パチモノ勇者の成り上がり   作:雨在新人

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弓の勇者とネズミさん

「……やはり。無事でしたかネズミさん」

 「やはりって何だやはりって」

 何だろうか、樹から俺の評価が妙に高い気がしてなら無い

 何でだ?そんなに変なことしたか俺?

 

 「ところでネズミさん。尚文さんたちは無事ですか?」

 という言葉に、首を振る

 「んまあ、HP減ってなさげだし、食われたけど消化されないってのが無事と言えるならば無事かな

 尚文のSPが尽きるまでの時間制限付きだけど」

 「どれくらい持ちそうですか?」

 「……シールドプリズン撃った時の減りが一応見えてるから……ちょいと計算すると……

 シールドプリズン4回分?」

 大体20分くらいである

 「その先は」

 「SPが尽きてそもそもの防御力的に盾の勇者だけは無事だろうな。後は段々消化される」

 「……僕の仲間達は、既にそれが始まっていそうですね」

 「俺、消化液出される前に倒したからそこらの計算は無理だぞ?」

 「構いません。そもそも、尚文さんのシールドプリズンが切れるまで持たせてはいけないはずです」

 「それも、そうだなっと!」

 偽・フレイの剣をぶん投げる

 

 「……投げて良いんですかネズミさん?」

 「ん?これは本来投げて使うものだ、よっと!」

 迫り来る蔦を、勝手に飛び回る剣が切り払った

 「尚文相手には使ってないけどさ

 この剣、本来は魔力込めて投げると勝手に相手を倒してくれるって便利武器なんだよ。便利すぎて何時もは頼らない事にしてんだ」

 と、言いつつフロートダガー。投げる武器である性質上何本でも用意できる投擲具の特性を利用して二本目の勇者武器を引き抜く。今回は竜鱗の投剣型だ

 「本当に、貴方は……」

 「弓の勇者様?どうかしたか?

 いや、謎のヒーロージャスティスハイドマンさんだったな」

 「いえ、何でも」

 言いつつ、バケモノに向き直る。あ、攻めてくる奴等はクソナイフが切り払ってたので特に問題ない。因みにだが、オートで切り払うのは偽・フレイの剣の固有能力だ。尚文がまだ持ってないけれどもいずれ手に入れるオートで研磨してくれる砥石の盾の砥石効果とかに近いものだな。他の投擲具に変えると使えない。まあ、元々神話のフレイの剣がそんな能力の剣だったしな、それを再現しようとして力だけは再現できたパチモノって感じだろうかあのコピー品は。宝物庫しっかりあさればオリジナルも収集されて転がってそうなんだが、それを漁る時間は流石に無かった。いくらだまくらかしているとはいえシステム経験値のクソヤロウ相手に動きすぎても不自然さが際立つからな。今はこれで良い

 

 「さーてと

 『力の根源たるネズミさんが命ずる

 世界に満ちる理の雷を今一度読み解き、彼の者を撃ち砕け』」

 「ドライファ・ボルテクス!」

 「エレメントスプラッシュ"炎"!」

 魔法の雷と、弓から放たれる炎の帯が巨大獣を撃つ

 が、特に変化はない。右前足辺りがちょっと焼け焦げて……あ、また新しい蔦が伸びてきて焼けた部分覆い隠された。自動修復持ちか。当たり前だけど元々バカみたいに成長する植物だからなあいつ

 

 「魔法でごり押し……はキツいか」

 「植物には炎、が定石のはずですが」

 「蔦や根で地下水脈から吸い上げた水分が多そうだ」

 「水は火で蒸発させられるものでは?」

 ……それはお前の世界の発火能力者の戯れ言だ。ってかあれは連続発火だからそう言えるだけで……

 「それはそうだが、水を蒸発させるのにも火力が要る。蒸発した瞬間にもう一度着火させるくらいじゃなければ火も消えてしまうだろう」

 「火力が足りないということですか

 流石にそれを解決するだけの火力では、リーシアさん達も蒸し焼きでしょうね」

 「じゃあどうするかだよな」

 うーん、デカイ。しっかり見ると100m級の巨体だなこのマガバイオロチなる植物のバケモン。禍々しいバイオプラントのオロチでこんな名前だが本気で止めて欲しい。あくまでも植物だから脆いっちゃ脆いんだがあまりにもでかすぎる

 

 「ジャスティスハイドマン

 正義の味方ならば巨人になれたり」

 「しませんよ流石に。僕は正体を隠して人のために戦う仮面のヒーローであり、光の巨人ではありません

 貴方こそ、何とかなるんじゃないですか?」

 「ん?ならないけど?」

 なるとしたら、尚文以外が全員死んだ後だな。って、リファナが例え死んでもアヴェンジブーストが覚醒段階行くかは怪しいんだが

 「おや

 隠すと為になりませんよ。貴方なら何とかなるでしょう。いや、なるはずです。そうでしょう?超S級異能力者、バトル漫画の住人……雷挺の勇者、御門讃」

 「だーれの事かなーそれは?

 俺は単なるこの世界に生きるマルスってハツカ種のネズミさんだよ。そんな太陽の子みたいな変な名前の人じゃない」

 ……成程、そういうことか

 

 樹が俺を妙に気にしていたのは、俺を御門讃扱いしてたからなのか。ってまあ、俺の人格の名前って確かに御門讃なんだけどさ。やっぱり、俺の生きてた世界に樹居たのな

 雷挺の勇者御門讃。ああ、勇者と言ってもこの世界の勇者とは違って単なる渾名だ。別に雷挺って勇者武器がある訳じゃない。アヴェンジブースト発現中の雷を纏う俺の姿から勝手にネットでそう呼ばれるようになっただけだ。つまりは俺の事である。ってか、何となく知ってたけどアヴェンジブーストの扱い超Sとかいうキチガイスペックに決まったのかよアレ、俺が生きてた頃はお伽噺ってか昔の人のフカシだろと思われてたせいかランク定まってなかったけど。ってか超Sって……何の役にも立たないぞあの異能。瑠奈が死んでからしか発現しないとかどれだけ強かろうが死人を生き返らせるような奇跡でもなければ無価値だろアレ。樹の命中の方が使い勝手良いし使いどころもはっきりしててよほど有り難いぞ

 ああ、異能はランク付けされる。基本はA~F、Aの中でも別格に強いと明確に政府に認められたものが特例でS(スペシャルのSらしい)。そして……お前人間じゃねぇよが超S。俺の勘では6種いなければ可笑しいが認定食らったのは(アヴェンジブースト)含めて4種4人しかいない。残り2種何処で寝てるんだろうな

 Sが特例であり人間の限界。超Sはこいつもう人間じゃねぇ単なる天災だという意味であり、超S認定された奴は法律上人権がない。国際条約の上でも人権を認めないという一文がある。ってか超Sは天変地異と同列として全員政府に厳重に保護というか管理されている。そんな扱い人間さまにはやったら人権侵害だからな、人権無いのだ。Sは人間の範囲内なので人権があるし、キレたらヤバイからか特典盛り沢山でズルいのだが

 因みにだが、樹の異能力である命中のランクはE。決して弱いものではないのだが、必中という名の上位互換があるのが厳しいか。って必中は必中で集中しないといけなかったりと完全上位互換じゃないんだが

 

 閑話休題

 

 「……御門讃」

 「御門さんじゃなくて、ネズミさんだジャスティスハイドマン」

 「……貴方は」

 「何に期待してるか知らないけれども、俺は単なるハツカ種のネズミさんだし、多分期待されてるような馬鹿な力は無いよ

 

 俺に出来るのは、精一杯あのマガバイオロチなるバケモノを倒す為に足掻くことだけ」

 「……あの、イタチの娘の為に、ですか?」

 「リファナ、って呼んでくれ

 俺は所詮はハツカ種だし、個人的に別にネズミでも良いんだけどさ。あの子達はあの子達だ。種族で呼ばないでやってくれ」

 「……」

 あ、黙った

 「では、リファナの為に」

 「違う。リファナの生きる、この世界の為に

 リファナが笑ってこの先も生きていける世界を、俺は守る。終わった世界じゃ、リファナに笑顔はない。そんなの悲しいだろう?それだけだ」

 「それが、貴方ですか」

 「なんで、さ

 期待してるよ。世界を守り救う四聖勇者には」

 「僕は……弓の勇者では」

 「知ってるよ、けれども勇者と同じく世界を救う志を持った、正義の味方なんだろ?」

 「弓の勇者……正義の味方……

 

 ええ、行きましょうか、ネズミさん」




ねずしっているか、ここではたいようはサンとよまない

あと御門讃は妹がルナだから太陽の子とネタで名乗ってたがそれを別世界のネズミであるネズ公は本来知ってちゃ可笑しい
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