「次元の波?
あいつは向こうからしてみりゃゲームかもしれないが、当事者からすればゲームじゃないだろ?変なこと言うな樹」
「波の事をゲームみたいに言うんですねネズミさん
あと、異能力については言わないんですね」
「そりゃ、仕掛けてる側からすればゲームだろ?超S級異能力のはそもそもゲームじゃない」
「……」
ん?突然黙ったな
あ、そういうことか
と、思い出す
そういえば、だ。すっかり忘れていたのだが、川澄樹はこの世界を元々はディメンションウェーブという名前のコンシューマーゲームだと思っていたんだった。そのゲームの事を知ってるかって話だったのかこれ。波についてかと思って普通に答えてしまったが
「まるで、波の正体を知っているように……」
「んまあ、あの転生者ら相手に残ったときにある程度は、な
とりあえず、四聖勇者達が別の世界から勇者として召喚されて、また別な世界から転生者ってのが送り込まれてる。ってことは、別の世界から干渉出来る奴等は勇者の武器以外にも居て、そいつが転生者を送り込んできてるって訳だ。ならば、そいつが最終的な敵、波ってのもそいつが世界に干渉してるから起きてるらしいぞ?」
尻尾をふりふり。無意識のうちに出るその癖を抑えつつ、そろそろ良いか、とモイラを尻尾から外して腰に仕込み直す
「詳しいんですねネズミさん」
「ま、あのフィトリアって昔の波から居るらしいからな。その辺りも聞いた」
「って、今の話はそうではなくてですね
ネズミさん、僕の世界にあったディメンションウェーブという名前のゲームについては知りませんか?」
「おいおい、この耳と尻尾を見ての通り、ネズミさんはあそこのタヌキやイタチと同じ現地民、勇者様の世界の事なんて」
「言い方を変えましょうか
ネズミさん。ネズミさんに良く似た御門讃という人が居るのですが」
ああ、此処に居るな
「彼はディメンションウェーブについて知っていたと思いますか?」
「そいつ、施設に居たんだろ?じゃあそんなもの何処で手に入れるんだ?
ってことで、知らないと思うぞ」
実際、俺はディメンションウェーブってコンシューマーゲームについて知らないからな
そういえばどっかで発売予定のそんなゲームの名前聞いたかなーってくらいだ。そもそも施設は色々と機密情報多かったからな……。不正間にアクセスを防ぐためか大容量データ……といっても5メガバイトかそこらのデータを一時間の間に外部とやり取りしようとすると自動でロックかかる仕組みになってて動画すらロクに見れないと愚痴ってたのを覚えてる。研究施設だからPCは幾らでも置いてたがとてもゲームなんぞDL出来る仕組みじゃ無かった。ってか、だから竪藍氏による盾の勇者の成り上がをweb小説だからある程度の量一気に読み込んでもロックされないしって気に入って読んでた訳だしな
「そういうものですか……」
「そういうものだ。それで、弓の勇者様の世界のゲームと、何か関係が?」
にしてもディメンションウェーブか。他の勇者に比べてまた随分と直接的なネーミングだな。いや、尚文の読んだ四聖武器書ってのも大概だし俺が読んでたのなんて『盾の勇者の成り上がり』って尚文主人公なタイトルなんだけどさ。槍のアホんとこは確かエメラルドオンラインってので錬のところはブレイブスターオンラインってまあ普通のゲームって感じだったのにな
俺の読んでたアレが何なのかは置いておいて、勇者武器が勇者を異世界から召喚出来るって事は、この世界の勇者武器は俺や尚文の世界にある程度干渉できるのだろう。だから、ある程度この世界のシミュレーションをゲームにして誰かに作ってもらうというのも不可能な話でもない。それで勇者を選定して居た?いや、その辺りはどうなのだろう
クソナイフさえ居れば、確認できたのかもしれないが……
「この短銃モイラなんですが、ゲームの中では最上位レアリティなんですよ」
うん。原作で言われてた
「短銃ルドガと短銃モイラ。二つ揃うとひとつになってどんなボスも瞬殺出来ると言われていたんです」
熱っぽく言ってくる勇者
正直ゲームという事なら言って良いだろうか。そんなアホな武器実装すんな。ゲームバランス調整どうなってんだ
「ネズミさん?釈然としてない顔ですね」
「いや、バランスどうなってんだってな
どんなボスも瞬殺とか、実装しちゃいけないレベルだろ」
……?樹?何でじとっとした目でこっちを見る?
「ネズミさん、御門讃の渾名を知っていますか?」
「フィールドの
「そっちではなく、バトル漫画の敵だとかお前ら人間じゃねぇとか言われてたのはご存じですか?」
「最強最弱の異能力とか、親しい人が全員死のうが人外過ぎてお釣りが来るとか色々と言われてたんだっけ?」
「はい。ではネズミさん
それって、ネズミさんの言うクソゲーなのでは?」
「クソゲーだよ。何を当たり前の事を
現実なんて、今の波を含めて基本クソゲーだ。だから足掻くんだよ、もう大切なものを喪わない為に」
空を見上げる
其処には、今度こそ守り抜くべき相手が居るから。瑠奈への想いを何となく重ねているのは分かっている。似てるようで似ていない、リファナはリファナだと知っていても、尚。だから、この想いは普通じゃない、本来は瑠奈にもリファナにも失礼な、消すべき
それでも、俺は……
「ということでですね、ネズミさん
もしも短銃ルドガを見付けたらその時はお願いします」
「対になってる武器、ね。分かった分かった」
まあ、持ってるけどな
と、ふと見ると尚文の奴がどことなく海賊風の風の服の女に話しかけられていた。女ってか、女の子だなこの年齢。顔立ちはそれなりに良い。昔の元康なら声をかけてたろうレベルだ
にしても、何でそんな幼いのがそんな服で尚文に声をかけてるんだろうな?あと、ラフタリア、結構むっとしてるがステイだ
「尚文ー!何かあったのか?」
「船長から聞いた、嵐が来る」
あ、そういえばこの船の船長ちびっこだっけ。挨拶もせずポータルで乗り込んだんで忘れてたわ
「あ、嵐……」
「イツキ様、しっかり抑えてますから」
「いえ、リーシアさんが酔うでしょうし、大人しくベッドに入っています」
とそんな後のカップル……いや既にか?は置いといて
「フィトリア、嵐が来るらしいぞー?」
「しってるよー」
っておい
「フィトリアはねー、嵐で変なお魚が船をぱくーってしちゃわないように見てるよー」
おお、それは助かる。って良いのかそれ
無事なんだろうな、だってフィトリアだし
「そんな魚出るのかよ?」
「えっとね、何度かみたよ?」
「じゃ、任せた」
「えっへん!フィトリア、えらい?」
「ああ、偉いよ」
原作では無事に着いたんだがな。それでも、この世界ではそうとは限らない。見ててくれるのは助かる限りだ。魔法やらクソナイフやら万全なら俺が外で見てるって言えたんだが、流石に今のスペックだとうっかり海に落ちたら面倒だ
レンも部屋に戻り(フィロリアルズも一緒の部屋だ)、リファナとブランも帰ってきて部屋に籠る。俺の部屋とか無いんだけどな!まあ、船に勇者一行が乗ったときには居なかったからな。カルミラ島は今やレベル上げの為に大人気スポット、来るかもしれない程度の奴の為に乗りたがる人を排して空き部屋なんて用意してられなかったのだろう
なので俺は一人、廊下でごろ寝だ。レンのとこは女の子の部屋だから入れないしな。ん?リヴァイ?あのエロリアルめが、フィロリアルだからって女部屋に紛れてやがるなさては
「マルスくん、大丈夫?部屋来る?」
「幼馴染でも、男女で一緒は不味いだろリファナ?それに、ラフタリアが嫌だろ?」
ということで、ちょっと惜しいがリファナの誘いも断って、廊下でごろごろしていた
まあ、そもそも酔うようならば復讐の雷霆で空を駆けたりしてられないので船酔いとかは何事もなく。船が上下左右七転八倒してた時はこんな嵐の中良く選んだなと思ったがまあ無事に、カルミラ島に船は翌日朝に到着したのであった
因みに、巨大イカ……なのだが触手が無駄に多くてぬめぬめしていてイボが無くて尖端に謎の液の発射口があるとてつもなくアレな謎生物の死骸を笑顔でフィトリアが持ってきたのは余談である。多分これどっかのアホの呼んだヤマタノオロチの同類、転生者が与えられたチートパワーで召喚して使役出来る悪魔の一種だな。船を沈めに……いや、沈めるならこんな卑猥な触手要らなくないか?細かな触手の為に本来の触腕減ってて弱そうだしさぁ……製作者アホなのではこれ
とりあえず、フィトリアが居なければ海の藻屑になってた可能性はあったが、無事に船はカルミラ島に到着したのだ
ん?そういえばゼファー何処行った。船に乗ってから見かけてないぞ
『悪魔くさーいからポータルの時においてきたー』
好き嫌いはいけません、連れてきなさい
???「あの鳥何時か唐揚げにしてやるでち……」