……ん?更に奥へ、システムエクスペリエンスが居た先へ進むべきとでもいうようにランプが矢印型に点灯してるな
向かうべきか、これは罠かもと疑い無視するべきか……まあ、悪魔連れていく事をホイホイと了承した辺り今更拒否するほうが問題か。安請け合いしてんなー俺。まあ、あの間万一多少心読まれても問題ないようにずっと心の中で
いっそこの先の為に
『称号解放、根津未偽和上』
偽言うな理譜竅教開祖だ、そして俺の名前はマルスだネズミじゃない
『伝説武器の規則事項、新興宗教の創立に触れました』
おいこらクソナイフ、今作っただろその規則良いからこの吐き気を止めろ波まであと……1時間、かなりヤバイぞ
なんてコントはおいておいて、クソナイフも今はおいておいて
ポータル試してみたところ奴の鎮座しているあそこ以外ではポータル制限は生きている、仮にも活性化地ということらしいので戻らない訳にもいかず、ならば突き進むかと誘導に従って走る
……10分ほど走ったろうか。誘導が切れたのは、地底も地底、奥底と言える場所であった
というか隠されてんな此処。何してたんだ?と思う場所に鎮座するのは大釜のようなシステムエクスペリエンス
……走り回って結局戻ってきたのか?いや、よくみると形状違うし起動していないな。プロトタイプだろうか
とりあえず、誘導されたからにはと触れてみる
……棺っぽいな、これ。中身に何かある。何て思った瞬間、装置は崩れ落ち、その中身が露出する
……女の子だ。いや、生身のはずはなく、頭にはちっこく角っぽいものが生え、背にはその背丈を越える大きさのハエっぽい半透明の四枚羽。この世界ではあまり見かけないミニスカートで更には羽を出すために背中がかなり空いてて防御面が寂しいエプロンドレスに、緩くウェーブがかかった髪の色が淡いためあまり似合わないが拘りなのだろうかホワイトプリムなメイド姿。ホワイトプリムに隠れて角はほぼ見えなくなっている。羽と角は悪魔っ娘と言われて思い浮かべる特徴そのまんまだしたぶんこいつも悪魔なのだろう。それもこんな大掛かりなもので産まれたプロトタイプ
……これを連れていけというのだろうか、この何となく創造主の性癖突っ込んだような外見のこいつを?外見は……リファナと同じくらいの年格好だろうか。無駄に胸だけは盛られている点に作り手の倒錯した変態性を感じさせる。システムエクスペリエンスに意識を移していた大天才と呼ばれた転生者は良い年してた頃にこの国を吹き飛ばしたんだろうし、経験値氏ロリコンか?にしても髪の色もリファナに似てるな。こいつ連れていってリファナに会ったら引かれるだろうか
閑話休題、とりあえず頬をつついてみる
……柔らかいな。拘りの質感
いや、悪魔の何処に拘ってるんだお前、少なくともサキュバス作ろうとしたならば羽は虫羽根じゃ無くて蝙蝠のだろうしこれサキュバス目的じゃないよな?なら拘んなそんなところ
「おい、起きろ」
……何も起きない、か?
いや、微かに瞼が動いた
「認定するでち。音声認証、転生認証、コンプリートでち」
綺麗というよりは可愛らしく、そして抑揚の欠片もない声。というかでちって何だでちって、また性癖か
「起動でち。眼前の転生者をマスターとして認識、名前を教えてくださいでち」
すっと開く幼さのある丸っこい大きめの目。それは綺麗な黄金色で此方の顔を覗き込む
「マルス、だ。お前は悪魔か?」
「記録でち。マルス、様。以降マスターとお呼びするでち」
……棒読みちゃんというわけではないのだが、もうちょっと感情出せお前。って悪魔に言うのも酷か
「質問に肯定でち。記録より開示、ボクはソロモンハーレム計画第一の悪魔として記録されてるでち」
……ボク、か。マジで制作者の性癖を突っ込んだ感じだなこいつ。一人称ボクなのに幼い感じで胸だけは盛る辺り作者は変態だ間違いない
「ソロモンハーレム計画とは?」
「マスターの質問に回答するでち
現在より遥か昔のプラド城の王による、ボクを初めとした72体の悪魔娘によるハーレム計画でちよ。ボク一人で国庫が傾いちゃって、盟友である転生者に実権を奪われ残り71体は計画のまま凍結されたでちよ」
「一体で国庫傾けるとか馬鹿かよ
いや、そもそも転生者に実権を握らせる為の計画だとしたら傾けたのが正しいのか?」
「疑問に肯定でち。ボクの制作目的は理想の嫁の作成兼理想のメイドの作成兼盟友への実権譲渡と記録されているでち」
……今も昔も、転生者は馬鹿で目立ちたがりで変態である。にしても性癖歪んでるなー制作者、これが嫁で良いのか
『称号解放、変態イタキチクソネズミ』
変態を付けるなクソナイフ
「まあ良いや、お前があの彼の言っていた悪魔か?」
「……検索でち、ちょっと待って欲しいでち」
そんなことをほざくでち公
……にしてもでちでちなのに無表情で気持ち悪いなこいつ、外見こうならばもっところころと表情が変わるべきだろうに真顔で違和感が酷い。本当にこんなので良かったのか
「検索終わりでち
ボクは確かにマスターの為に起動したようでち。今の目的はマスターに付いていく事でち」
「成程な
……監視もそうか?」
「監視でち?何の事でち?」
わざわざ悪魔を付けるのだ、裏切りの監視もひとつの目的だろうと思ったのだが、まあ良いか
「まあ良いか、その辺りは」
戻らないと波が来てしまう。まあ尚文等の心配はあまりしていないのだが、見ておくに越したことはない。なので早めに行くべきだ
「了解でち。では契約をするでちよ」
「契約?」
「そうでち。ボクは悪魔でち、悪魔は3つの願い事を叶える契約をするものだと記録されているでちよ」
……そういえば、この世界での悪魔は兎も角、日本という国での悪魔はそういうものだったか。それをモチーフに作られたからそうなるのか
……無茶ぶりしてやろう
「俺を裏切るな、俺の言葉に従え、俺が目的を果たすまで近くに居ろ
この3つだ」
「了解するでち」
……良いのかよ、中々の無茶ぶりだぞ。まあ、悪魔なんてAIだからそんなものか
視界の端にアイコンが浮かぶ。これが契約の証という奴か
「それで、お前は何と呼べば良い?」
「答えるでち。名前はまだ無いので好きにするでちよ」
「成程」
ソロモンの悪魔をモチーフにしたならば、こいつはバアル……いやまんま過ぎるな
バアル、バアル・ゼブル……ベルゼブブ……
ちょっと語感を合わせてベール・ゼファー
良し、中々じゃないか
「ベール・ゼファー
中々に悪魔っぽく出来た名前だろう、ゼファー」
……ん?珍しく固まったなこいつ。AIだろうに
「ベール、でち」
「行くぞゼファー」
「拒否でち、ベールでち、ゼファーは可愛く無いでち」
何でそこに反応するんだこのクソAI。名前なんて何でも良いだろう、ちょっと嫌がらせ的にベールではなくゼファー呼びにしたことは否定しないが
そうだ、それで良い。あまりにもAIっぽ過ぎるイエスマンじゃ連れていて楽しくない。どうにかして人間っぽい反応を出せないかと思っていたのだ。まさかこれに反応されるとは思わなかったが、予想外の収穫だ
「良いじゃないかその反応
少しは人っぽくて
じゃあ、改めて行くぞゼファー」
「ベールでち」