そうして、樹ーいや、謎の覆面はくるりと此方を振り返る
まあ、樹側も尚文の影響で経験値が入らなくなったろうからな。他の勇者が来たという事で振り返るか
「元康さん!漸く……」
あ、良い澱んだ。まあ、この事態の元凶である元康じゃないからな来たの。盾の勇者岩谷尚文である。因にだが、元康の奴と遭遇したとき向こうから来ていたので此方に向かってたなんて話はない。原作通りだがガン無視する気のようだ
「元康じゃなくて悪かったな」
不機嫌そうな尚文。これも相変わらず
「あ、あれはいったいだれなんだー」
そんないつ……謎の覆面を見ながら、俺はそう叫ぶ
「棒読みだね」
「リファナも言ってやってくれ」
「えーっと……
だ、誰ですかあの……えーっと……」
「ヒーロー」
「そう、あのヒーローさんは誰ですか!」
あ、リファナ乗ってくれるんだ
ラフタリアはあれ、弓の勇者さんですよね?してる。空気が読めないな
「弓の勇者の頭は大丈夫でちか?」
「ナオフミ、お前以外の勇者って……」
そこのフォウルとゼファーも空気読んでくれ
『称号解放、空気読めネズミ』
ってうるせぇクソナイフ。樹に気持ち良く謎のヒーローさせてやれよ今回は多分味方だろ。だからここは樹が空気を読めてないんじゃなくて樹に合わせてやらない尚文が空気読めてないんだよ
「よくぞ聞いてくれました!……えっと」
「マルスだ」
「あ、私はリファナ」
ひょいと右手を上げて自己紹介。合わせてリファナも上げる
「よくぞ聞いてくれましたマルスにリファナ!」
そして樹は、軽く右手で顔を隠すような構えからビシッと謎のポーズを取りつつ、こう言った
「悪は絶対許さない、全てが謎に包まれた弓に導かれし正義の使徒
ジャスティス……ハイドマン!」
どーん、ぱらぱら。名乗りと共にいつ……ジャスティスハイドマンの背後で連鎖的に爆発が起き、リファナの耳がびくっとした
あ、リーシアの奴が背後で必死に爆発起こす魔法唱えてる。裏方も大変だな
「じゃ、ジャスティス……?」
「ハイドマン……?」
「そんなダサい名前は良い、樹」
「ば、馬鹿にしないで下さい!一生懸命考えた名前です!」
「やっぱり樹じゃないか」
「あ、……こほん
勿論僕は川澄樹なんて弓の勇者とは特に関係がありません、名前を馬鹿にされたから怒っただけです」
「そうです、イツ……ジャスティスハイドマン様はイツキ様みたいに強くて弓を使うカッコいい正義の味方ですけど、決してイツキ様じゃない……ってことになってるんです!」
あ、リーシア来た。でもフォローじゃないからなそれ
めんどくせぇ、とシンクロしてフォウルと尚文が見てる。仲良いなお前ら
「パーフェクト・ハイド・ジャスティスじゃないのか」
『称号解放、【†パーフェクト・ハイド・ジャスティス†】』
飾るなクソナイフ。パーフェクトハイドジャスティスってのは原作樹が名乗ってた名前だろうが
……本当にステータス欄に輝いてんだけど返品してくれその称号
「ぱ、パーフェクトハイドジャスティスって」
「何だその名前」
「いっそ寒いギャグでち」
って爆笑すんな尚文ぃっ!あとフォウルとゼファーも。樹がカッコいいと思って名乗ってた名前だぞ、馬鹿にしてやるなよ
「残念ながら」
そんな笑い勢はスルーして、ジャスティスハイド……長いから樹で良いや、樹は言葉を紡ぐ
「仲間の中にはこの良さが分からない人が居て。まだパーフェクトではないのでそれは名乗れないのです」
なんて、ドラゴンを模した覆面がフルフルと首を振る
……仲間全員失ってから名乗ってた気がするけど。そこらは知らん、心境変化か
「ですがその名前。貴方にはセンスがあるようですね」
「無いだろ」
「心底要らないセンスだ」
「良かった……のかな、マルスくん?」
「……いや、良かった……んじゃないか?」
「ネズ公、お前は今日からパーフェクトハイドジャスティスな」
「その改名は長いから止めろ盾の勇者ァッ!」
「パーフェクトハイドジャスティスくん!」
「乗るんじゃねぇよラフタリアァッ!」
「おいパーフェクトハイドジャスティス!」
「いい加減にしろフォウル!」
「いっその弓の勇者さんのところに行くとか
パーフェクトハイドジャスティスくんも似合うと」
「駄目だよラフタリアちゃん。マルスくんは、きっとなおふみ様を守ってくれるから
あ、パーフェ」
「リファナ、お前までその名前で呼ぶのは止めてくれ」
なんてじゃれていると
「弓の勇者様!」
あ、燻製だ。実際に会ったのは初めてだけど分かるわ
「ジャスティスハイドマンです」
「中心部に向かった村民達が……」
「そうですか
やはり、うかうかはしてられませんね」
踵を返し、漫才を終える樹
「手伝ってもらいますよ尚文さん。攻撃手段の無い貴方でも皆を守る点では僕よりも上でしょう?」
「というか、説明しろ樹」
「ジャスティスハイドマンです
……動きながら話をしましょう。盾の勇者の仲間達、特にそこのネズミも良いですね」
何かストレート飛んできたんだが
「ブラン……そこのワイバーンじゃないのか?」
「パーティのメイン火力は貴方でしょう?知ってます」
「そうでもないんだが、な
レベルの問題だ」
とは言いつつ、頼られて悪い気はしない
さっくりと蔓を切り開きながら樹の誘導で突き進む
「ふ、ふぇぇぇっ!」
「全くリーシア、お前は……」
「っと」
リーシアに絡みつく蔦をひょいと斬る
ちょっとはと思ったがリーシアのスペックあんまり高くないな。この辺りのリーシアのレベルってどれくらいなのだろう、カルミラ島で60過ぎだから……40ほどか?回りも同じくらいだとしたらほんの少しステータス低いってくらいか
因みに、特に蔦に苦労してる感じもない燻製の奴が……つまり全身鎧を着た偉そうな樹の仲間がリーシアに愚痴を言っているが、この蔦どもリーシアを良く狙うから当然なのである。正確にはリーシア、リファナ、ラフタリアの女性陣。尚文や樹や俺やフォウルや燻製を狙う蔦よりも明らかに多い。まあ、リファナ狙いは蔦で隠れんだろと気楽に使ってるフロートダガーでリファナの目に止まる前に斬ってるんだが。因みにでち公は全く狙われない。俺等以下だ。悪魔の血は不味いのだろうか
ってか燻製、お前リーシアと同数から狙われてれば多分今頃完全にぐるぐる巻きだぞ、全身鎧で動き遅いからな
「……樹、何でお前が居る」
「正式な名前で呼んで下さい」
「弓の勇者」
「尚文さん……
はあ、まあ良いです
貴方と同じですよ。この事態を解決しに来た。少しだけ、僕の方が早く着いたようですが」
「お前が?」
「何故尚文さんが疑うのかは分かりませんが、僕は正義の味方です
これだけの事を放置する筈がないでしょう」
まあ、その通りである
因みに話ながらも、樹は時折スキルを放って遠くに見える特に大きな植物を撃ち抜いていた。ブランの奴は空から火を吐いてるが、水分多いのか延焼はしない。してくれれば駆除楽なんだが
因みに、火力不足だし危ないからと途中からリーシア、リファナ、ラフタリアは尚文産の除草剤を撒く係りになった。ゼファーはブランの背に乗ってでちっている。フォウルと俺には無し。ネズ公差別だネズ公差別。まあ要らないけど
リファナ、ちょっと貸してと借りたもののコピーは出来ず、他の武器持つなネズミな警告アイコンは出た。ところでクソナイフ、除草剤って投擲具じゃなければ何処の管轄の武器なんだよ
……弓?ってそれはスプレー式だけだろクソナイフ