「前世の……」
「転生者全開ですね」
向こうの勇者ズが何か言ってる
誤魔化されてどうこうとかあるのかもなと思ったんだが、レンは静かに頷いてるな。何か思うところでもあるんだろうか
そしてタクトのアホは……何か考え込んでるわ、無視だ無視
「あのクソボケ親父が、居るのか、此処に」
危険だろう
彼、御門星追の異能力は決して弱いものではない。川澄樹の異能力である命中の上位版。完全上位互換ではないが、上位には違いないチート能力。A級に分類される異能力の一つ、
つまり、余程ヤバい異能力で無効化するか相手がそれを持っていることを理解して最初から対処していなければ、好かれようと狙われた相手は対象を好きになる。後は……これは物理的な話しになるが、能力の影響下で放ったものは壁とかそういった障害物を透過する。服とか盾とかも貫通する為、防御は不可能。ま、避ければ当たらないのは結局命中系異能力の限界なのだが、射線が通って射程内ならビルの隙間を通してどころか間にビルを挟んだ向かいからすら狙撃出来るからな。気を抜いてる相手なら回避すらさせない。そういう運命、因果にすら干渉する程の異能力だ
どれくらい凄いかと言うと、米兵一人が停泊中の戦艦大和のエンジンを船外から運命の一矢を込めた爆弾矢一本で狙い射って轟沈させた逸話は余りにも有名、って感じ。ぶっちゃけ回避がほぼ出来ない船とかそういった巨大なものを破壊するには凶悪だけど、戦争とか無い現代ではあんまり使えない異能力だ。逆に言えば、波という戦争やってる今なら普通に強い。どっからでも特定の相手を回避可能だが防御も迎撃も不能で狙えるんだからな。まあ、火力は使うものと本人次第だが
そんなヤバい代物だが、一応クラスはA級。S扱いされないのは、知ってて対処すれば対処が出来るかもしれない(ただ咄嗟に
閑話休題
俺に復讐の雷霆があるように、恐らくだが、転生した奴にもソレがある。因果をねじ曲げ、当て落とす力が
「俺と同じで異能力をそのまま持ってるとすると……
運命の一矢、厄介だな……」
「運命の一矢……あのA級の!?」
ん?絆さん?
「なあ絆?
「超S級」
「
「それはS級だったよね」
「川澄樹の異能力は?」
「知り合いと同じ人ならE級、命中」
「このネズミさんの異能力は?」
「……推測が正しければ、その紅の眼は
超S級、
「…………全部正解だよどうなってんだ風山ァ!」
お前樹と知り合いかよぉ!?
「というか、樹ってこの世界に居るの、御門讃さん?」
「御門讃じゃない、ネズミさんだ」
まあ、御門讃なんだが。いやー、俺もアマテラス・カイザーフィールドとか変なもの名乗ってなくて本当に良かった。ってか、親子でも転生先って違うことがあるんだな、と
いや当然か。タクトの阿呆は何か沢山転生者ぶち転がして折角他の転生者が正規から奪った勇者武器を一ヶ所に収集していた(因みにだが転生者も複数持てる奴が少ないのは、複数持っていることが本来特に利点ではない事に由来する。ってか、あくまでも方向性の違いだからな。聖武器と眷属器では主に上下関係の差こそあれ、同一世界の勇者武器のスペックは基本全部同列だ。そして自身の魂と合一することで共鳴し力を発揮する以上、使い分けられるってのはそれだけ結び付きが緩いって事な訳で、そんなもの複数持つよりたった1つと深く結び付いた方が強いに決まってる
転生者としても、より深く奪うことさえ出来れば……って感じだな。しっかり制御して魂と結び付かせれば転生者にだって強化方法とか使えるわけで。沢山持つということは、結び付くことを拒絶してるんだ、強い道理がない)が、それは転生者同士でも気に入らないなら殺し合えるって事を示す
そこから分かる通り、勝手に数減らすな味方同士だという感じの女神による転生者同士の殺しあいを止めるリミッターなんて無いのだ。ならば、御門讃と御門星追が同じ家系に転生しててみろ、絶対にどちらかが死ぬまで殴り合うと決まってる
「御門讃」
「ミカドさん」
「だーかーらー!ネズミさんだって言ってんだろうが」
「ところで、樹は?話題に出たってことは居るの?」
「こっちで四聖やってる。後は分かれ」
「互いの世界に分かれちゃったんだ」
「別に世界同士で殺し合う訳でも無し、良いだろ」
「……良く喋りますね」
静かに告げるのは、和装の勇者
「転生者には、プロテクトがあったのでは?」
「……そうだ
何でお前には無いんだよネズミ!」
あ、タクト復活した
「なあ、タクト?お前検証したこととかあるの?」
「捕らえた身の程知らずのゴミで、三度くらい」
うわぁ、こいつもゴミじゃん
まあ良いや知ってたし
「で?割と雑だなって思わなかったか?女神、殺すとかでも反応しないし」
「……そうだったのか」
おーい、タクトさぁーん?
ある程度の条件とか最初に調べておくものじゃないのか?
「ってことで、俺割と調べたし、転生者の親玉みたいなもんとも出会って来たのよ
結果的に分かったんだが、判定はクッソガバい。しかも、脳内を関知できない
あくまでも言葉に出した、或いは出そうと発声しようとしたもの。しかも言い訳が効く
これはこういう意味だぞ!と心にもない言い訳をしてたらペナルティ消えたりするんだよ」
「へ、へぇ……」
「ということで、一つの結論に達したわけだ。この発動判定、誰かが遠隔でやってるわ、とな。それは女神本体なのか、その腹心なのかまでは分からないが、少なくとも判定役が居る事は確かだ
ってことは、話は早い。俺達の管轄はあくまでも向こう、盾だ弓だの世界であって此方じゃない。てことは……」
「圏外だから、何を言っても処罰されない?」
「そういうことっぽいぞ?」
「女神の、女神の、クソ野郎ー!」
あ、タクトの奴が早速叫んでる
ボケかな?俺が嘘付いてて、魂に巣くってる奴の独自判定なら死んでるぞそれ
ってか、まあ、独自判定ならこの時点で俺が死んでない筈もないし、エイプリルフールネタとして出てきたタクトに転生しちまった!シリーズ主人公も脳内が女神クソ食らえの為即死するはずなんで、独自判定では無さげなんだけどな
「…………本当だ」
「死んだら騙されてやんのって嗤おうと思ったが、マジでそうだったのか……」
「確証無かったのかよクソネズミ!」
「あると思ったのかよ、俺はネズミさんだぞ?
こずるい事をさせたら尚文の次くらいだ」
なお、ネズ公もタクトも転生者の安全装置効かないのでそんなネズ公の推測は無意味です