神様転生した者だけど毎日が苦痛   作:八雲 紅

24 / 70
感想欄が凄い事になってて驚きました、八雲です
皆さん、励ましの言葉をありがとうございます
某オレンジ髪みたいに割り切ったので問題はありません

では、どうぞ


クラス対抗戦の第23話

 

「なんで居るのお前」

 

「う、うるさいわね!別にいいじゃない!」

 

翌日。クラス対抗戦の日程表が張り出され、一回戦で一夏と鈴が当たると分かった日の放課後。

 

一夏達が使っているアリーナとは別のアリーナで今日はラファールに乗っているとISを纏った鈴と遭遇したのだ。

 

視界内にISの情報が表示される。

 

 

中国の第三世代型IS『甲龍(シェンロン)

 

紫と黒のカラーリングで装甲が刺々しく、両肩部のアンロックユニットにもスパイクが付けられている、かなり特徴的な機体だ。

 

 

 

「まぁいいや。で、一夏とはどうだ?ちょうど一回戦で当たるらしいし、話すきっかけは出来ただろ?」

 

「あたしだってそうしようと思ったわよ。でもね、あいつ全ッ然反省してないのよ!謝ろうとしてるのは分かるけど、なんで謝らなきゃいけないのか分かってないのよ!態度の変化もナシなのよ!」

 

俺がそう聞くと鈴は不機嫌そうに顔を歪め、固く拳を握りしめながら声を荒げた。

 

「……まぁ、確かにな。一夏が昨日の事を俺にも少し話して来たが『とりあえず謝っとこう』って感じだったな」

 

昨日、一夏の部屋から出てきた鈴は泣いていた。

一夏も鈴が泣いたのはわかったんじゃないのか?

確かに、約束についての件はなんとも言えないが相手は涙を流したのである。女の子が泣いたのである。

それであの対応は……さすがにどうかと思う。

一夏、有罪、ギルティ、死すべし。

 

「ま、あいつの事は今はいいわ。反省するまで無視してやるから」

 

「つまらん意地は張らない方がいいぞ。一夏の性格的に考えてずっと無視する羽目になりそうだ」

 

多分あいつは一生気付かないだろうから。

 

「分かってるわよ。でも、こうでもしないと気が収まらないのよ!」

 

鈴はISの青龍刀のような武器を展開するとそれをブンブン振り回し始めた。

相当頭にきてるらしい。

 

「そうだ、ちょうどいいわ。鋼夜、あんたの練習に付き合ってあげる」

 

しばらく武器を振り回していた鈴は思い出したように俺に提案してきた。

 

「辞めてくれよ、サンドバックにする気か?」

 

「失礼ね。昨日の恩があるあんたにそんなことしないわよ。ISの操縦を見てあげるって言ってるの。あたしだって代表候補生なんだから」

 

ふむ。これは嬉しいな。

鈴は中国の代表候補生だ。ISの操縦については俺より詳しいだろう。

これで最低でもクラス対抗戦までは彼女に操縦を見てもらえるだろう。

 

「じゃ、よろしく頼むよ」

 

俺は彼女の申し出を受けた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「……ないわー、マジないわー」

 

アリーナの使用時間ギリギリまで練習した俺は更衣室のシャワーを浴び、長椅子に寝そべっていた。

 

鈴にISの操縦についての指導をしてもらったのだが……。

 

「分からない?感覚よ感覚!」

 

「そこは気分よ」

 

「考えないで感じるのよ」

 

こんな感じだった。

教えるのが下手とか根性論ってレベルじゃねーぞ。ニュータイプもびっくりの感覚理論だよ。

 

 

さりげなく指摘する俺の態度が効いたのか、最後らへんは模擬戦オンリーになったし。

指導受けるより模擬戦した方が良いってどういうことなの。

まぁ、俺は元々実戦経験というか実際に動かす方法が向いているんだろう。

 

代表候補生になるだけあって、鈴は強かった。

なんだよあの見えない砲撃。

本物を初めて見て体験してみたが本当ヤバいぞあれ。

何発かは気合いで避けれたみたいだが怖い。だって気付いたら後ろの壁にドカンって衝撃走ってるんだもん。

 

「まあ、模擬戦が出来るだけでもありがたい」

 

箒とセシリアは一夏に付きっ切りだし。

 

箒。鈴は抑えておくからセシリアをなんとかしてポイント稼いどけよ。

時間は待ってくれないからな。

 

次に転校して来るのは相当に強烈な奴等だから……。

 

そして俺は戸締まりをして更衣室を出た。

鈴は明日も付き合ってくれるって言ってたな。よし、明日は打鉄に乗るか。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「なんであいつは何もしてこないのよ!」

 

クラス対抗戦まであと一週間となったある日の放課後。

鈴と共にアリーナへ向かっていると、唐突に鈴が叫んだ。

 

「何週間も経つのになんで謝りに来ないのよあいつ!本当なんなのよ!」

 

鈴はこう言っているが実際には一夏は謝ろうとしている。なんで自分が悪いのかは未だに分かってないが。

「約束は覚えてたんだけどなぁ」と奴は言っているがさすがに約束の意味を俺から言う訳にもいかない。

 

だがまぁ、鈴もただ謝られるだけなのは納得いかないのでずっと意地を張って無視を続けていたが。

 

 

そして今回で我慢の限界が来たようだ。

 

「私の気持ちも知らないで他の女子とイチャイチャして……ああもう思い出しただけで腹が立ってきたわ!」

 

しかも間の悪い事にセシリアと箒が一夏に付きっ切りなせいで鈴の怒りはますますヒートアップしていく。

女の子って怖い。

 

 

「こうなったらあたしから直接言ってやるわよ!ついてきなさい鋼夜!」

 

「え、やだ」

 

俺は即答する。

自分から修羅場に飛び込む訳ないだろ。

 

「……分かったわ。じゃあ先に第四アリーナに行ってて」

 

鈴は俺の即答に目をぱちくりさせるといったん深呼吸をし、落ち着いた声でそう返すと一夏達が使っている第三アリーナの方へ駆けていった。

 

 

 

 

その後、怒りのオーラを纏った本気の鈴と戦う羽目になった。

 

一夏、お前は百回死ね。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

時は流れに流れてついにクラス対抗戦当日になった。

俺はラビアンローズから戻って来た四天の待機状態である眼鏡を掛けてアリーナの観客席に座っている。

 

織斑先生に管制室に来いと誘われていたが俺はそれを断ってこっちに来た。

 

実はこの眼鏡、ISのハイパーセンサーをそのまま流用しているのでなにげに高性能で色々できる。まぁ、少し機能に制限があるが充分だ。

 

ラビアンローズってすげー。

 

 

「織斑くん頑張ってー!」

 

「フリーパスを私たちにー!」

 

 

俺は一組の子達と集まって観戦している。

 

ちなみにこのクラス対抗戦で優勝すると優勝クラスに食堂のデザートが半年は無料になるフリーパスが与えられる。

スイーツに目がない年頃の女の子にとっては狂喜乱舞ものである。

 

 

「こうやんはどっちが勝つと思う?」

 

右隣ののほほんさんが訪ねてくる。

 

「普通に考えたら鈴だな」

 

もし一夏が鈴に勝っても次で当たるであろう四組代表の簪さんには勝てないだろうし。

 

「ちなみに賭けの倍率は二組が圧倒的に高いよ」

 

ここ数日間の放課後での訓練の日々を思い出してそう答えれば後ろの谷本さんが会話に入ってきた。

ていうかクラスメイトを売るな、賭けるな。

 

「如月くん、放課後はいつも二組の子と練習してたよね」

 

左隣の相川さんも会話に乱入。

 

「ああ。セシリアが一夏に付きっ切りだからな、鈴に模擬戦と指導をお願いしてたんだ。言っとくけど情報を売ったりはしてないからね?」

 

「分かってるよ~」

 

「あ、始まるみたいだよ」

 

夜竹さんがそう言うと、観客席から一斉に歓声が上がった。

眼鏡状態の四天がISの存在を感知した。

表示されたのは甲龍の情報。

先に会場へ入ってきたのは鈴だった。

 

会場に設置されている巨大なスクリーン……パブリックビューイングだっけ?にはISを纏い、余裕綽々の笑みを浮かべている鈴の姿が映されていた。

 

 

「あれが相手のISかぁ」

 

「如月くん、あの機体ってなんなの?」

 

数人のクラスメイトに鈴についての質問を受けた。

 

「中国の第三世代ISで名前は『甲龍』。タイプは近接に重点を置いてる。安定性や燃費の問題を解消して高い実用性を得るのを目的としたISだよ」

 

俺が当たり障りの無い範囲で答えると、みんな納得してくれた。

 

 

「さてさて、主役の登場か」

 

四天からの情報を受け取った俺がそう呟くと、また観客席から歓声が上がる。

 

「あ、織斑くんよ!」

 

「きゃー!かっこいい!」

 

「素敵!抱いて!」

 

一夏が専用機、純白のIS『白式』を纏ってアリーナへ入場すると観客席のテンションが最高潮になった。

 

 

「一夏、今謝るなら少しくらい痛めつけるレベルを下げてあげるわよ」

 

「雀の涙くらいだろ。そんなのいらねえよ。全力で来い」

 

「一応言っておくけど、ISの絶対防御も完璧じゃないのよ。シールドエネルギーを突破する攻撃力があれば、本体にダメージを貫通させられる」

 

おい、お前らオープンチャネルで何を話してんだ。物騒過ぎるぞ。観客の何人かが引いたぞ。

 

『……両者、試合を開始してください』

 

空気を読んだ審判がそう告げると、ビーッと開始を知らせるブザーが鳴った。

 

ブザーが切れる瞬間に両者は動いた。

 

一夏は刀の形状をした近接武器の『雪片弐型』を、鈴は二振りの青龍刀を連結させた近接武器の『双天牙月』を展開して斬り合いを演じる。

 

が、状況は一夏が不利。

鈴の繰り出す変則的な斬り込みについていくのがやっと、という感じだ。

 

そして不利を悟った一夏が距離を取ろうと後退した時、鈴のアンロックユニットのアーマーがスライドして光った。

瞬間、一夏が吹き飛んだ。

 

「え?え?」

 

「何があったの?」

 

「まるで意味が分からんぞ!」

 

「教えて如月くん!」

 

観客席のみんなも何が起こったのか分からないようで俺に説明を求めてきた。

 

「あれは衝撃砲っていう第三世代型兵器で、空間に圧力をかけて砲身を作って余った衝撃を砲弾として撃ち出す。簡単に言うと見えない砲台だな。そして怖いのはどの角度でも撃てるところだ。真上とか真下や真後ろにだって撃てる。……こんなとこ」

 

俺が説明を終えると拍手が起きた。

照れるじゃないか。

 

「こうやん凄いね~」

 

「経験者は語るのね」

 

「アレの怖さは身をもって体験したからな」

 

でも衝撃砲は意外な方法で攻略出来る。

スモークグレネードを投げればいい。そうすれば煙の乱れで砲弾の距離や速度が分かる。運が良ければ砲身も分かる。

まぁ、ハイパーセンサーのせいでISに対してスモークグレネードはあまり意味が無いのだが。

 

ふと、試合に目を向けると何かを決心した表情の一夏が見えた。

 

「鈴」

 

「なによ?」

 

「本気で行くからな」

 

そして真剣に鈴を見つめる一夏。

最初から本気出せよ、とツッコんではならない。

 

「な、なによ……そんなこと、当たり前じゃない……。とっ、とにかくっ、格の違いってのを見せてあげるわよ!」

 

あー、イケメンさんは何をしても絵になりますねー、はいはい凄い凄い。

俺が同じ事をすれば通報されるのがオチだ。

 

そして一夏の白式が動く。

鈴の甲龍は双天牙月を構え直す。

 

 

瞬間、白式が爆発的に加速し、甲龍に迫った。

 

瞬間加速(イグニッション・ブースト)か」

 

エネルギーをスラスターに溜め込んで解放することで爆発的な加速をする技術、だっけ。

かつて織斑先生が愛用した技だ。

 

一夏の機体は雪片弐型しか武装が無い。

故に、瞬間加速を見切られてしまえば後は衝撃砲で削られてそのまま負けてしまう。

しかしもし零落白夜が決まれば、一夏にはまだチャンスがある。

まさに賭け。

 

「うおおおおっ!」

 

雄叫びと共に一夏の雪片弐型が白い光の刃を形成する。

そして白い光の刃が鈴に迫る瞬間。

 

 

《警告。ISによる射撃攻撃及び所属不明のISの反応あり。》

 

 

四天の警告と、突然アリーナに大きな衝撃が走ったのは同時だった。




鈴って怒りっぽいところが無くて暴力振るわなかったら普通にいい子だよね

……あれ?これヒロイン全員に言える事だね、アハハ



昨日サイバーデッキ相手にフォーチュンで挑んだらオベリスクを出されました
相手のライフが1200だったからライティーに強制脱出でファイリー呼んで効果でサイバードラゴン破壊して勝ったけど凄い申し訳ない気持ちになった


最近TF6を勝ったので更新が遅くなりました、許して下さい!
なにあのデュエルが出来るギャルゲー
ゆきのんとレイン恵が可愛いくてアキがヒロイン(笑)な件

あ^〜遊戯王転生ものが書きたいんじゃ〜
5D's見たこと無いけど(ボソッ

はいスミマセンこっちに集中しますスミマセン
積みは増やしませんスミマセン

それでは

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。