これからも多分続きます
「おや、お邪魔してしまいましたか。かまいませんよ、尚文さんの仲間達。僕の事は気にせず続けてください」
「無理です弓の勇者様」
僕が顔を出すと、面白そうな話をしていた三人の少女が、その口をつぐんでしまった
何かいけなかったのでしょうか。少し気になる話をしていたので、ふと顔を出してしまったのですが
「そ、そもそも、弓の勇者様偽物で、死んだって……」
と、恐る恐る聞いてくるのは茶髪の少女、ラフタリア
「ああ、貴女達もその噂を。そのような噂が流れているようですね。大丈夫ですよ、別に僕は幽霊ではありません
僕や錬さんも尚文さんと同じく偽勇者。真の四聖なる勇者は元康さんだけで、残りの神を騙る偽勇者2人と盾の悪魔を三勇教は許しはしない……そしてまずは弓の悪魔を征伐した、だとか」
「は、はい……」
「確かに死にかけましたが、リーシアさんの幻影魔法で事なきを得ました。そう大したことが出来るわけでもありませんが、出来ることがとても広い。頼りすぎなければ頼りになります」
「それ?誉めてるんですか?」
そう聞いてくるのは金髪に近い少女、リファナさん……でしたね。あのネズミさんが珍しくご執心の
「ええ、誉めてますよ。リーシアさんが居なければ、今僕は此処に居ません」
悔しいですが、それが真実です。ネズミさん……御門讃ならば軽々とほい○○、で片を付けたであろう襲撃。襲ってきたのはあの三人の謎の集団に比べれば弱い人たちでしたから。きっと何らかの手段であの三人を追い返したのであろう彼ならば間違いなく。だというのに。なのに
僕は……彼と違って死にかけてしまった。彼らの特別な異能力と同じ……それに負けない特別な力、弓の勇者の力を得たのに。それでも。それが、リーシアさんに助けられなければならなかったことが、たまらなく悔しい
けれども、前を向きましょう川澄樹。生きていればきっと何時か御門讃すら越えられると。超超S……いえ、超SS級異能力弓の勇者になってみせましょう
「と、そうじゃありません。そこらの真面目な話は尚文さんとやれば良いことです」
「じゃあ、どうして出てきたんですか?」
「良いですかリファナさん
……こほん。女の子達の恋愛話、それもネズミさんに関わる事だったので、気になりました」
「……うわぁ」
軽蔑するような目付きで見てきた青い髪の少女は……あれ?こんな人尚文さんの仲間に居ましたっけ
「……失礼ですが、貴女は?」
「私を知らないの!?
……弓の勇者様だもの、知らなくても当然ね」
ちょっと高飛車っぽく、けれども僕が異世界人だからとすぐに間違いに気が付く、なるほど、割と聡明な女の子のようです
「私は……メルティ」
「メルティさん、ですか……。ああ、初めましてなので知っているようですが自己紹介を
僕は川澄樹。弓の勇者をやっています」
……ああ、思い出しました。尚文さんがそんなことするはずないので根も葉もない噂と聞き流していた尚文さんが第二王女を拐って逃走中というあれの
「マルティさんの妹さんでしたか」
「あの人の妹と括られるのはちょっと」
……おや、姉妹仲は良くないようです。いや、普通ですか。明らかに性格悪そうですからねあの上の王女様は。錬さんとか嫌そうに距離を置いてましたし。尚文さんがそんなことしたはずない。明らかに向こうの女の嘘だ。けれどもどこか周りが可笑しい、抗議しても不利になるだけだから今は、と。そしてやはり、彼女は王女でとなりましたね
いえ、今はその事は良いでしょう。錬さんは行方不明ですが、生きてはいるでしょうし。寧ろ行方不明でぱったりと剣の勇者の目撃情報が途絶えているのでどこかに潜伏しているのでしょう。今のこの国はあまりにも可笑しいですから。そう、僕が解決すべき悪の香りがしてなりません。ネズミさんには逃げろと言われましたが、ここで逃げては正義ではありませんから
……尚文さんと、共に行動すべきか或いは分かれてどうこうすべきかは後に話しましょう。今はちょっと、ここでのネズミさんが気になります
「メルティちゃんは、なおふみ様の前で一緒に岩に潰されそうになっているところを、フォウルくんに助けられたんだ」
「それは今関係ないわよね!?」
「え?でも、弓の勇者様は恋愛話を……」
「だ、誰がハクコなんか……なんか……」
……ああ、恐らく一目惚れという奴ですねきっと。ロミオとジュリエット
「とっても失礼な目で見られてる気がする」
「こほん
……リファナさん、ネズミさんがどうしたんですか?」
「うん。ラフタリアちゃんが言う、マルスくんがわたしの事を好きなんじゃって事なんだけど」
「死んでいない前提で話が進みますね」
「うん。フォウルくんって、マルスくんの奴隷だよね?その奴隷紋って主が死んだら消えるタイプらしいんだけど、消えてない」
「ああ、生きてますねそれは」
まあ御門讃ですし生きているでしょう。雷霆の勇者とまでやっかみ込みで呼ばれたカッコ良くてバカみたいに強い異能の持ち主は伊達じゃありません。本人は……割と使えないと言っていたようですが、本当に世間から使えないと思われていたら超S認定も最強議論登場もありませんし
「それで?ネズミさんがリファナさんを好きだと何が?」
「何にも」
「おや、何にも、ですか
答える気とかは?いえ、まだ早いかもしれませんが……受けるにしろ、断るにしろ」
……きっと断りますが、ね
「うん。何にもないよ
マルスくんだって、わたしが答えることを望んでないし」
「えっ、そうなの?」
ラフタリアさんが意外な顔をしていますね。リファナさんは当然って顔してますが
「うん。ラフタリアちゃん、昔のお祭り、覚えてる?」
「何時の?」
「えーっと、2年前
みんなであのお祭りの日、恋人ごっこって二人で回ったよね?」
「うん。私はキールくんと」
「うん。でも、よく思い出してみて?
あの日のお祭り、マルスくんって参加してないんだ」
「……あ、見た覚えが無いよリファナちゃん」
「うん。居ないなーって思って後で探したら、海辺で一人黄昏てたんだ。両親の事を思い出して、こんな気分じゃお祭りを楽しめないからって」
「うわぁ……カッコつけ」
と、メルティさん。確かにカッコつけですね。当時……何歳でしょう。似合わなそうです
「可笑しいよね?わたしが二人組の振り分けやってて、最後の方まで残ったから、幾らでもじゃ一緒にって言えたのに」
「確かに」
「後は……お祭りじゃなくても、いろんなごっこ遊びをしたよね?」
「うん」
「盾の勇者さまごっこ、王様ごっこ、……色々あったけど、新婚さんごっこ結婚ごっことかの時だけ、マルスくんはいっつも御免外でおもいっきり体動かしたくなっちゃったって外にいっちゃってた」
「盾の勇者さまごっこだと、何時も盾以外の勇者やってたね」
「きっと、対抗心でしょう」
……話に聞く御門讃ならそうやりそうです
「それに、聞いたことがあるんだ
キールくん達みんなでサディナさんに近くの島に連れていって貰おうって日にマルスくんが寝坊助さんしちゃった時あったよね?わたしが起こしに行ったでしょ?『おれは二度と、恋をしちゃいけない』って。真っ赤な目で。うわ言のようにずっと言ってた。夢……だったらしいんだけど」
あ、マルスくんには内緒ね、きっとその言葉聞いたって知ったら気に病んじゃうからと、苦笑するイタチの少女
「うん。だからね。マルスくんのわたしへの好きはそういうものじゃないし、だからわたしもそういうことは考えてないよ
マルスくんはお兄ちゃんみたいな人で、わたしは妹。きっと、それが良いんだよ、ラフタリアちゃん
こんな話で良いの、弓の勇者様?」
……似たような話を、聞いたことがありますね
御門讃の中学時代の同級生で、サッカー部のマネージャーだったって塾での大学生バイトの先生に。告白したら、今から瑠奈の側に居てやる時間を増やすために止めるところだった。俺のプレーに惚れたと言うならごめん俺なんかとつきあっても失望するだけだ、止めておいてくれ。君は絶対幸せになれないと、何時もの自信満々な調子が嘘のように弱気に断られたと
やはり、ネズミさんは御門讃ですね
面白い話が聞けました。それでは、尚文さんを探しましょうか
何かマルティ相手に真の愛に目覚めて盾の悪魔とネズミの悪鬼に挑む騎士キタムラを見たい人多いですね…
何でタクトあんまり人気ないん?
次のボス戦の難易度。イージー以下、ノーマル、ハードで以降の展開及び一部キャラの生死が多少変わります。締め切り11/1(金)の15:00頃。では、次のボス戦のシーンタイトルは…
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舞い降りる神鳥(難易度:強制勝利)
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3/12の偽神(難易度:ベリーイージー)
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1周目のラスボス(難易度:イージー)
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4/7の最強勇者(難易度:ノーマル)
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皇女に捧ぐは真なる愛(難易度:ハード)