「タクト、まもる」
言葉と共に、背も低く胸もないニンジャ女から放たれるのは……
いや、そこはニンジャやるならスリケンとかクナイとかだろ!拳銃ぶっぱなすな調子狂う!
「ったく、投擲具の勇者に投擲具で……いやお前の外見なら挑んでこいよ!」
因みに撃鉄を上げてからトリガーを引くリボルバータイプだったので面食らったがそれだけだ。取り出した瞬間に撃てるものでもないからな。暴発覚悟で撃鉄あげたまま持ち歩かれてたら当たったかもしれないが、悠長にワンアクション置いてくれればそりゃ避けられる。当たり前だろ
残念ながら投擲具には斬鉄剣が無いので銃弾を斬りながら突進というのはやりたくない。刀や剣にならスキルとして存在するのも武器として存在するのも見たんだけどな!だが俺の武器はそいつらじゃないので仕方ない
『力の根源たるタクトの翼が命ずる』
『力の根源であるタクト様の盾が命ずる』
と、俺が銃弾と戯れている間に響くのは二つの詠唱。アトラとシュサク種っぽい派手中華女だ
にしてもタクトの○って自己認識ひでぇな!俺も似たようなモンなんだけどさ!
「タクトの手を煩わせるまでも無い!」
「まぐれ……つぎはない」
ああもう面倒くせぇ!増えんなお前ら
いっそ殺してくか?と言いたいのだがそれは止めとこう。フィトリアにああ言っておいて自分はさくさく殺してたら詐欺ネズミだ。あと、殺してくとしたら……
一番弱いのハクコのアトラだからな!後でフォウルに殺されるわ
さて、やるか
『力の根源たる投擲具のネズミさんが命ずる』
ある程度なら魔法も使えるように戻したぞ?ある程度であり、精々ファスト級がファスト級って呼べないでもない速度ってくらいなんだが
と、向こうの魔法が完成し……
「ドライファ・フェニックスブレイズ!」
「ツヴァイト・アースブレイズ!」
ブレイズ縛りか?
いやどうでも良い。波のように迫ってくる土石流と、その上空を覆い上に飛び退けないようにと飛んでくる炎の鳥
ドライファ級はある、面倒だな。だが
こっちだって流石に間に合うんだよ!
「ファスト・ブリッツクリークⅢ!」
唱えるのは超短距離の移動魔法。プラズマと化して指定点(視界の中の……大体10m先くらいまで)を駆け抜けるぱっと見クソ魔法。何と言ってもクソさとしては、出現地点には速度0状態で出現するからブリッツの名に恥じる初速出しなおしなのだ
だが。今はそれでも良い。プラズマと化す関係上、勇者のスキルくらいしか当たらない。移動中、放たれた物理的な隙間のある魔法くらい……雷はすり抜ける!
終わった瞬間に全力で上にジャンプ!一瞬何を使うか迷うも、答えは刹那
「スパイダーウェブ!」
蜘蛛の魔物の素材により解放されたスキルを放つ。殺さないようにって言ったからな!クモの巣、その名の通り距離と共に広がるねばねばネットをぶん投げるスキルだ。強化は無し。解放したは良いが基本的に殺した方が早いせいでこちとら初使用だ、感覚掴めてないし練度も足りてない
「大風車!」
そんなネットは、タクトがぐるっぐる槍を回して全部絡め取られる。いやまあ、そりゃそうか。それならもっと殺意あるスキルでも良かった
「俺以外にこの子達を白く汚させない!」
いやお前は良いのか。って毎日やってるんだろうなお盛んなこった
「タクト……」
ってあいつらドン引きどころかキラキラお目々かよ!胸焼けがするな!
「バカめ!翼もないのに跳ぶからだ
お前は負けるんだよ!」
と、勝ち誇ったようなタクト
「フロストシュート!」
氷の槍が俺目掛けて飛んでくる
……空中だ。自分で飛び出した。足場もなく、翼もなく、自由落下するのみで基本的には避けられないだろう
基本的には、だけどな
「ギガスロー
飛んでくる槍を、投げ放つ槍で粉砕
「ヴァーンズィンクロー!」
迎撃されても二の矢がある!とばかりにまたまた飛んでくる閃光も、無意味なほどに強化した事でわざと増させた反動で後ろに吹き飛ばされる俺には届かず空を切る!
「タクトの為に!ツヴァイト・ボルテクス!」
っと、アオタツ種の放つ俺の得意だった魔法と同じ雷撃は……
「ファスト・スカイウォーク!」
吹き飛ぶ先を狙われたので空中静止で回避、ついでに飛んでくる銃弾は……仕方なしに斬鉄剣。スキルではなく自力だから、完全オートなスキル斬鉄と違って斬った後の銃弾に当たらない角度とか振るスピードとか神経使う!避ける方が楽だなやっぱり!
と、上から降ってくるものを剣で受け止め
「掛かった!避けられると油断したな!」
あ、これタクトの放った槌スキルか
バチバチという光が、俺からタクトにゆっくりと飛んで行き
「やりましたねタクト様」
「フラッシュボム!」
だが残念!そいつはネズミさん謹製の爆発する投げ爆弾!奪えてないんだよ、その程度の干渉じゃ!
セカンドダガー、チェンジダガー(神)
地面に降り立ち、炸裂する光に全員の眼が眩む中。漸く一撃を放つ
眼が見えなければ、動けまい!食らっとけタクト
「神撃のけ……」
っ!危ねぇ!
何で軌道が分かったんだアトラ!ちょうど良く射線に入ってくんな!
「アトラ、俺の盾になるなんて」
「タクト様に治していただいた目のお陰ですわ。元々見えなかった目、潰されてもタクト様を護ることは出来ます」
……ちっ!そうだった!あいつ元々病で眼が見えなくて、そういうこともあってフォウルが過保護化してたんだった。フラッシュボムの光で目を潰しても昔取った杵柄で何とかなるのか、厄介な
……手数が少ない
いや、だとして誰が来るってこともないのだが
ならばまずは四神どもを殺さない程度に大地に沈めるしかないな。各個撃破だ。そもそも最初っから殺すのはタクトだけで良いとか思ってタクト狙いしてたのが可笑しいんだ。将を射んとするならばまず範囲攻撃……ってそれはこの世界の常識の方か。まず馬を射よだ
「ハツカごときがタクトのものを持っているというだけでも許せんのに」
「にげあし、はやすぎ」
「タクト様に何でこんなに逆らえるのよ」
「タクト様は守ります」
……あーだこーだ
ひどい言われようだなうん。素直に煩い
おまけのような神受スキル解説
息しているだけでレベルアップ リョウと呼ばれていた転生者なんかが持っていたスキル。周囲で発生した経験値の一部(9割)が自分が関わったかどうか一切無関係に自分に入るチート。凄く強いのは間違いないのだが、戦闘そのものには一切関係ないためそのままネズ公に殺られるのを止められなかった
永遠の少女 ユエと呼ばれていた転生者などが持つスキル。眠る前にあの時は良かったと思いながら眠りにつき日付をまたぐ事でその時に肉体を戻せるスキル。どんな怪我も眠れば治るし処女だった頃を思いながら寝れば子持ちからでも処女に戻る等凄い……のは凄いのだが寝て日を跨ぐ前に殺されては無意味であった
アクマゾン 冷泉一樹等のスキル。悪魔に頼んで色々と変なものを買って届けて貰えるスキル。生活は凄く便利になるだろうし実はある程度であれば異世界のものも持ち込めるが、注文したものも届く前に殺されては無意味であった
無制限の銃製 現状保持者未登場。外見を思い浮かべるだけで内部構造とか知らないけど何か作れてしまうスキル。タクトが変な銃とか量産して持ててるのはこのスキル持った転生者が昔作った銃なんかを現地人が解析して量産したからである