なーんか言いたげな奴等は放置して、ゼファーに呼ばれて移動
……したいんだけど、勇者武器がないとポータルが使えないんだよな……
「フィトリア、砂漠に飛ばしてくれないか?
馬車なら飛べるだろ?」
「おっけー!」
あ、解決した。それで良いのか神鳥よ
そんなこんなで、俺とでちの二人は……プラド砂漠に再訪していた
因にだが、フィトリアは居ない。俺の使ってた偽・フレイの剣なる武器ってこの砂漠に埋まってたものなんだ。ちょいと武器がないと不安でさ、まだ眠ってそうな気がするからちょっと探させてくれ。あ、フィトリアは機動力あるし他を探してみてくれ、何かあるかも。なーんて口から出任せ言ったら探してくるねーと去っていった
「ってことで、勇者武器を謎の人物にパクられた訳だが
代わりに宝物庫から適当に伝説の武器持ってって良いか?」
そうして入りかたなんて知ってるしな、と蜃気楼を突き抜けてプラド城へと入るやどうせもう見てるだろお前とシステム経験値の野郎に声をかける。ポータル取ってたんだけど今は使えないから歩きだ。出来ることならまーたあの長い道を行きたくはない
「……構わヌ」
その声は、近くの悪魔から聞こえた。あ、でちじゃなくて量産型の雑魚悪魔だ
「何だ、悪魔を通して会話出来るのか
どれくらいなら良いんだ?」
「好きにセヨ」
……マジかよ。全解禁とかどうなってんだオイ
逆に怪しすぎるぞ
「あの方の特別なシトよ
お前は真に我らの盟友タルと信じよウ」
うわぁ……いきなり過ぎて怪しさの塊だろこれ
「マスターマスター
マスターはボク等を裏切ったりしてないでち。とても怪しくて、けれども最後には何とか上手くしてくれるという信頼を得たのでちよ」
「いきなりすぎないか?」
「マスター……自分のやった偉業を思い出すでち」
と、軽くでちに左腕をつつかれる。ってなーんか治ってんな左腕。吹き飛んだと思ったのに
まあ、神経はぶちっと千切ったままなのか感覚は無いんだが
「偉業?俺はやるべきだと思ったことをやっただけだぞ?」
「それであの槍を味方につけ」
「忌々しキ馬車を騙シ」
「真に警戒すべき敵の姿を浮き彫りにしたのでち」
二人して繋げて言葉を紡ぐ悪魔ズ
……あ、そういうことになってるのか
あの元康の謎の覚醒、あれを俺が元から狙っていたという扱い。マルティ・メルロマルクの騎士キタムラ。あのクソビッチを女神の写し身として見れば、確かにその騎士となったというのは味方に引き入れたという見方も出来るだろう
……いやあれ全くもって狙ってなかったというか寧ろどうしてあんなんなったと絶望してたんだが……怪我の功名という奴だろうか。その分悪魔側からは信頼を得てしまったと
「まあ、元康の事は今は良いや」
「良いのカ」
聞いてくるシステム経験値。どうでも良いがでち公は外見は凝った女の子だがこっちは適当に量産型をスピーカーにしてるだけだから全く可愛くない
「良いんだよ。今は捕縛されてるらしいが、どんなになっても彼は四聖勇者だ。四聖でなくなってはいない以上、何時までも捕らえてはおけない。なるようになるさ」
寧ろ一生二人で牢獄生活しててくれ元康
「なるのでちか」
「そりゃそうだろ。四聖は登録した砂時計区域で起きる波で強制召喚だ。それを止める方法は人間側には無い
あの召喚そのものはサンクチュアリ張ってても無視して発動するからな。何らかの手段で武器そのものを引き剥がすか、或いは勇者当人に何があっても行くものかと拒否させるかしかない」
「……成程」
「だからそのうちあいつは勝手に出てくる」
そう。だから困るんだよなーあれ。勇者だから捕らえておけないとかさ
槍さえ奪えばって話だが、それはそれでどうやってだよとなる。更には俺がパクっても使えないしな。フィトリアにバレる。あいつが俺に心を開いているように見えるのは、俺を勘違いしているからだ。って、その辺りも謎なんだけどな。ヘリオスとかいう本物のあの自称コード:ケラウノスの遺産が居て、その事を知ってて何でちょっとばちばち出来るだけの俺なんぞに寄ってくるのやら。ヘリオスのとこなら兎も角
「ま、後で武器は漁るとして」
「真の敵の事でちね」
「エセファラオ……」
と、呟く悪魔
「ファラオ?エジプトのか?」
何でそんなものが、と眼をしばたかせる
「ケラウノスの遺産」
「ヘリオス・
昔この世界に現れたと馬車の勇者が言ってた神、ゼウス・
俺は見てないからなんとも言えないのが困りものだが
「然リ
あの方が恐れるモノの一柱、コード:ケラウノスに連なル偽神」
って、女神メディアの奴、あのゼウスの事を恐れてたのかよ。なーんか笑えるな
「ボク達悪魔を作る神々からすれば恐ろしいものらしいでちよ、執念の塊な神殺しは」
それもそうだな、と頷く。何年前からか知らないが、とりあえず数百年くらいは追われてるんだものな。俺なら多分精神イカれるだろう。どんな気分だろうな、自分を殺そうとするバケモノから逃げ続ける日々って。施設に居た時代も俺に超S級異能力があるからってモルモットでこそあれ、殺意を向けられる事は無かった俺にはちょっと分からない。万が一俺がもう一度復讐の雷霆の覚醒段階を発現してしまったとしたら、そしてその際に彼等に殺意を向けたならば、その時は施設ごと自分達は光になると分かっていたのだろう。だからまあ、所詮は束縛もそれなりだったのだ。外出るなよとは言われてたけど
「で、それが何故ファラオなんだ?」
耳を震わせて聞いてみる
「マスター、マスターは転生してきたなら、機械仕掛けの神という言葉は知ってるでちね?」
「デウス・エクス・マキナだろ?知ってる」
「その意味は?」
「舞台を終わらせるもの。事態が縺れた糸のように絡まりどうしようもなくなった時に突如現れ全てを解決する絶対的な力を持つ存在、だったよな」
それが……って、ちょっと待てよ?
「あのゼウスの野郎の名前ってそれの捩りか」
「否や
奴は心の底から自身をそうだと思っているのだろう」
「ああ、神が降臨して本来その世界の精霊等ではもうどうしようもなくなった時に現れて、強引にハッピーエンドにしていく存在ってか?」
「その通りでちよ」
んまあ、言いたいことは分からんでもない
「じゃあ、何でヘリオスがそうなる?」
「マスター、マスターの世界ではヘリオスって何でち?」
「ギリシャの太陽の神だな」
「では、バシレウスとハ?」
「ギリシャの皇帝」
「つまり、太陽神であり皇帝という意味でち
ボクはファラオなんて知らないけど自称太陽神の化身な王か何かでちか」
「ああ、だからファラオか」
太陽……皇帝……
いや、まさか、ね。ってか、言い換えるとサン・ミカドなんだが
俺……なはずはない。覚醒段階アヴェンジブーストは確かに金髪になるが、そこから赤くなる手がない。正確には赤い光を纏うことは不可能じゃないが、全くもってやる意味がない。赤光を発したからって何が変わるんだよそんなもの。無駄に気力使うだけだろ
だから俺じゃない。そもそも俺ではないってのは俺自身が一番よく分かってるはずだが、能力的にもな
「ん?だとしたら……ひょっとして」
「正体わかったでちか!?」
「いや、可能性だ。合ってるとは……保証はないな」
一つ思い付く可能性。ファラオではなくサン・ミカドを名乗ってるという俺の推測はこの仮説ならば正しい
だが、彼は俺ではない。御門讃本人ではなく、けれども雷を纏うケラウノスの力を自身の知る言葉に置き換えた結果そうなりうる存在。即ち、復讐の雷霆を持つ御門讃を知る人間。その仮説が正しければ、俺の記憶にはたった一人、あの場に実は居てその条件を満たす存在が居る
樹。ひょっとして、ヘリオスとはお前なのか?
(ヘリオスとは)お前じゃい!まあネズ公が何でヘリオスでなく俺にとか変な事言ってますがヘリオス=本来のネズ公であり今一人称やってるのが最後に勝つために自分を転生者だと思い込んでいるネズ公なのでそりゃフィトリアはついてきます
川澄樹神様の後継者説
でっち上げてみてなんですが珍説ですね