パチモノ勇者の成り上がり   作:雨在新人

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伝説の竜神()

『ピィ!』

 『ピヨ!』

 鳴く二羽に、適当にストレージ産の肉を与えつつ観察

 

 ……というか孵ったばかりで肉を食うな肉を。食べてるから与えてる俺も俺だが

 殻を吸わせ、ついでに撫でつつ羽毛なんかも吸わせて確認

 魔物使い系が解放されてってるな。逆にフィロリアル系はロックされてる。竜鱗の投剣のせいか。まあ仕方ないと言えば仕方ない

 

 クソナイフの魔物鑑定スキルを使って確認したところ……銀に黒混じりの方が雌、黒に銀混じりの方が雄か。一対のようでいて雄雌別れる辺り本当に良く分からん生き物だ

 「ゼファー、一羽持っててくれ」

 と、放り投げ……たら危険だな、とうっかり首根っこ掴んで投げてしまってから気が付き

 「ファスト・レビテート」

 魔法で事なきを得る

 

 あ、受け取ったでちの胸に顔埋めてる。あいつは……黒地だから雄の方か、胸が好きなエロリアルだエロリアル。いや無いか

 『ピヨ!』

 あ、鳴いた。元気だなこいつら

 「で、どうするでち?」

 俺から貰った半生肉を裂きつつ、でち公が聞く。器用だな、俺なんて取り出したまま与えてんぞ丸ごと呑み込むから良いやって

 『ピィ!ピィ!』

 指を出すとじゃれてくる。頭を擦り付けて、中々に可愛らしい

 ……ネズミ的には鳥って敵なんだけどな、亜人なのでその辺りは気にしない。そもそも気にしてたらリファナなんてイタチじゃないか捕食者と被捕食者の関係で怯えることになっちまう

 

 「俺を親だとでも思ってんのかね」

 「ブランはそうでも無かったでちけどね」

 「腐っても竜だ。偉大なもんだろ

 こいつらはその点フィロリアルだ。基本的に……割と鳥頭だし、刷り込みとかあっても可笑しくない」

 「ボクと同じでちね」

 なんて、フィロリアルを頭に載せて真顔でほざくでち公

 「……そうだったのか」

 「何でボクがマスターについてってると思ってたでちか……

 最初の設定時に居た相手を旦那様として尽くすのがボクのプログラムでちからね」

 今度は笑顔。そこでそれに変えるのかお前、いくら表情の種類無いからって

 

 「まあ良いや。ゼファーはゼファー、お前である事は今更そんなこと知っても変わらないしな」

 「間違いを見付けたでち。ゼファーはベールでち」

 「ベール・ゼファーだからどっちでも同じだろ」

 「ならベールで良い筈でち!?」

 「おい、頭の上の落ちるぞ」

 「っとと」

 揺れるでちの頭から転げ落ちかけた黒い羽毛玉を、透き通った良く言えば妖精の、悪く言えば蠅の羽根が受け止める

 ピヨピヨとその上をとことこ歩いて胸元に戻っていくなあいつ。元気だしもう歩けるのかさすがは魔物。人類とか歩けるようになるまでに年かかるぞ

 

 「ということで、だ」

 街道脇でキャンプ。適当にストレージから棒出して、適当にストレージからドロップの毛皮を出して被せただけの適当極まる作のテントをはって、その前でクソナイフ投げて折った半分枯れた木での焚き火。無いよりは良いだろテント

 にしても、この辺り枯れ木増えてんな。そんなに樹の言ってた場所から遠くないし……ってここまで影響あったらヤバすぎる距離だな。尚文らと歩いてたらあと3日はかかるぞ

 「こいつらじゃ何時か問題が出るので名前を決めようと思う」

 『ピィ!』

 俺の耳で遊びながら、元気に雌の方が鳴いた

 因みに雄の方はでちの胸に頭埋めておねんねしている。やっぱりエロリアルだこいつ

 ってあ、おい、銀羽毛!耳を齧るなそれは食べ物じゃない。ふう、下手したらギザ耳電気ネズミさんとかいう取り残されそうな生き物になるところだった。未来の世界の青ざめたネズミ型転生者に……は無理だろうけど

 

 「マスター、マスターの名前のセンスは死んでるでちが、まずはマスターの意見から聞くでち」

 「disるなゼファー」

 「パーフェクトハイドジャスティスマスター」

 「止めろその称号は」

 そしてクソナイフ、またパーフェクトハイドジャスティスの称号を光らせるな。消せそんなもの

 

 さて、どうするか……

 と、掌にフィロリアルを移して考えてみる

 『ピ?』

 こてんと首をかしげて見返してくるフィロリアル(雌)。その眼は綺麗な蒼で

 ……ブルーアイズホワイトフィロリアル……

 ってだから何だよそんなの。違うだろ

 

 銀に……黒

 『ピピィ!』

 翼を広げてアピールっぽいことをする鳥

 「黒……銀の翼。えーっと何か居たな……

 バハムート」

 『ピィ!』

 名前候補を探すなかで適当に頭の中で呟いて……

 「マスター、センス疑うでちよ」

 「ん?」

 「バハムート」

 『ピィ!』

 悪魔のやつが真顔でバハムートと呼ぶと鳴き返すフィロリアル

 

 「……待て」

 流石に無いわなーと適当に無いの側に整理してた言葉を口にしてた……んだろうな

 でも、バハムート?反応しないでくれそんなのに

 「バハムート?」

 指を出し、呼んでみる

 『ピッピッ』

 喜んで指にすりすり。駄目だ、これは

 「……止めろ、考え直せ

 バハムートってあれだぞ、魚だぞ。なあ、お前雌なんだろ?魚の名前で良いのかよ」

 「作られなかったボクの妹にはフォルネウスって魚扱いされそうなのが生まれるはずだったでちよ」

 「お前は悪魔だからモチーフ的にそうだろうがゼファー!

 なあ、お前フィロリアルだぞ?魚じゃないんだぞ?

 ってか魚じゃなかったらドラゴンの名前だぞバハムートって。お前仇敵の名前で良いのかよ、考え直せ

 

 そうだ、安直だけどフィーロとか」

 シーンとして無言。ゼファーも、そしてフィロリアルも何も言わない

 「フィーロ」

 ぷいっと横を向く

 「バハムート」

 『ピィ!』

 「考え直せぇぇぇぇっ!」

 

 「じゃ、もう一羽は」

 『ピヨ?』

 あ、起きてる

 「リヴァイアサンでちね」

 「ゼファァァァァァッ!?」

 『ピヨ!』

 「止めろゼファー!こいつまでそっちに引き込むな!」

 「疑問でち、厨二なマスターに丁度良いでちよ」

 「厨二ってのは似合わない適当な名前付ける事じゃねぇからな!?」

 「ふっふっふっ。これでマスターのパーティーは神話縛りでち。リファナなんて名前の入る余地は無いでち」

 「そんな縛りねぇよ!ってかゼファー、根に持ってるだろお前!」

 「ボクはベール・ゼファーってバアルゼブルな名前に誇りを持ってるでち

 だから回りにも分けてあげるでち」

 「そこはボク以外にはやらないでちしてくれよ……」

 バハムート(フィロリアルの雌)とリヴァイアサン(フィロリアルの雄)

 何だこれ

 

 「バハムートとリヴァイアサン」

 『『ピヨピィ!』』

 ……気に入ってやがるし

 「……ムゥ」

 『ピ?』

 「良いか、お前はムゥだ。バハムゥト、略してムゥだ」

 『ピッ』

 すりすり。あ、聞こえてるか

 ……何とか軌道直せるか?

 「ムゥ」

 『ピィ!』

 「バハムート」

 『ピピィ!』

 ゼファーの声にも反応する。駄目だこいつ

 だが、最低限まともっぽい名前でも反応させられる。これで手打ちにするしかない

 「そしてお前はリヴァイな」

 『ピヨ!』

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