何とか不機嫌そうながらリファナの言い分を認めた尚文と共に、リファナ達を奴隷に戻しに行く
「紋様は破壊されてはいますが、割かし修復も可能なのですよ」
「そんなものか」
「ナオフミ様に信じて貰えるなら」
ちらりと、正直楽しくないしなーと明後日の方向をみていた俺に、リファナが言葉を投げた
「マルスくんも、私と同じなおふみ様の奴隷になる?」
「絶対に願い下げだ」
因みに当然ながらクソナイフを使おうとした瞬間に奴隷紋が破壊される状態は今も継続中だ。それが無くても尚文の奴隷とか嫌だが。何で倍ほど歳上の男の奴隷として働かなきゃいけないのかと
「ボクも遠慮するでち。二重奴隷は良くないでち」
うわぁ、とラフタリアと尚文がそろって此方を見る
何嘘言ってるんだろうなこのでち公。只でさえ低い尚文からの好感度を更に下げるな
「……さて」
と、話を変えるように俺が見ていた明後日の方向を指差す
「楽しい楽しい運ゲーの時間だ」
「……何だ?」
尚文がそちらを見る
そこにあるのは、大量の卵の入った木箱である。大量の卵、というところから分かるだろう。皆大好きガチャだ
「ああ、あれは私共の表の商売道具ですな」
なんて、奴隷紋を復活させている奴隷商が頷く
「お前等の表の仕事ってなんだよ」
「魔物商ですよ」
と、尚文が原作通りな説明を受けている
そう、たまごガチャ。原作の尚文はこのたまごガチャから引き当てたフィロリアルにフィーロという名前を付けて育てていた。後の爪の勇者である
「マルスくん、欲しいの?」
「いや、そもそもメンバーが足りないだろ?」
「足りないのか?」
いや、足りないだろ聞くなよ尚文
「盾の勇者、分かってるだろうがパーティは基本四人までだ」
「俺、リファナ、ラフタリア、お前で四人居るだろうが」
呆れたように言われる
「それだとゼファー一人が余る。三人足りないじゃないか
尚文、リファナ、ラフタリア、誰か
俺、ゼファー、誰か、誰か
で2パーティをつく」
「マルスくんはなおふみ様とパーティを組んで
そしたら逃げられないでしょ?」
「…………
なんで、ゼファー側に三人足りないのを手軽に埋めようかと」
弱いな、と呆れたように見てくる尚文
なんとでも言え。何か盾もラースから普通のブックシールドに戻っているし案外効いたのか?
「で、あの卵のある木箱の上に立てかけてある看板は何だ?」
なんて、尚文が聞いている。何だかんだ興味はあるのか。まあ、魔物だしな。元の世界では見られないだろう
「銀貨100枚で一回挑戦、魔物の卵くじですよ!」
「100枚とは高いな」
「俺が出すぞ?」
「当たり前だ」
……リファナー!尚文の奴がいじめるー!
というのは冗談だが、中々に俺の扱いが雑である。いや、言い出しっぺだから普通なのか?
尚文の奴が説明を聞いている間に、とりあえず思い出す
このたまごガチャは一回銀貨100枚、卵は全部で250個。一番の当たりはワイバーンタイプの空を飛べる騎竜だ。価格にして金貨20枚相当
とはいえ、まあ騎竜なんて目玉を狙う訳もなく。いや、どっかで竜帝的にドラゴン確保したい気持ちはあるがそれは今ここじゃあない。金は無くもないが予算的に買えて二十個。運ゲーに持ち込むにはあまりにも心許ない。いやまあシステムエクスペリエンスから集れば買い占められそうだがそんな愛の狩人いことしてどうする。第一これからフィーロ育成狙おうという時に、フィロリアルと仲の悪いドラゴンまで狙ってどうする。二兎を追って返り討ちにあうぞ。いや、それはウサピルみたいな弱めの魔物でも群れれば脅威というこっちの諺で今言うべきは二兎を追うものは一兎をも得ずか
狙うものは大体成体まで育てば銀貨にして200枚以上の値がつく大体育成費考えると価値としてはトントンくらいの価値の魔物、フィロリアル。まあ言ってしまえばフィーロ狙いだ。フィロリアルのアリア種だったか。それを寄越せと言えれば早いが怪しまれる
なんて思っていると、リファナが目を閉じて匂いを嗅いでいた
くんくん、と。どこか犬っぽく
ぱっと目を開けて、此方を見る
「なおふみ様!この卵とか良さそうですよ!」
そう言って指したのは、右端にある一つの卵
「何とも言えないな。もう少し考える」
「マルスくんはどう思う?」
「どう、と言われてもな……」
「魔法で分かったりしないの?」
「ラフタリア、確かに正直な話俺の魔法ならきっと分かる」
「やりましたねナオフミ様!ドラゴンが手に入りますよ」
ぱっと目を輝かせるラフタリア
分かってないなこのラフー、と溜め息を吐く
「ラフタリア
……このガチャは魔法で重さ等を誤魔化している。それは、直感と勘による天賦に託す平等の為だ。魔法を使うのは出禁ものの反則だよ」
「反則の相談、バッチリと聞こえてますです、ハイ」
と言いつつ、魔法でない範囲で何となーく分からないかとやってみる。ネズミの勘、或いは大気に満ちる細かな電気を読み取ろうというもの
「どう?分かりそう?」
「いや、ダメだな
何となく、魔法に大まかに二種類ありそうってくらい」
暫くして、俺は肩を竦めた
「二種類?」
「七割ほどと三割ほどで別の魔法、な気がする
三割の中にも色々ありそうなんだが、そこら辺の細かい所までは魔法まで使わないとちょっとな……」
「微妙に使えないなお前」
「微妙でち」
「お前らな
兎も角、リファナが良さそうと言ったのは三割の側だ
トントン以上のものが多ければ目玉の価格を考えても大損だ。恐らく、トントン以上のものがその三割側なんだろう。画一的な残り七割が外れだ」
「外れではないだろうと?」
「ああ、どの程度の当たりかは知らないが外れではなさそうだ」
「さっき反則はいけないと言った口でそれを言うでちか」
「分かってないなゼファー。禁止なのは魔法で中身を読み取る事
これはそんな気がする、だけだ。これが本当かどうかなんて全く保証はない。リファナの選んだ卵は外れじゃない気がするという根拠無いネズミの勘だ」
「この卵だけ匂う気がする、イタチの勘ですなおふみ様」
「リファナちゃんを信じたいって、タヌキの勘が言っていますナオフミ様」
見事な亜人による根拠は無い三連発である。言われた方困るだろうなうん
いや、そういえば原作で尚文は右の方から適当に一個卵を選んでいたっけ。それはひとつ根拠だな。俺の狙うべき当たり(フィーロ)は右の方にあるという
まあ、50個以上あるんだけどな右の方にあると言える位置関係の卵。ぶっちゃけ何の足しにもならない
「当てずっぽうに賭けるのか?」
「盾の勇者様
そもそも、天井以外で引ける根拠があるものはくじじゃない。確実に当たりが出ると保証されている回数引かない限り、何時でも今なら引けるこうすれば引けるオカルトと勘の当てずっぽうだ」
「……おい
仕方がない、その卵にしよう」
お、リファナを信じるのか尚文、良い判断だな尚文
孵化だ登録だあるんだろう?と俺が最初から銀貨110を払い、尚文はその卵を手に入れたのだった
後はリファナの勘と尚文の運命力を信じるしかないか、フィーロが引けるって
いや、最悪別のフィロリアルでも雌ならばそう世界は変わらないかもしれないが。雄フィロリアル?勘弁してくれフィロナーで色ボケならまだしも男色な愛の狩人、元康ならぬホモ康とかヤバイ。尚文が危険だ。いや、いっそ掘られろだしそれで良いのか?リファナが悲しむから無しだな
因みにですが、パーティが4人までというのはネズ公の嘘です
そうでも言わないと買おうとするか怪しかったからですね
世界的には上限は決まっているか怪しいですが基本6人まで、それを越えるとペナルティーがかかります
でも全然足りないと言っておかないと買ってくれるかどうか怪しいので