「俺がハーレム作るって言ってるのに邪魔なんだよ!エアストスロー!」
眼前の男が突如として光の玉のようなものを投げ付ける
「力の根源たる我が意に従い、軛を受けよ、眷属器!
お返しだ、ストライクピアース!」
だが、俺はそれを受け止め、投げ返す
光はピックの形を取り、眼前の男の眉間に深々と突き刺さった
「残念だったな。俺はすべての勇者の武器を扱うことが出来る選ばれた存在なんだ」
眼前に転がった既に物言わぬ骸に向けて、小馬鹿にしたように一言。そのまま、脳天のピックを呼び寄せて……
「な、何だ?何が発動した?」
突如光を放ったピックに目が眩む
そうして、俺は全てを思い出した
俺の名は……俺の、名……は
「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
溢れ出す力。膨れ上がる雷。心の奥底に眠る、その力!
「俺は、俺はっ!」
瞬間、世界にヒビが入る
風景が割れてゆく。いや、世界そのものが、壊れてゆく。無へと。その隙間から顔を覗かせるのは世界の狭間の暗闇。一つの世界は此処に、消えて行こうとしていた
一瞬前の俺ならば、この事態に訳が解らず戸惑っていたのだろう。そして、手遅れになるまで呆然としていた。また、何一つ守れなかった。だが、今の俺はそんな事理解できる。だから、動くことが出来る!
「なあ、そうだろう?
その言葉と共に、世界崩壊の根源を探る。流石に崩壊の最中、隠れている訳でもないので一瞬だ
少しずつ剥がれていく風景の中、俺は文字通り雷と化し、ルロロナ村を一瞥してからその場へと翔んだ
「……嘘、嘘よ」
呟きながら、その場をよろよろと去ろうとする赤髪の少女。名前は何と言ったかな……いや、知らない。盾の精霊に教えられたこの世界の辿るべき歴史においても、特に語られていなかったろう相手だ。少なくとも、マルティ・メルロマルクではない。深く盾の勇者達この世界の四聖に関わるものではないが確かに女神の写し身の一つであろうその女の中に眠るソレを見付け、眼前に降り立つ
「……よう、そんなに満身創痍で外に出る気か?」
「誰よアンタ。この私にどんな口を……
というか、こんな緊急事態に」
「大人しく寝てた方が良かったんじゃないのか?」
「空が割れてるのよ!?」
「お前だろ、女神……メディア・ピデス・マーキナー!」
「ッ!?」
瞬間、飛び退く気配、加速する世界崩壊
完全に世界は……眼前の女神が満身創痍の傷を癒し、自身が負けたという歴史を塗り替える為に作り出した女神の揺りかごは砕け散り……同時、本来のー女神メディアを倒した世界すらもひび割れ、少しずつ壊れて行く。これが、女神の目覚め。一つの世界の終わり
それを止めるだけの速度は俺には無く、何時しか眼前には赤髪の少女の肉体を脱ぎ捨てた女神が浮いていた
「……どう?特別にこの姿を見せてあげたわ。神の力をアナタも持っているようだけど、その差に絶望なさい」
感想はない
「どこのバカ神か知らないけれども、そんな力で私が傷付いていれば勝てるなんて……」
「はぁっ!」
気合一発。俺の中に眠る『雷霆』を呼び覚ます
膨れ上がる怒りと共に、視界が赤く染まり、スパークが迸る
「深紅の瞳に、金に染まる髪……
そ、その姿……その、雷は!まさか!?」
「……何だ、知ってんのか
でも、改めて名乗ろうか
オレの名はヘリオス。ヘリオス・
お前がやり直す世界を作ったから、盾の精霊の願いがオレを呼んだのさ」
「神狩りの……神。コード:ケラウノス!」
「数千年ぶりだな。いや、その時の俺は先代だが……。ゼウス・E・X・マキナに代わって、決着を付けに来た」
ってな感じになるんだろうか
そう、何故か其処に居る神ラフーに聞いてみた
「……さあ?そうかもしれませんね」
いやまあ、実際の俺は単に雷の異能力持ってるだけの転生者だし、こんな事は無いんだがな!
四月馬鹿ですので嘘です。こんな未来はありません
投稿が4/3なので本当です。雷霆覚醒するとこうなるから女神が自分で起きてくるまで目覚めないようネズ公は自分を転生者だと思い込んで居るわけですね