劇場版 -ハイスクールD×D- 補講授業のイミテーション   作:ユウナ

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アーシア「今回は私の回ということで、よろしいのでしょうか?」

ゼノヴィア「そのようだね。いやー親友として鼻が高いよ」
イリナ「そうそう、アーシアさんって元々メインヒロインだったじゃない? だから、こういうヒロイン回もあっていいと思うの!」

アーシア「いつの間にか、すっかりリアスお姉さまと離されてしまって……。イッセーさんはやっぱりお胸の大きい方がいいんですよね……」
ゼノヴィア「アーシアだって成長期さ。それにこうして揉めば……」
アーシア「あっ……ふぅんっ。ゼノヴィアさん、えっちな触り方やめてくださいぃ」
ゼノヴィア「相変わらず、アーシアの胸は触り心地がいいね。イッセーもきっとこれを知ったら病み付きになるに決まってるさ」
イリナ「おおっ主よ。アーシアさんの一途な想いが報われますようにっ……」

桐生「兵藤、ちゃんとアーシアをエスコートしてあげるのよ!?」
イッセー「分かってるよ。任せとけって」

アーシア「それでは、本編スタートですっ!」



アーシアとデートしますっ!

いやー、修行ばかりにかまけていられないのが赤龍帝のつらいところだ。

休日は修行で潰れる上に、平日は当然学校がある。休まるときがない。

でも俺以外のメンバーは才女や才児ばっかりだから、学校での勉強にも全然苦労してる様子もない。

特にゼノヴィアは最近、なんだかやたら勉強に熱心なようだが……。

吸血鬼のところで話してた目標ってのに関係してるのかね?

部活を休んでシトリー眷属と一緒に生徒会室にいることもあるんだぜ? ほんとどうしちゃったんだか……。

俺にはそれがなんなのか全く想像できないが、リアスたちはどうやら知ってるようだ。

まぁあいつから話してもらうまで待とうと思っている。

 

 

皆が初代と修行の日々を過ごすなか、学校生活の中にも変化があり……、

「あ、兵藤君。ちょっとこの荷物運ぶの手伝ってくれない?」

「あ、花戒さん。はい、分かりました」

花戒さんの運ぶダンボールを俺も持つ。

「生徒会の中で唯一の男手の元ちゃんがいなくなっちゃったからねー。こういう作業が大変で」

「ええ、でしょうね」

匙は今この駒王町にいない。というのも――、

 

 

「兵藤、タンニーン様と話をつけて欲しいっ!」

「へ? 何の?」

 

突然で何の話か分からず、間の抜けた返事を返してしまったのだが……。

どうやら匙はタンニーンのおっちゃんに修行をつけて欲しいそうなのだ。

「ああ、皆は初代様と必死に修行してるだろ。それを見てたら、やっぱり俺も早く禁手に至るために何かしなくちゃいけないんじゃないかと思ってな」

なるほど。初代との修行もしたいけど、今はサイラオーグさんとかも来てるし、初代がいくら達人とはいえ、その体は一つだもんな。匙ばかりに構ってはもらえないだろう。

 

 

シトリー眷属は、これからソーナ会長が運営する『学校』の件もある。修行に専念するには今が一番いいタイミングだろう。サイラオーグさんもその『学校』の講師として呼ばれていると聞いている。サイラオーグさんがわざわざ今、初代のもとに修行にきているにはそういった理由もあるんだってさ。

ま、ドラゴンの修行と言えば、やっぱドラゴンとやるのが一番だよな!

俺もタンニーンのおっちゃんと一緒に修行して、禁手に至ることが出来たんだし。

「そう、そうなんだよ! お前はタンニーン様との修行で禁手に至ったんだろ。なら、俺もやっぱりタンニーン様と修行をしなくちゃいけないのかと思ってさ。俺に足りないものは、お前と比べるとそういう経験なのかと思って……」

俺の禁手に至った経緯を参考にしてるってことか。案外、匙に足りなかったのはドラゴンとの実戦形式での修行かもしれないな。

よしっ! そういうことなら――、

 

 

「いいぜ、タンニーンのおっちゃんに頼んどいてみるよ。多分OKしてくれると思うぜ」

おっちゃんは面倒見いいドラゴンだからな。ただ……、

「おっちゃんとの修行は厳しいぜ? 覚悟しとけよ」

「おう、死ぬ気で頑張るさ。会長にもいいとこ見せたいしな!」

と張り切っていた。おっちゃんのしごきは厳しいが、匙は俺に負けず劣らずの根性の持ち主だ。きっと乗り越えて、禁手に至ってくれるだろう。

 

 

それと驚いたことがあるんだが……どうやら匙がタンニーンのおっちゃんのもとに修行をすると聞いて興味を持った家のマスコットキャラが一人。

「我もヴリトラについていく」

「オ、オーフィスもついていくのか!?」

「ともだちのともだちはともだち、とイリナが言っていた」

つまり、匙の手助けがしたいってことか?

「我、ヴリトラの力になりたい」

「お、そうか……その、よろしく頼む」

匙も若干たじたじになりながらも、その申し出を受けた。

「龍神さまのありがたいご加護を頼むぜ」

「我、ヴリトラを見守る」

龍王と龍神がついてるんだ。匙の修行はきっと捗るに違いないっ!

 

 

「ありがとう。兵藤君」

「はい。どういたしまして」

花戒さんの手伝いが終わったあと、一年生の様子を見ようと教室の前を通りかかってみた。

すると――、

 

 

「ギャスパー君休みなの!?」

「風邪かしら? 心配だわ」

「家の用事だそうよ」

「レイヴェルさんも家の用事で休みだそうだわね」

 

 

そう、ギャスパーとレイヴェルも駒王町を離れていた。

ギャスパーは、グリゴリの研究機関に行っている。意識不明のヴァレリーを安全に保護してくれるところへの付き添いと、自身の神器に関することでだ。

ヴァレリーはあれから目を覚ます気配はない。

やはり、クリフォトが所持する聖杯を取り戻さなくてはならないようだ。安心できるのは、命に別状はないということ。三つの聖杯の内二つがあるおかげで、生命機能自体は安定しているらしい。

それと神器に関しては、あの闇ギャスパーとでもいうのか、とにかく闇の化身となることが出来た自身の変化のことをよく知りたいそうだ。

ギャスパーのやつ……ヴァレリーの聖杯を取り戻すんだって張り切ってたもんなぁ。あの力を究明して、自分もクリフォトとの戦いに役に立ちたいのだろう。

そんなギャスパーに付き添う形でアザゼル先生もグリゴリの研究施設に戻っている。ギャスパーの神器を調べたいって言ってたもんな。今頃、思う存分に調べて愉悦に浸っているんだろう……。

でもまぁ、あいつも立派なグレモリー眷属男子に成長したもんだ。出会った当初の引きこもり時代と比べるとえらい違いだよね。あいつならヴァレリーをきっと取り戻せるさ。俺たちだって全力であいつに協力するつもりだ。

 

 

レイヴェルは本来なら、俺とルフェイとの契約の準備に奔走しているはずなのだが、そのレイヴェルの家とアーサーの話し合いが終わってから契約を進めたほうがいいので、一時フェニックスの家に戻っている。

それはテロリストたちの間に流通している偽『フェニックスの涙』の報告があるためだ。

実際に攫われたレイヴェルから話を伺うことが大事なのだろう。レイヴェルの報告を元に対策を講じるそうだが……。

もうかなりの量が流通してしまっているし、既に製法も確立してしまっている。製作元を叩き潰すしか、もう止める手立てはないだろうな……。

そんなこんなで、実はチーム「D×D」は全員集合とは、なっていないのだ。

 

 

てか、そろそろ期末テストがあるんだよなぁ……。勉強しなくちゃいけないことは解ってるんだけど。最近の忙しさを考えるとあんまり出来そうにもない。

いざとなればリアスたちに徹夜で勉強を教えてもらうか。

そう決心したところで、桐生から声をかけられた。

「ねぇねぇ。兵藤」

「なんだよ、桐生」

「なんだか最近、アーシアが遠い目をしてることがあるのよねぇ」

うっ、やっぱりそうか……。

この前の、アーシアのファーブニルとのやりとりで受けた精神へのダメージは、思いのほか根深いものだったのかもしれない。

家でもたまに目が虚ろになって、言動がアレなことがあるし……。

教室で女友達と一緒にいるときも、そんな風になったりするのか。……やっぱり心配だ。

「前に体育祭の直前にもそんな風になってたことがあるけど、あのときとはまたちょっと違う感じなのよねぇ」

相変わらずよく見てるね! でも、それだけアーシアと一緒にいてくれてるってことだよな。

アーシアは結構いい友達を持ったのかもしれない。

 

 

「ね、兵藤なんか知らない?」

「あー、心当たりがあるような、ないような……」

うーん、こいつに悪魔関連のこと言うわけにはいかないしなぁ。

アーシアとはそういうの抜きでの友達でいてほしいし、なにより異形の世界のことに一般市民であるこいつを巻き込みたくない。

「はっきりしないわね。ま、その顔は心当たりがあるけど、私には言えないって風だからいいんだけど」

桐生さん鋭いねっ!? いや、俺が隠し事が出来ないだけなのかなぁ……。うーん、まぁこんな感じで察してくれるのはありがたい。

桐生はうんうんとうなずいた様子で、

「とりあえず、アーシアを気晴らしにデートにでも誘ってやってよ」

「デート、アーシアと!?」

あー、それは考えてなかった。確かに気晴らしにアーシアをどこかに連れ出すってのはいい案かもな。

アーシアの心労の元となっているファーブニルに関しては、もうどうしようもないのだし……。

「それいいアイデアだな。今度誘ってみるよ」

と笑顔で返したのだが、

「あんた、ちゃんとデートプラン考えられるの?」

うっ、それを言われると……。

前回のデートコースをそのまま流用ってのも味気ない気がするし、かといって新しいデートコースを考えてる余裕が今の俺にはない。

どうしたものかと首をひねっていると……。

「そんなあんたにこれよ」

 

 

そういって桐生が取り出したのは、隣町に新しくできたテーマパークのペアチケットだった。

「おっ、これ最近TVのCMにも流れてたやつだよな。見たことあるぞ」

「アタシ、ここのチケットをペアでたまたま持ってんのよねぇ。でも使う機会も相手もいないし、あんたにあげるわ」

「マジでっ!? いいのか!」

それはありがたい! アーシアをこういうところにはまだ連れて行ったことがなかったからな。いい気晴らしになるんじゃないだろうか。

「ただし、アーシアと二人で見に行くこと。いいわね!」

「念を押されなくても分かってるよ。ちゃんと今度の休日にアーシアを誘うさ」

よーし、アーシアを連れて行ってやるか。子供を持つお父さんの気分ってこんな感じかね。

休日に家族サービスもしなきゃ! みたいなさ。

トレーニングはお休みだな。ま、たまには骨休みするのもいいだろうさ。初代には言っておかないとな。

アーシアはチームの重要な回復役だ。そのアーシアがストレスで体調不良とか、あっちゃいけないもんな。

そう考えるとアーシアの心のケアは凄く重要なことだ。

こんなときこそ、アーシアを守るべき俺がひと肌脱がなくてはならないだろう。

「アーシアが信頼してるあんただから頼むんだからね。しっかりエスコートしてあげてよ」

「おう、分かってるって!」

こうして、アーシアとデートすることが決まった。

 

 

「おーい、兵藤」

「ちょっとお前にも訊きたいんだが」

「なんだよ松田、元浜?」

アーシアとのデートを考えている最中に、二人が話しかけてきた。

「最近この町でそっくりさんが現れてるらしいって話、知ってるか?」

「そっくりさん?」

「そう、そっくりさんだ。まぁよくある都市伝説的な眉唾ものの噂話だとは思うのだが、最近この町で目撃情報がちらほらあるんだよ」

「そうそう、今一番ホットな話題なんだ」

へー、最近ルーマニア行ったり修行したりだったから、この町で最近何が流行ってるとか知らなかったんだが……そんなものが流行ってるのか。

「いや、俺は知らないけど……そんなの都市伝説だろ。やっぱ」

まー悪魔やってる俺が言っちゃいけないセリフだとも思うが、そういう異形関連の出来事って一般人には知られないように情報規制されているし、ただの噂話の類だろう。……と思っていたのだが――、

「俺たちだってそう思っていたのだがな……」

「クラスの連中に聞いてみてもやっぱり大半が知ってるんだよな。それに実際に自分のそっくりさんを見たーなんて話してる奴もいたくらいだ」

「マジでか!?」

うーん、そういうことが起こってるってことは……俺たち悪魔関連のことと関係があるのか、それともただの見間違いとか勘違いの類なのか……。

「それでオカルト研究部のお前ならば何か知っているかと思ってな」

「いや、知らないな。でも、今日さっそく部長に訊いてみるよ。そういう話があったかどうか」

「ああ、頼んだぞ! エロしか興味のない俺たちだが、こうも話題になっているとやはり気になるものだからな」

 

 

部活の時間、早速リアスに訊いてみることにした。

「リアス、最近自分のそっくりさんを見た~っていう話が話題になってるみたいだけど、何か知らない?」

「そう、イッセーたちの学年にもその話が話題になっているのね」

「イッセー君のクラスでも話題になっていたんだね」

リアスの学年や木場のクラスもか……。

「……私のクラスでも話題になっていました」

「教師の間でもそのような話題がありましたね。実際に自分と同じ顔の人物を見かけたという方もいたようです」

小猫ちゃんの学年に先生たちの間にまで……。

「うふふ、というよりもこの町の最近のオカルト的出来事だそうですわね。それ」

どうやら皆知っていたようだ。やはり、そっくりさんの話はこの学校の……いや、この町全体でのオカルトのようだ。

「そっくりさんとか……そういった出来事って俺たち悪魔関連では起こってないですよね?」

 

 

一応の確認として訊いてみる。

「ええ、そのような報告は受けていないわ」

「やはり、都市伝説ではないでしょうか? そのような話は、どんどん尾ひれがついて一人歩きしてしまうものですし」

ロスヴァイセ先生は冷静にそう判断していた。

うーん、そうなんだろうか。アザゼル先生がこの場にいれば、もっともらしい考察や解説をしてくれるんだろうけどなぁ……。肝心なときにいないんだから、困った先生だ。

「ま、でもオカルト研究部の部員なら、こういったことは積極的に調べなくてはいけないわね。皆、何か新しい情報を得たら報告して頂戴」

「「「「「はいっ!」」」」」

 

 

 

「アーシア、ずいぶんとご機嫌ね」

ふんふん、と鼻歌まじりに料理をしているアーシアにリアスがそう声をかけていた。

「はい、イッセーさんがデートに誘ってくれたんですっ!」

ああ、よかった。アーシアは本当に嬉しそうだ。デートに誘ってよかった。

「へぇ、そうなの。ね、イッセー」

ちょいちょい、とリアスが俺を手招きしてきて……、

「アーシアのことを気にかけてくれてるのね。気晴らしになると思って誘ったんでしょう?」

と小声で耳打ちしてくた。

「そうなんです。アーシア、最近学校でも心ここにあらずなことがあるみたいで……」

「そう。ファーブニルの件で、アーシアには心労をかけてしまっていたものね。大丈夫、初代様には私から言っておくわ」

「ありがとう! リアス」

そう、休日に行っているトレーニングを休むことになっちゃうからな。初代には言っておいてもらえるとありがたい。

 

 

ちなみに、それを聞いた初代はトレーニングを休む俺を怒るどころか――、

「いいぜぃ。骨休みも必要さね。それに赤龍帝の坊やは守る者がいて強くなるタイプじゃ。あの嬢ちゃんとの絆を深めておくのもいいじゃろうて。その想いを力に変えることができるじゃろう」

このように仰ってくれたらしい。

なんにしても、

「うふふふっ」

あんな風に楽しそうに笑ってくれるアーシア、久しぶりだったんだ。

いつもの笑顔が戻ってきたみたいで嬉しかった。

 

「うふふ」

「あら? 朱乃もご機嫌がいいようね? なにかあったの?」

「いいえ、なんでもありませんわ」

と言いながらもこちらをチラチラと見てくる朱乃さん。

はて? なにかあったかなと思っていると……。

膝上に乗っていた小猫ちゃんがギュッとつねってきた。

「痛いって」

「……先輩は乙女心が分かっていないんです」

うっ、そう言われると返す言葉もございません。小猫様。

 

 

さて……晩飯も食って、風呂にも入った。リアスたちと寝るにはまだ時間がある。特になにもすることがなくなった夜のこの時間。今はレイヴェルもいないから、ルフェイとの契約の話も進まない。

つまり、今は夜の時間は本当にやることがないっ!

むふふ、久しぶりにエロ本を嗜むような時間が出来たってことですよ。

彼女がいるからいいんじゃないかって? それはそれ、これはこれなのです!

いくらリアスと付き合っているとはいえ、まだそこまでの関係には至っていない。

むしろその状態が続けば続くほど、高校生男子としての性欲はたまっていく一方なわけで……。

最近、戦闘や修行ばっかりでそうした欲求を発散させることも出来ずじまいの日々っ……。新作ものに手を出せる暇がなかったのですよ。

とはいえ、ルーマニアに行っていて最近日本を離れていた俺は、新作をあまり持っていなかったからな……。親友の松田、元浜に貸してもらったというわけだ。

 

 

どれどれ、あいつらが言ってた良い娘ってのは……この娘かな? おぉおお、この娘おっぱいおっきいなぁ……。こんなきわどい水着っ……キレイなピンク色の乳輪が見えてしまいますぞぉおお! いや、あいつらが絶賛するのも分かるわ。この娘エロいっ! 体つきもそうだが、なんか表情が!!

いやーやっぱエロ本はいいね! 最近ごたごたしててご無沙汰だったせいか、いつもより妄想が膨らみますなー。

 

 

むふふっ、という感じで必死にページを凝視していると、背中にむにゅんとした感触がっ!

「イッセー君、なにをしてますの?」

「朱乃さんっ!? いや~、これはその……」

皆と一緒にエロゲーをした俺だけど、こういう場面を見られるのはやっぱ気まずいっていうかなんていうか。こういうのは一人で見るもんだって、やっぱ! 女の子に見られながらとか、楽しさが半減するというか……視線をどうしても気にしてしまうというか。

俺にそういう性癖はないんですっ!

「イッセー君はこういうのが好みなのね……。うふふ、今度のときプールにでも行きましょうか。こういう水着着てあげますわ」

朱乃さんが耳元でそう囁く。

「ほんとですか! 朱乃さん!」

おお! 俺の浮気相手になると宣言している朱乃さんの行動は、いつもいつも積極的だ。

しっかし、この水着を朱乃さんが着てくれるのか……。おぉっと、興奮しすぎて鼻血が出そうに……。

鼻を押さえながら、朱乃さんを見る。

「ええ、今度の――」

朱乃何かを言いかけていたが、ドアが勢いよく開いたことによってそれは中断された。

相手はもちろん――、

 

 

「朱乃、何をしているのかしら?」

紅髪をさらに紅に染め上げるほどのオーラを燃えたぎらせているリアスだった。

「あら、リアス。下でアーシアちゃんたちとお風呂ではなかったのではなくて?」

そうそう、リアスたちは今風呂に入る時間だったから、俺はこうしてエロ本を読んでいたんだが……。

「それを言うなら、あなたもでしょう! いつまで経っても脱衣所に来ないからもしかしてと思ったら――」

あー、朱乃さんだけ抜け出して俺の部屋に来たわけね。そのことをリアスは怒ってるみたい。

そうそう、実は俺は毎日一緒にリアスたちと風呂に入ってるわけじゃない。リアスたちは男の俺の前でも、あの美しいむっちりとした裸体を隠さないからね! あんなのを毎日見てたら鼻血を出しすぎて体がもたないわけですよ。

「浮気はこうやってするものですわ」

朱乃さんがさらに俺に密着する。ああっ、背中におっぱいが当たって潰れていく感触がっ……。足も絡ませてきているから、太ももがあたって……いいっ!

「――っ、もう! そうやって私の目を盗んでイッセーとくっ付くのはやめなさいって言ってるでしょう!」

俺から朱乃さんを引っぺがしてリアスが怒る。

「なによ、そういうリアスだって……」

「だいたい朱乃が……」

ああ、またお姉さま同士で口喧嘩を始めてしまった。こうなると長いんだよなぁ……。っていうか部屋の外でやって、お願いだから!

 

 

「まぁ今日はもう遅いし、これ以上はやめておきましょう」

「そうですわね。今日はもう疲れましたし」

良かった~。今日は二人のケンカは本格的に発展しなかった! 二人がケンカすると部屋の空気がなんか薄くなるからね。

「ところでイッセー」

「なんです?」

「その本……」

って、あっ! 手にエロ本持ったままだった! 彼女の前でエロ本持ってるってのは、なんかちょっと罪悪感あるし。それにリアスの機嫌だって……。

「あっ……これは、その……友達に押し付けられたもので……決して、そのぉ……」

「もう、そんなに慌てなくていいわよ。それでこそイッセーだもの。そうではなくてその娘……」

「あっ、この娘かどうかしました?」

「なんだかイッセーにちょっと似てないかしら?」

え、ほんとに!?

「あら、言われてみればそうですわね」

そう言われて俺も改めて顔をまじまじと見てみるものの――、

「えっ、そうですか? 俺にはちょっと分からないんですけど……」

「なんていうのかしら……顔立ちとか、目元のとことか」

「自分の顔のことですから、イッセー君には分かりづらいかもしれませんが、確かにそうですわね」

うーん、言われてみれば……なんとかそう見れるかもしれないってレベルだな。

俺とこんな美少女の顔が似てるとかっていう発想が俺の頭にないからな。なかなか俺の顔とこの娘の顔が結びつかない。

あーでも、目元とかは確かに似てるかもね。

「さて、朱乃。お風呂に行きましょう。アーシアたちも待っていることですし」

「ええ、そうですわね。それじゃまたね。イッセー君」

二人はそういって部屋を去っていった。

よし、リアスたちが戻るまでエロ本見るのを再開しますか。

こうして今日の夜も更けていった――。

 

 

「イッセー、御飯よ」

「はい」

うぅ~ん、このリアスが作る朝飯がうまいのなんのって!

これが日々の生きる楽しみだよなぁ……ってなんか惚気になっちゃったな、気を付けよう。

それに今日はアーシアとデートだ! アーシアを楽しませることを第一に考えないとな。

さてさて、あれから俺も桐生に色々聞いてデートプランを考えたんだ。

俺も楽しめるアトラクションとかも結構ありそうだったんだよね。

あと、時期としてはちょっと早いけどクリスマスパレード的なものもあるとか。

アーシアはお弁当なんかを作ってくれているようで、朝からとても楽しみにしてくれている。

 

 

準備も整ったし、先に玄関に行って待っていると……。

「あら、イッセー君。おはようございます、お洒落していますね」

ソーナ会長が訪れてきていた。

「あ、おはようございます! ええ、そうなんですよ。今日はデートなんです。ところでソーナ会長はどうして家に?」

「初代に訓練に受けてきたのですよ。今日までいらっしゃるようなので……」

「そうなんですか」

あー、初代に修行をつけにもらいに来た。なるほど。

しかし、最近初代に訓練を受けに家を訪れる人たちが多いなぁ……。今朝はサイラオーグさんも来ていたし。

実は今、俺の家にほとんどの「D×D」チームがいるんじゃなかろうか。

いないのは匙、ギャスパー、レイヴェル、アガレス眷属の皆さんぐらいか。あ、家のマスコットキャラのオーフィスもいませんね。匙に付いて行ったからさ。

ヴァーリチームも今日は全員集合してるんだよね。初代とグレモリーの地下修行空間で特訓してるな。

アーサーと美猴も話し合いから帰ってきたみたいで……。その結果はどうなったかまだ聞いてないけど……気になるな。デートから帰ってきたら訊いてみようかね。

「イッセー君も修行を一緒にしていきませんか……と、言いたいところですが、デートでは仕方ありませんね」

と言って微笑されるソーナ会長。

「そうですね。すみません」

「いえ、時には休むのもいいでしょう。デート、行ってらっしゃいイッセー君」

「はい!」

ソーナ会長と別れて、待ち合わせ場所の駅前へ先に向かう。

いや~、一緒にデートへ出かけてもいいんだけど……。どこかで待ち合わせするっていうのもデートの醍醐味だと思うんだ! まぁ、桐生にそう言われて思っただけなんだけど……。

 

 

駅前で待つこと数分。

「あ、イッセーさん!」

「よっ。アーシア」

「すみません、待ちましたか?」

ほんとに申し訳なさそうに言ってくるアーシア。そんな顔しなくてもいいのに。

「いや、今来たところだよ」

このセリフ! デートの定番は守るべきだよな、やっぱ。

「そうですか。よかった」

そう言ってにこにこと微笑んでくれるアーシア。今からのデートがほんとに楽しみなんだね。

いつもは見ないようなアーシアのお洒落な格好に、俺は驚きつつも、

「かわいいな、アーシア」

と素直に口にした。

「は、はい……ありがとうございます。イッセーさん」

アーシアは頬を染めて、俯きながらお礼の言葉を呟いた。

恥ずかしかったけど、言って正解みたいだった。

 

 

「さ、んじゃ早速行こうか」

「はい!」

 

俺たちが向かう先はテーマパーク・アドベンチャースクエア。

通称『魔法の国』と言うらしい。

この『魔法の国』は四つのエリアに別れていて、それぞれ火の国、水の国、風の国、そして土の国と呼ばれている。

火の国にはジェットコースターやバンジージャンプ等の刺激的なアトラクションが、

水の国にはウォータースライダーなどのアトラクションが、

風の国には小さな子供でも遊べるような遊び場や軽食店が、

土の国にはグッズ店やパレード用の広場がある。

入口は土の国だから、そこから三つの国のどこに向かうか考えないとな。

 

 

入場に時間がかかるかと思っていたけど、事前に桐生からもらったチケットがあったおかげですんなり入ることが出来た。ほんと、あいつに感謝しなくちゃな。

「さて、アーシア。どこから回ろうか?」

「あ、イッセーさんと一緒ならどこでも……」

うぅ~ん、なんて男冥利に尽きることを頬を染めながら言ってくれるんだこの娘は。

ま、デートで引っ張っていくのは男の役目だよな。それじゃあ……。

「まずは水の国に行くか」

「はいっ!」

とりあえず、気分を盛り上げるために水の国へ。いきなり火の国とかのアトラクション行ってもね……。アーシアは最初からノリノリになれるようなタイプじゃないし。徐々に慣らしていくのがいいだろう。

 

さて、やってきたのは水の国にある『氷の館』というアトラクションだ。

内容は極寒の地を体感できるような寒い温度設定の施設に、このテーマパークのキャラクターたちがあちこちに描かれてるような感じだ。

入口で防寒着をレンタルして、中へ入る俺たち。

ここに来たのは、まぁ目的があってだな……。

あるキャラクターを探してキョロキョロあたりを見回していると……。

 

「わー、イッセーさん。ペンギンさんがいますよ!」

おおっ!? 早速お目当てのキャラクターに会えた!

このペンギンのキャラクターは、アーシアが好きなマンガ『エデンの緑龍』に出てくるキャラクターなのだ。

どうやら今ここ「アドベンチャースクエア」では『エデンの緑龍』とコラボしているらしく、テーマパーク内や各アトラクションに『エデンの緑龍』のキャラクターが居たりするのだ。

「一緒に記念写真も撮ってもらえるみたいだぞ! アーシア、ほら」

「はい」

ペンギンさんとアーシアが並ぶ。

「はい、チーズ」

パシャ! ……うん、結構よく撮れたんじゃないだろうか。

「ありがとうございます、イッセーさん!」

「いいって、それよりほら、ペンギンさんにもお礼を」

「ありがとうございました」

ペンギンさんはそんなアーシアの頭をなでてくれた後、俺たちを手を振って見送ってくれた。

 

 

「次はどこに行きましょうか? イッセーさんっ!」

ペンギンさんに会えて、アーシアはご機嫌だ。

んじゃ、次は……。

「あっ、あれいいんじゃないか?」

そう言った俺が指したのはウォータースライダー。

こういうのって大抵プールとかにあるもんなんだが、さすがは水の国。

説明書きを見てみると二人で乗れるみたいだし、ちょうどいいかな。

「わ、私こういうのも初めてです!」

目をキラキラ輝かせてくれるアーシア。

んじゃ、さっそく行ってみますか!

 

 

待ち時間は短く、すぐに乗ることが出来た。

今は寒いし、皆は他のアトラクションに乗ってるせいかな?

係りの人の話をきいて、滑る準備をする俺たち。

席順としてはアーシアが前で、俺が後ろだ。

「ここを持てばいいんでしょうか?」

横にあるバーをアーシアが持つ。

「そうそう、んじゃ……」

俺も持とうかな……というところで――

「それでは、行ってらっしゃーい!」

係りの人に背中を押されてしまった!

「ひゃあああ、イッセーさーーーーん!」

前に座っていたアーシアの胸をがっしりと掴んでいた!

やわらかい感触がっ! 俺の手のひらにっ!?

「ありがとうございますーーーーー!」

いやあ……最近アーシアも成長期なのか胸が大きくなっているような……。

滑っているときに考えていたのは、こんなことだった……。

 

 

「イッセーさん!」

アーシアが俺の名前を叫ぶ。

「さっきは、ごめん! でもわざとじゃ……」

必死にあやまろうとする俺だが、

「怒ってはいませんよ。でも胸を揉むときは一言言ってください! 心の準備が必要ですから……」

頬を染めながら恥ずかしそうに、そんなことを言ってくれるアーシア。

か、かわいいっ! 一言いえば揉んでいいのか……ってそうじゃなくて!

「あー、とにかくごめん! じゃあ次、行こうか?」

今はアーシアとのデートが第一だ!

「はいっ!」

天使のような笑顔でうなずいてくれるアーシアなのだった。

 

 

 

お次は風の国!

ここはやっぱ子供向けの広場とかもあるおかげが子供が多いね!

最近、おっぱいドラゴン関連で子供たちと絡むことが多くなってきた。そんな俺にとっては、ここは少しその会場に近いものを感じるな。子供たちのキラキラした目っていうのかな。ああいうものを感じるよ!

それだけここが子供たちの人気のある場所ってことなんだろうな。

さて、子供たちを見るのはこれくらいにして、アーシアとのお昼だ!

 

ここはアドベンチャースクエアのフードコート。

昼時に食べると皆がお店に集まって、ゆっくり出来ないからな。少し早めにきて食べたほうがいいと思ったんだ!……まぁ桐生にそう言われたからなんだが。

でも早めに来ても人が多いね。今話題のテーマパークなだけあるわ。

「イッセーさん、あそこなら二人で座れそうですよ!」

アーシアが二人で座れる席を見つける。確かにあそこなら座れるな。

「おっ、ほんとだ。んじゃ座ろうか、アーシア」

「はいっ!」

 

飲み物を買ってアーシアの席まで戻る。

「待たせたな、アーシア。はい、オレンジジュース」

「ありがとうございます、イッセーさん」

俺はコーラをぐいっと呷る。フードコートに来たのに食べ物を買わないなんてちょっとアレだからな……、飲み物だけでも買ってきたんだ。

そう、俺にはアーシアの手作り弁当があるからな!

最近はずっとリアスが弁当を作ってくれてたから……アーシアの弁当は久しぶりだ!

だからこれが俺にとってのデートの目玉だったりするんだな。

「はい、イッセーさん、どうぞ!」

「おおっ、サンキュー。アーシア」

ふたを開けてみると……、

「そのどうでしょうか?」

すこし不安げな顔をしてくるアーシアに俺は、

「うん、とっても美味しそうだよ。アーシア」

一口食べてみると、

「やっぱ旨い! そして懐かしいっ! ああ、これだよ! これこそアーシアの弁当だ」

その俺の言葉にぱあっと顔を輝かせるアーシア。

「よかったです。最近のお弁当はリアス姉さまのばかりだったので、私のだと美味しくないと言われたらどうしようかと……」

「そんなわけないじゃないか! アーシアのお弁当も旨いよ。なんかホッとする味だ」

母さんの料理に似てるからかな……やっぱりアーシアは兵藤家の味を着々と継いでいってるようだ。

 

「ではどんどん召し上がってください!」

「おう!」

そのあとはずっとアーシアからあーんをされて、お弁当はすぐに空っぽになった。

だって、ほんとに旨いんだもの!

 

 

食べ終わって少し休憩した俺たちは、今度は土の国へ行ってみた。

ここにはパレード用の道であるためか、ここのテーマパークのキャラクターたちがお客さんとの触れ合いのために歩き回ってるな。

さて、お目当てのキャラクターは……。

「お、あれじゃないか、アーシア!」

「あっ、いました!」

『エデンの緑龍』に出てくる主人公のドラゴンが少し前を歩いていた。今は『エデンの緑龍』とコラボしてるからな。そのキャラクターたちも歩いているというわけだ。

 

「一緒に写真を撮ってもらおう、な!」

「はいっ!」

アーシアは大はしゃぎで、ドラゴンさんを追いかけていく……。

『俺たちもあれくらいかわいい見た目ならアーシアに喜んでもらえたのにな』

『赤き龍の帝王がかわいけりゃ世話ないさ……それとデート中なのに俺に話しかけている暇があるのか、相棒?』

おっと、そうだった。今日はアーシアのことだけ考えるって決めたもんな。

「イッセーさーん、はやくきてくださーい!」

「分かった、今行くよ!」

俺はアーシアのもとへと急いだ……。

 

 

その次は色々見て回った。

風の国に戻ってコーヒーカップやメリーゴーランドに乗ったり、

火の国に行ってジェットコースターやフリーフォール、回転ブランコなんかにも乗ったな。

アーシアはどれも大はしゃぎして楽しんでくれた。

どれもアーシアは初体験だったからな……新鮮だったし、楽しめただろう。

もちろん俺も楽しかった。

アーシアと一緒に過ごすっていうだけで、時間がものすごく早く感じたんだ。

光陰矢のごとしってやつかね? まぁともかく、あっという間に時間は過ぎて行って、クライマックスのナイトパレードの時間が近づいていた――。

 

 

季節としては少し早いが、クリスマスイルミネーションに彩られた通りを、クリスマスの特別衣装に身を包んだキャラクターたちが凱旋していく、ナイトパレード。

個性豊かでかわいいキャラたちが歌って踊る様は、まさに今日この日の最後の盛り上がりに相応しいものがある。

 

 

このナイトパレードを直接見るのもいいんだが……桐生のオススメは――

「観覧車? ですか、イッセーさん」

「ああ、そうなんだよ」

そう、観覧車。ナイトパレードの様子も低い位置なら見れるし、高いところからなら――。

 

 

 

「わーっ! きれいですね、イッセーさん!」

俺たちが目にしているのは星の海――と見紛うほどのきれいな夜景だ。

高いところまで連れて行ってくれる観覧車からなら、パレードの様子だけでなくこの町の夜景も楽しむことが出来る、というわけだ。

それに俺たちは悪魔だからここからでもナイトパレードがよく見える。

アーシアと二人っきりで静かにパレードを楽しむにはこれが一番よかっただろう。

 

 

「私、今日はすごく楽しかったです」

アーシアがぽつりと呟く。

「俺もだよ。アーシア」

アーシアを楽しませるつもりがいつの間にか、普通に自分も楽しんでたからな。

まぁ女の子とデートで、こういうところに来るのは初めてだから当然っちゃ当然かもしれないが……。

「お昼のとき、腕を組んでる恋人さんたちが羨ましくて……イッセーさんにお願いしたら腕を組んでもらったり……」

「い、いやー、あ、あれは……」

あれは恥ずかしかったよ! アーシアの頼みだから断れなくて、腕を組むんだけど……。

なんていうのかな、こういうデートのときの腕組みって特別なんだ!

しかも周りの大勢の人に見られているし……アーシアの心臓がドキドキしてるのも直に伝わってくるし……。

そしてなによりもアーシアのおっぱいの感触っ!

頭の中がエロエロモードに切り替わらないように、気を引き締めるのは大変だった……。

 

 

「私のために、ありがとうございます。イッセーさん」

……っ。

「気付いてたのか? アーシア」

俺がファーブニルのことを心配してアーシアをデートに誘ったことが……。

「はい、イッセーさんは優しいですから……私のことを常に気にかけてくれるのが伝わってきました」

そっか……。出来る限り顔にでないように気を付けてたのにな……、やっぱ演技が下手かな、俺。

「アーシアに元気になって欲しかったんだ……ここのところぼんやりしてることが多かったからさ」

「もちろん分かっていますよ、イッセーさん。でも次は――」

――次は?

「私と一緒に楽しむために、デートに誘ってくださいっ!」

……なんて健気な娘なんだろう……っ。俺にはもったいないな、でも――、

 

 

「俺だって途中から一緒に楽しんでたぜ。いつの間にか、アーシアとのデートに夢中になってたよ。ほんとは家族サービスのお父さんみたいな気持ちでいなきゃいけなかったのにな……」

「……イッセーさん」

アーシアが目を潤ませて、俺を見詰める。

「アーシアが絶叫系のマシンが結構好きなことに驚いたり、コーヒーカップでくるくる回し合ったり……そういうのがとっても楽しかったよ」

そう言うとアーシアは目を潤ませたまま笑顔で、

「なら、もう恋人たちのデート……してましたね、私たち……」

そんなに恋人たちのデートがしたかったのか。でも、どうして……。

「リアスお姉さまに……負けたくないから。……イッセーさん……っ」

アーシアが目を瞑ったまま顔を近づけてきて――。

きれいな星空の海を背景に、アーシアとそっと唇を重ねた。

 

 

 

あれからアーシアと手をつなぎながら、電車に乗って帰ってきた俺たち……。

なんかもうあのキスで言葉以上のものをお互いに交し合ったためか、俺たちは無言だった。

でもそれは決して気まずいとかではなくて――むしろその反対で、俺たちの距離は今日でずいぶん縮まったんじゃないかと錯覚させるほどだ。

今までも決して離れてたわけじゃないんだけどね。でも、今はアーシアが愛しくてたまらない。

アーシアもそう思ってるのか俺の手を強く握り返してくる。

 

 

 

 

 

 

この幸せな時間が……ずっと続くはずだった。

でも、見つけてしまった……。

黒いさらさらの髪にグラマーな体。大和撫子と見紛うごときその美貌の持ち主を――。

「あれって朱乃さん……?」

朱乃さんが、腕を組んで歩いている男を、

そいつは……その男の顔は……。

 

 

「あ、あれは……」

アーシア、その先を続けないでくれ……、

そんなはずない、あれはただの噂話だろう。ロスヴァイセ先生だってそう言ってたじゃないか……。

そっくりさんなんて、いるわけ……ない。

 

 

「なんだよ? 赤龍帝の兵藤一誠?」

ニヤリ、と不気味な笑顔を浮かべながら……そいつは俺たちに話しかけてきたのだった……。

 




皆さんお待たせしました!
今回はさすがに少しは話が進められたんではないでしょうか(汗)

お読みいただければ分かるかと思いますが、匙君、ギャスパーやその他は出てきません!(えっ
匙の活躍を楽しみにしてた方には本当に申し訳ないと思っています。
でも、ほら……匙は17巻で活躍できたから……。

実質17巻以降でないと匙はバランスブレイカーを披露できません。
今の期間は匙の修行の期間というか……イッセーとの違いに悩んでいる状態なので、
そういう期間のときに今回のお話が始まってしまったので、仕方ないですね。
匙君にはタンニーン様のもとで悩んでもらいましょう!


ギャスパーも出せません……。作者の都合と言ってしまえば、それまでですが、ご了承ください。

アーシアとのデートシーンで出てきた遊園地は架空の存在です。現実には存在しませんので、あしからず。
今回はアーシアには普通の恋人のように楽しんでもらいました。今回で十分癒されたアーシアですが、17巻でまた大変なことに……。
原作でも救済してあげてほしいです……。

今回から話に出てきたそっくりさん。
この話のあとに第一話として投稿した話につながっていきます。
次回からは本格的なバトルに入っていきます!

ご意見、ご感想頂けると作者は喜びます!
ここまでお読みいただきありがとうございました!
追記:次の更新は12月になりそうです……。
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