分かったわ…その間どっか行かないでよ」
「分かってる」
そういうと。本当に?って疑いの目を向けてくるがさっさと行けという意味合いを込めて手でシッシと追いやる動きをする。霞が艦娘を招集している間俺は書類作業に勤しむ事にする。…いくら俺が嫌われているからと言って流石に職務怠慢は起こさないだろう…起こされたら上司(仮)に頭を下げなければな…
しばらくしたあと「連れてきたわ」と霞が言い。その言葉の後に執務室の奥俺の近くへと寄ってくる。更に後ろからゾロゾロと6人ピッタリ入ってきて横に俺が直ぐに顔が見えるように並ぶ。
「今日来てもらったのは次の作戦の内容と日程を知らせる為だ」
そういうと彼女らは顔を強ばらせ緊張感が伝わる。そりゃそうだ…いつもいつもこの戦いでお前らは沈む可能性があると教えてきたからそりゃ緊張するだろ。
「作戦はこの海域内にいるボスである港湾棲姫の撃破。その後残党狩りで別部隊に出動させる」
「その為にまずは装備させる艤装だな基本的に三式弾はお前らに積んでもらう。駆逐艦と空母は別だがこのホワイトボードに一通り書かれている。質問は?」
「…よし無いな作戦決行は2日後の0600だ寝坊をしないようにしっかり寝るんだぞ。解散」
そう俺が言うと彼女らは敬礼をし、部屋を出ていく。その姿を見て霞は「やっぱり軍人としてこれくらいしっかりしないとね」と満足そうに口にしていた。ふむ…艦娘は軍に所属しているから一応軍人として扱われるのか勉強になるな…辞めたらどうでもいい知識だけど。
「そういえば、あの編成は結構平凡だと思うけど何か特別な事は考えているの?」
「いーや、今回ばかりは無理。潜水艦が邪魔すぎる。だから変に凝った作戦は出来ない」
「あー…」
「さて…書類を片付け無ければな」
「…前の司令官より書類の量があるわね」
「日に日に増えてきてるからな…」
お互いの顔に疲れの色が見えてくる。そこに丁度ドアを何者かが開けた。朝潮だ。彼女には鎮守府の見回りをお願いしていて、その間に昼でも食ってこいと言ったのだ。だってこいついつまでも待ってますって言うから少し気休め程度に追い出した。
「ただいま巡回終わりました。異常は無かったです」
「分かった。後は自由にしてろ」
「わかりました。では司令官その書類手伝います」
「…仕事を好き好んでやる奴初めて見た」
「大丈夫。それは私もよ」
「ただお邪魔しているのは少し気が引けるのでやっぱり手伝おうって思っただけです」
ムスッとしながら朝潮は言う。何だろう…中学校の委員長系の人間の気を損ねた気分がする。やめろよその顔軽くトラウマ思い出しそうになる。
「まぁやるなら馬車馬の様に働いて貰うが…」
「ドンと来いです!」
俺は艦娘とじゃれ合う気は無いが、コミュニケーションを取らないと言う訳では無い。それは俺の学校生活も同じで第一に周りに迷惑をかけないことが前提条件としてある中で、事務連絡が必要ならしっかり伝える事が出来なければボッチでは無くクズに等しいと言っても良いだろう。そうやって学校やここは成り立っているのは分かっている。
だからこうして艦娘と嫌でも関わるのだ。だからハーレムだの女だらけの生活羨ましいだの言う人間がいればその認識を正したい。確かに誤解という解は出ている。だがそれで期待した挙句現実を見せれば酷なものだ。これは一種の残酷劇にすぎないかもしれない。その残酷劇を演じるのは俺だけで十分だ。だからもしそういう人がいるのならその誤解を正そう。変に好感を持たれた鎮守府がどうなったのか、それをどうやって立て直すのかノートに書き記しておこう。高校生の無い頭を絞りに絞って考えたアイデアを…。
「司令官この書類の束は大淀さんに持っていく奴ですか?」
「あぁ頼んだ」
「ねぇこの書類相当先の奴だけど片付けるの?」
「まぁ…先の仕事をやれば後々楽になるからな。よろしく」
何だろう…文化祭の時から思っていたんだが俺って実は社畜の素質あるんじゃね?だってこんなに嫌われながら、嫌いな仕事を嫌々やってさらに24時間外出禁止なんだもの…労働基準どうなってんの?
感想や評価お待ちしております…モチベの状況によっては更新頻度早めますので…。
あと短くて話の内容薄いはすいません。なるべく濃いの考えてきます。