「おらぁぁっ!フロートダガー!セカンドダガー!ブレイズソーサー!もう一個ブレイズソーサー!おまけだオーバーギガスロー!
リファナに毒なんぞ盛ってんじゃねぇぞ腐れ植物がぁぁぁぁぁぁっ!」
跡形もなく細切れにしたバイオプラントの親玉らしき巨大な木に生えた目玉に巨大な燃える槍をぶん投げて大穴を開ける。そうして、奴は動ける部分が無くなった。辺りのも枯れないまでも動きを止める
……ふう、雑魚だったな
結局一人ぼっちで1体対処させられた。なので、久方振りにクソナイフのスキル全開で挑んでみたという訳である。このところ投擲具の勇者のフリとか出来る状況に無かったからな。ほぼスキル封印だったうさ晴らしと、単純にリファナを苦しめたこいつズタズタに殺そうぜという話である
このバイオプラント共こともあろうにリファナやラフタリアに毒盛ってけほけほさせやがってるからな。悪即滅である
ブレイズソーサーで豆腐ミンチにしてやる。……うん、不味そうだな。ってか多分食えたものじゃない
……あ、勿体ねぇなクソナイフ、とりあえず辺りのバイオプラント吸って新規武器を解放しとけ
さて、他はどうなってるかなーっと
……ひょいと何時ものスカイウォークで空を跳び跳ねてみる
尚文等は……大丈夫そうだな。村の人々を守る必要もありますからとでち公とブランが残らされてるが、それでも切り札の除草剤と尚文という現状無敵の盾とフォウルとかいうチート亜人が居るんだ、原作尚文より今のところ強いんだから勝てるに決まってる。5体居るのが面倒なだけで、多分1体1体は原作のとそう変わらない強さ……なんじゃなかろうか。何とか意識がはっきりしたリファナとラフタリアがフォウルの横で除草剤撒いてるだけでほぼ封殺だな。フォウルは素手でぶん殴って千切ってるが
リーシア達弓の勇者の仲間達は……あ、苦戦してる。ってかリーシアの奴が最前線に立たされた結果両手両足蔦に絡まれてふぇぇぇ!してる。何か叫んでるけど多分ふぇぇぇ!イツキ様ー!だろうな。因みに、一番お前が前線張れよな鎧の燻製は後方で指示らしきものをやってた。その全身の鎧は飾りかてめー。多分飾りだな
なんて見てると、遠くから燃え盛る火の鳥が飛んできてリーシアを掴んでいる蔦を焼き払った。当たり前だが、樹のスキルである。うん、仲間の危機を待ってたかのような狙撃だな
……待ってたのか、ふと見たら気が付いたのかは知らないが。原作で読んだ限りでは前者の筈なのだが、何かその印象と違うからなあの樹
スキル撃った樹自身は、バイオプラント自身は動かない為ある程度の距離から撃てるとしてかなり一方的な戦いを繰り広げている。辺りの蔦が襲いかかるものの、矢で斬れるくらいのものっぽいな、スタイリッシュ矢斬りアクションして突破してる。本体からの蔦やら毒液は届かないので正に一方的、時間はかかるが二番目に安心だ。一番?
……と、暇だから樹担当のもう一体倒しておいてやろうか
いや、樹がわざわざ自分が二体やると言ったんだ、手を出しちゃいけないな。多分自分だけ二体倒したとかそういった自尊心を満たしたいなーとかあるんだろう、とこそっと樹の近くに降りておく。いざという時のフォローだ
なんてやっている間に、尚文、樹、弓の勇者の仲間達の順で倒したようだ
残りは樹がスキルで遠距離から処理するらしいので、ほぼ終わりだな
……流石に最初にぶっ倒したあいつ復活してやり直し、とかは無いようだ。あったとして尚文は除草剤撒くだけだし辛いのはスキルぶっぱなす必要のある樹とその仲間達だけなんだがな
と思っている間に、樹のスキルが残り一体を貫き、全てのバイオプラントが沈黙する
はー、弱かった。面倒なだけだったな
なんて思って。
ふと、地鳴りのようなものに気がついた
「シールドプリズン!」
遠くで尚文がそう唱えたのが聞こえた気がして
直後、その辺りがぱっくりと植物製のアギトに飲み込まれた
そうして、巨大な何かが持ち上がる
……は?
と、呆然と見上げるしかない
……巨大な……これは龍?いやバケモノだけど龍かというと微妙だな。四足なのかすら良く分からない。何というか、光の国からやって来た巨大ヒーローと戦いそうな巨大な怪物
クソナイフの表示によると、大地の植物獣マガバイオロチだそうだ。なんだその謎の肩書き
……って、見てる場合か、これ?
……俺がずたずたにしたバイオプラントの目らしきものが各所に見える。あ、復活した。そう言うことか
バイオプラント本体は5体に分裂したのではない。そもそもこのマガバイオロチだか何だかに進化していたのだ。奴は大地の下で眠りにつき、体の一部であるバイオプラント本体を5体地上に出して光合成だとかをやっていた。で、今全機関を一度に潰されてめんどくせぇが追い払うかと地上に出てきたのだ
……進化しすぎだろオイ
尚文等をむしゃった顔以外にも何か顔あるし……中々に正面から見るとキモい
尚文等は無事だ。特にHP減ってない。多分シールドプリズンのお陰だな
プリズンを張り続けてる限り無事だろう。だが、プリズンを張れなくなった後は保証しない
……さて、片付けるか
というところで、もう一人無事な人間の存在に気が付いた
「……樹?
いや、ジャスティスハイドマン?」