緋弾のアリア 黒の武偵   作:エイト☆5

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初めましてエイト☆5です!
初投稿なんで優しく見守ってもらえると嬉しいです!


武偵殺し&AA 編
第0弾 プロローグ


『空から女の子が降って来ると思うか?』

 

 それが俺が寮の同室の親友に聞かれた事だ。

 それに対し俺は・・・。

 

『そんな事あったらそいつはファンタジー的な冒険をするべきだろ』

 

 こう答えた。

 そして親友がこの質問をする朝、事件が起きた。

 

 

 


 

 

 ~数時間前~

 

 ピピピピピピッ! 

 という携帯のアラームに起される。

 

「朝か・・・、朝飯作らねーと・・・」

 

 俺は寝ていたソファーから立ち上がりキッチンに向う。

 その時始めて気付いた。

 

「寝オチしてたのか・・・」

 

 そんな事を思い出しながら冷蔵庫を覗く。

 キュウリ、にんじん、卵、残り一料理分ほどのマヨネーズ、食器棚の下のスペースにマカロニと食パンがあるのを思い出す。

 

「マカロニの卵サラダかな・・・」

 

 取り合えずキュウリを輪切りに、にんじんを千切りにしてボウルに移し軽く塩を振る、そしてマカロニを圧力鍋で、卵は割らずに鍋でそれぞれ茹で、10分にタイマーをセットしてその場を離れる。

 

 洗面所に向い、鏡を見る。

 身長158cmの体に、肩甲骨辺りまで伸びた艶の在るポニーテールに結ばれた黒髪、整った中性的な顔。

 知らない者が見たら可愛い女子と言うのだろう、何時もどおりの俺が・・・

 吉野遙が映っていた。

 眼が一重でキリッとしてるのが、唯一男らしいと言えばそう見えなくも無い。

 そんなコンプッレクスの顔をジト目で見ながら、歯ブラシを取り出し歯磨き粉(ミント風味)を乗せ歯を磨き、終えてから口を濯ぐと、次は顔を洗い、そしてその場で半袖のシャツを脱ぎそれで顔を拭き洗濯機に入れる

 

 自室に戻り防弾制服に着替える。

 そしてダブルショルダーホルスターを装着し、右側にS&W M19 6インチ、左側にはオーダーメイドのハンドガンタイプのフックショットをホルスターにしまう。

 大型マチェットナイフを柄が右下に来るようにホルスターと背中で挟み、サバイバルナイフはズボンのベルトに挟む。

 そしてカランビットナイフを右足のふくらはぎに専用のベルトで装着しズボンの裾を下ろし隠す。

 

「これでよし・・・」

 

 そもそも、なぜこんな武装をするのか? 

 それは俺が『東京武偵高校』の生徒だからだ。

 武偵とは『武装探偵』略称であり、凶悪化する犯罪に対抗するべく導入された武装を国際的に許可された何でも屋のような物である。

 武偵高校とは要するに一般の高等学校教育に加え、捜査・鑑識・武装犯罪者との戦闘などに係わる専門科目を履修できる教育の場である。

 ちなみに俺は、今日から2年で強襲科(アサルト)に所属している。

 

 その時タイマーが鳴り、俺はキッチンに戻る。

 マカロニをお湯ごとザルに流し、卵を茹でたお湯を捨てマカロニを水で冷やし、ゆで卵をの殻を剥き、そして大きめの皿の上でゆで卵をフォークで潰し、マカロニとキュウリとにんじんとマヨネーズを加え混ぜれば出来上がり。

 お好みで塩、胡椒を加えるのもお勧めだ。

 盛り付けた皿をリビングのテーブルに運び、食パンをトースターに掛ける。

 その時インターホンが鳴った。

 

「はいはーい、今出ますよー」

 

 そのまま玄関に向い扉を開けると、そこには大和撫子がいた。

 

「吉野君おはよう」

「おはよう星伽」

 

 星伽(ほとぎ)白雪(しらゆき)

 それがこの大和撫子の名前だ。

 つやつや黒髪前髪ぱっつんロング(白リボン付き)のザ・大和撫子。

 代々続く星伽神社の巫女で我が校の生徒会長で、幾つか部活も兼任で部長しているらしい非の打ち所の無い人物である。

 ある一部を覗いて···。

 

「悪いな、キンジの奴まだ寝てるから入って待っててくれ」

「待って吉野君! 今日ご飯作ってきたんだけど良かったら吉野君もどうかな?」

「良いのか? 朝飯くらい自分の分在るけど・・・」

「たくさん作ってきたから大丈夫だよ、それにみんなで食べた方が楽しいし!」

「それもそうか、俺も少し多めに作ったし分ければ良いか、取り合えずキンジ起して来るから待っててくれ」

 

 そう言うと俺は唯一のルームメイトの部屋に向かう。

 二段ベットの下の段にバカみたいに寝続けているのが俺の親友の遠山(とおやま)キンジ。

 遠山金四郎景元の末裔で武偵一家の次男。

 根暗、女嫌いと呼ばれている。

 

 取り合えず起すために普段からポケットに入れている俺の音楽プレイヤーのイヤホンをキンジの耳に装着し最大ボリュームで流す。

 ちなみにジャンルは俺の趣味の80年代ロックである。

 

「ドワッ!!」

 

 跳ね起きたキンジは引き千切る勢いで耳からイヤホンを毟り取る。

 

「なんだいったい!!」

「おはようさん、星伽も来てるからとっと来い」

「遙!! 何でこんな起し方なんだよ! もっと普通に起せよ!!」

「ならもっと早く起きろ! 俺は意外性を求める男なんだよ!」

 

 俺はそう言い残しリビングに戻る。

 リビングのテーブルにはそれはも豪華絢爛と言って良い程の料理の数々が重箱に収められてる。

 

 なんだこれ、実家の正月でも見た事ないぞ。

 

 そんな事を考えていたらキンジが欠伸をリビングに入ってきた。

 

「おはよう、白雪」

「おはよう、キンちゃん!」

「その呼び方、やめろって言ったろ」

「あっ・・・、ごっ、ごめんね。でも私・・・キンちゃんのこと考えてたから、キンちゃんを見たらつい、あっ、私またキンちゃんって・・・、ごっ、ごめんね、ごめんねキンちゃん、あっ」

 

 これが星伽白雪の唯一の欠点。

 遠山キンジの事になると暴走しがちに成る事である。

 それはもうキンジの事に成ると7、8割は正気じゃない。

 俺は一体何を見させられているんだ? 

 

「夫婦漫才も良いけど早く食わねーと遅れるぞ、いただきます」

「めっ、夫婦・・・!」

「そんなんじゃーよ!!」

 

 俺は星伽のトリップと、キンジのツッコミをBGMに飯を食べ始めた。

 

 


 

 

「ごちそう様でした」

 

 パンとマカロニの卵サラダのコンボは美味しゅう御座いました。

 珈琲の香りと暖かさに、パン達は負けじと味を高めていき最高の一時でした。

 

「さてと・・・」

 

 使った食器をキッチンのシンクに持って行き水に着けて置く。

 これで帰ってきてから洗うのも楽にできる。

 

「じゃ、先に行くからキンジの事よろしくな星伽」

「うん、行ってらっしゃい吉野君」

「おう、行ってきます」

 

 寮を出ると日差しが肌を焼いてくる。

 春の日差しに肌がヒリヒリするが心地良いのは何故だろう? 

 寮の前にあるバス停をスルーして学校に向う、小さな島だから、徒歩移動でも十分可能だろう。

 

『学園島』、それがこの島の名前だ。

 東京湾に浮かぶ南北2km、東西500mの細長い島だ。

 島内には校舎や寮のほかに、コンビニやファミレスなどがある。

 交通網はモノレールがあり、生徒達はしばしば近くにある台場に遊びに行く者がいるらしい。

 駅のそばにはゲームショップや、DVDレンタル店などが集まり、ちょっとした商店街を形成している。

 とにかく平和な島だ。

 

「なっ、何なんですか一体! キャ・・・!」

「いいから乗れ!! おい早く出せ!!」

 

 嫌がる女の子を乗せ、走り出す白のワンボックスカー。

 うん、平和だ。

 

「じゃねーだろオイ!!」

 

 呆気に取られていたところにツッコミを入れて追い掛ける。

 

 追い付けないよな徒歩じゃ・・・。

 

 俺は左胸のホルスターからフックショットを取り出し、袖口のベルトとフックショットを繋ぐ。

 ベルトはホルスターと繋がっており、肩だけではなく背中で固定されるので体に来る衝撃を分散出来るようになっている。

 銃口の先にフックが付いており、フレームに巻き取り用のモーターが付いている。

 ワイヤーにはカーボンワイヤーを採用しており、長さ150mほどまである(その長さまで射出できる訳ではないが)うえ、50kgを上方5mに0.5秒で引っ張り挙げる変態馬力のモーター。

 グリップセーフティ部分はフックの返しの出し入れ、セーフティレバー部分はワイヤーの出し入れに対応している。

 ついでにマガジン部分に付いてるタッセルを引けばフックの取り外しができる、製作者曰く、チートアイテムである。

 

 女の子を乗せたワンボックスカーが左折し住宅街に入って行く。

 

「好都合・・・!」

 

 俺は左側の民家の屋根に向かってフックを撃つ。そして、フックを引っ掛けたらもう一度トリガーを引く。

 勿論俺の体は屋根の方に引っ張られるがそれだけでは終らない。屋根に付く寸前にフックショットを引き、そのまま屋根に着地するのではなく跳躍した。

 

 このフックショットはただ使っているだけでも充分強力な物だが、真価を発揮するのはそこから先だ。タイミングを読み、角度を計算し、力を加え、考え方を柔軟にすれば、高機動力に跳躍力、対象の拘束、その他ありとあらゆる使い方ができる優れものだ。

 ちなみに、学校にいる間に使った事は無いので、フックショットの存在を知ってる奴はいない。

 

 俺は一軒先の家の屋根に着地すると、そのまま一回受身を取り走るのを再開する。

 

「このまま50mほど進んだ所に交差点があった筈だな・・・」

 

 フックショットは基本的に障害物や建物のあるところで生かされる物だ、広い場所に出れば効果は落ちる。

 交差点から先は基本ビル街になっているので地形的に使いにくくなる。

 

「上等・・・!!」

 

 フックを3軒ほど先の家に飛ばし引っ掛ける。

 それを最大出力で巻き取り移動する。

 いや、これは移動というより――。

 

「イッケェェェェーーー!!」

 

『飛翔』

 そう言った方が的確かもしれない

 俺の体は家3軒分のスペースを加速しながら突っ切る。

 腕の引きも加えた加速と跳躍で前の家2軒を、人類史上初であろう生身での20mクラスの距離を飛び越えた。

 交差点の右側上空に出ると、蹴りの要領で体の向きを反転させ近くの電柱にフックを放ち、振り子の要領でその場に着地しその場に左手の鞄を投げ捨て交差点中央まで移動しワンボックスカーの正面に立つ。そして上着の右側を捲ると、内側の収納ポケットに入れていたオーダーメイドの手裏剣を左手で取り出す。

 

 両端が尖った様な形の独鈷型手裏剣と、割とポピュラーな十字型の平型手裏剣を組み合わせた物が俺の手裏剣だ、形は長い楕円形で両端が尖っており、縁全体が研がれている。

 ちなみに上着の収納ポケットには、左右で6本程はあるその手裏剣を左手の親指と人差し指の第二間接辺りで挟むと、そのまま振り下ろすかの様に前に投げる。

 手裏剣はこちらに向かって走ってくるワンボックスカーのフロントガラスにぶつかり、そのまま弾き飛ばされて行った。

 

 フロントガラスは割れず罅が入っただけだ。けど、それで充分だ。

 手裏剣を投げたと同時にワンボックスカーに向かって走り出した俺は、その罅の入ったフロントガラスに向って飛び―—。

 

「ラッアアァァァッーー!!」

 

 それはもう自分でも見事と思うような気持の良い右足の飛び蹴りをガラスの罅に叩き込んだ。

 そして当然俺の体はワンボックスカーの中に吸い込まれ・・・

 

「「グハッ!」」

 

 俺の両腕が運手席と助手席にいた奴の喉にラリアット気味に決まった・・・

 ついでに左足をサイドブレーキに引っ掛けこの車を止める。

 この時に当然衝撃がくるので、後部座席の助手席側の犯人は当然助手席にぶつかり、

 誘拐された女の子は俺がぶつからない様に左手で受け止め、俺の方へ引き寄せる。

 

「きゃあっ!」

 

 後部座席の男は体勢を立て直し銃を構えようとするが――

 

「このッ・・・」

 

 遅い。

 

「武偵だ。観念して御縄に付きな」

 

 男の額にフックショットを右手で向けて短く言い放つ。

 男は諦めたかのように項垂れた。

 

 

 


 

 

 取り合えずあれから誘拐犯全員をフックショットのワイヤーで拘束し、警察に連絡を入れる。

 

「これでよし・・・君は大丈夫? 怪我とか無い?」

「はっ、はいっ! ありがとうございます!」

 

 誘拐された女の子は、見た目が肩くらいまで伸びる黒髪が特徴的で、パッと見2、3歳位下だろう。

 しっかり者の様な印象で、一般中学のブレザー制服を着ている。

 個人的にトラウマやPTSDになって無ければ良いなと思わせる。

 

「とりあえず警察呼んだけど多分調書とか作らないといけないから、ちょっと時間掛かると思うけど大丈夫かな? もしアレなら俺の方から君の学校に電話掛けて事情説明するけど・・・」

「あっ、お願いしちゃっても良いですか?」

「了解、番号教えてもらっても良いかな?」

 

 俺は教えられた番号に電話を掛け出た教師に事情を説明する。

 そこで俺は気付いた。

 

 俺この娘の名前しらねーな・・・

 

「ちょっと待ってください、君の名前は?」

「ののかです! 間宮(まみや)ののか」

「ありがとう」

 

 電話に戻ると彼女の名前を伝える。

 話がトントン拍子に進んで行くの意外と楽だ。

 

「これで大丈夫だな」

「ありがとうございます! 良かったら調書の後お礼させてください!」

「いやいや、俺が勝手にやったんだし別にいいよ、別に依頼でも無いし」

「そんな訳には行きません! 助けて頂いたからにはお礼させてもらは無いと!」

「そうだな・・・飴とか甘い物もってないかな? 俺甘党でさ!」

「甘い物・・・ですか?」

 

 俺は甘味を報酬として要求した。

 そして間宮さんの鞄から出てきた飴玉を貰ったのだった。

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