灯火の星 〜The One Story of Ours〜   作:蘭沙

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あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ!!
ニンテンドーワールドがオープンじだよ!

い゛き゛た゛い゛!!
私も一緒にづれでってぇ!



九十六話 アレ

「どうしたもんかねー、生粋のインファイターには縁遠い相手だぜ」

 

「遊びじゃないぞ… せめて足場がもっと穏やかならやりようもあったが…」

 

 

ケンが退屈そうな顔で、戦っている敵と味方を見ている。不真面目にも見える態度を軽くリュウが指摘したが、仕事がないのも事実。

あの空へ届く攻撃も、空を飛ぶ手段もないファイターにあの戦いに参加する権利はない。先程までは他ファイターのサポートに動いていたが、カービィへの対処に忙しく外野へ攻撃が向わなくなったのだ。故に彼ら一部のファイターは見守るしかできない。

 

 

「リュウ! ケン!」

 

「ルフレ!」

 

 

かなり下がって、闘技場のような場所までいた二人をルフレが見つける。リザードンに跨がって飛んでいたようだ。成る程、そういう手があったのか。

しかし型が重要な格闘家にとっては、例えリザードンがもう一匹いたとしても戦力に加わるのは難しいだろう。

 

 

「僕はみんなの居場所の確認をしてるんだ。散らばるしかなかったから…」

 

「俺たちより下がってるのは居るぞ。ただそれが誰かまでは…」

 

「っておいッ!」

 

 

ケンが思わず声を荒げる。彼が向いている方へ顔を動かす。そこにあったのは追い討ちを受けようとしているカービィがいた。

 

 

「まずいっ!」

 

 

 

 

 

目を瞑って慌てていたカービィの片手を握り、急上昇する影がいた。メタナイトだった。流石に冷静で判断が早い。近くにいたことも幸いした。しかし、代償はあった。

 

 

「…っ」

 

 

カービィを仕留めようとした冷気は代わりにメタナイトの翼を掠めていた。先が凍てつく。このままで牽制は為しがたい。少々ふらつきながらもどこかへ着地しようとする。

 

 

『─────ッ!!!!!』

 

 

当然それを逃す通りは相手にはない。追い討ちをかけようとしたマルクの前に出たのはルフレとリザードンだった。メタナイトの状況を見て、アドリブで前に出たのだ。

 

 

「リザァードーンッ!! 攻撃はいいから回避に専念してくれッ!」

 

「グオウ!」

 

 

レッドの大声での指示が聞こえる。自分を乗せている分動きが鈍重になる。ならば回避だけに専念させるのは当然。

マルクの眼球が黒くなり、ポロポロと落ちて襲いかかってくる。その不気味な攻撃に若干怯みながらも魔導書を構えた。

 

 

 

 

 

 

「無事か?」

 

「ぽうよー」

 

 

若干気の抜けた返事が返ってくる。問題はこちらだ。少し右翼の調子が悪い。冷えたからだろうか。二人が落ちた先は─

 

 

「メタナイト冷えたー?」

「大丈夫ー?」

 

「アイスクライマーに… ワリオか」

 

 

二人を心配して寄ってくれているアイスクライマーに夢中でニンニクを食べるワリオ。三人が決定打の準備をしていた場所だった。

 

 

「羽が冷えてるー!」

「暖めなきゃー!」

 

「んっぐ、仕方ないか…」

 

 

暖めるためだと言うが、防寒着を着た二人が翼を挟んで抱きしめるのは相当気恥ずかしい。

 

 

「メタナイトー、」

 

「るいーい」

 

 

ルイージが息を切らせてやってきた。デデデ達の元にいた筈だが、全速力で追ってきていたらしい。

 

 

「ヒィー… ヒィー… で、デデデからっで、伝言… 『次にマルクに隙が出来たらアレをやるぞ』だって…」

 

「…! わかった。」

 

「隙…!」

「これだ!」

 

「ぅん!」

 

「あ?」

 

 

抽象的な伝言だが、メタナイトには伝わったようだ。そして、アレを実行する為の隙。まだ戦えるとカービィは強く頷き、ワリオは聞いてなかったように鼻をほじった。

 

 

 

 

 

「横に来てるぞ! 回って振り切れ!」

 

 

ルフレの上を、リザードンの足元を通り追ってくる弾をぐるりと一回転して振り切る。二人の目が届かないところをレッドがカバーしているのだ。一度振り切られ、再び追おうとした弾は外野からの援護で打ち消された。

 

 

「(正直助かる…! ドラゴンの扱いは得意ではないし…)」

 

 

何かに乗っての戦闘はあまり得意ではなかった。リザードンにしがみつくだけで割といっぱいいっぱいなのだ。相手の牽制はできているが、決定打がないと嘆いていた状況に戻ってしまった。

 

 

「『エルウィンド』!」

 

 

隙を見て風の魔法を放つが、それが決定打には繋がらないだろう。ルフレが高威力の技を出すには魔力を溜める必要がある。しかし、リザードンの上にいる現状、そんな暇がないのだ。

 

 

「うおおおお!」

 

「っ!? 『サンダー』!」

 

 

何かが迫ってくるかのような声がして、咄嗟に雷の魔法を放つ。せめてもの足止めになったようでワリオの『ワリオっぺ』からの『とんそくキック』が突き刺さった。

 

 

『────────ッ!?』

 

「ういゆっ!」

 

「リザードン、ワリオを!」

 

 

ワリオの一撃で体勢の崩れたマルクにホバリングで追いついて再び張りついたカービィ。振り落としたくてめちゃくちゃな動きをする。

リザードンを促し、ワリオを拾ったルフレはカービィに対して過敏に反応しているマルクを見た。

 

 

「(ドラキュラがシモンやリヒターと対峙した時だってここまで露骨な反応はなかったのに。まるで子供だ…)」

 

 

自分の思い通りにするために駄々をこね、時には蟻を望んで潰すような幼児。そんな印象をルフレは受けた。

 

 

「でかしたカービィ!」

 

「本当はカービィを倒す為のものだったが… 仕方あるまい!」

 

 

ルフレが離脱し、カービィだけになった空中へと二人の宿敵がゆく。

 

跳び上がるデデデ。

飛び上がるメタナイト。

 

マルクを下にして、手を取り回転を始める。

 

 

「ぽよ!?」

 

 

それは二人がいつの間にか編み出していた技。宿敵を退けるために紡がれた、深き絆の盟友の技。

 

回転は紫電を纏う橙色の斬撃を生み出す。マルクのかわす隙など与えぬほどに多く、もっと多く、そして速く。

 

 

「「はああああッ!!」」

 

 

その姿はまるで雷霆の如く。ハンマーとギャラクシアがおちる。カービィが足を上げて丸見えとなったマルクの背中へ突き刺さった。

 

 

『ギャアアァァァ─────────ッッッ!!?』

 

 

鼓膜につんざく悲鳴が聞こえる。両翼が引き裂かれ、重力のままに落ちる。デデデは目を回していて自力では動けまい。刃を抜いたメタナイトはすぐにデデデを拾って飛び立つ。カービィは未だにマルクの体にくっついたままだ。

 

 

「─っ! はああ!」

 

 

マルクの落ちる場所に逆らい、カービィは両手でマルクの体を掴み、一回転して別の地点に叩きつけた。『いづな落とし』だ。

これで落下地点はカービィに委ねられた。その行先は比較的安定した地形。もっと詳しく言えばノポン族のトラや羽ピクミンのスピリットと戦った、この空間の入り口に近い場所だ。

 

 

「ぽよっ」

 

 

めっ、と軽く叱るようなイントネーションで地面に激突したマルクに声をかけるカービィ。

彼は総じて能天気だ。マルクの持つ悪意や狂気が微塵も理解できないほどに。

 

あしたはあしたのかぜがふく。

 

悩むこともあるけれどそれを引き摺ったりはしない。だからこそ人の執念に疎いのだ。

 

 

『──────────ッアアアアア!!』

 

「!」

 

 

マルクの両眼が肥大化する。虹彩は細かくブツブツと増え、出鱈目に幾筋ものビームを撃ち続ける。慌てて跳んだりしゃがんだりとかわし続ける。

 

 

「これは…!」

 

 

それだけではない。もがれた翼のあった場所から、毛細血管のようなものを伸ばし始めた。

標的はないが、見境もない。

躊躇はないが、容赦もない。

辺り一面が管とビームで焦がれ、空からの援護はできない。仮面の奥でメタナイトは苦虫を噛み潰した。

 

 

「んんっ!」

 

 

勝敗の行方はカービィに託されたのだ。

カービィとて、この攻撃が半死半生でうち放つ最後の足掻きであることは理解していた。

しかし、それが乱雑で精密性に欠けるかと言ったらまた別の話。

 

マルクにとどめを刺すには近づかなくてはならない。ビームと毛細血管の網を掻い潜って。しかも時間をかけるごとに攻撃の密度は増していく。

 

 

「あちち、あちち!」

 

 

ほら、ビームを避けようとして管に当たった。

燃えるような痛みが側頭部に走り、慌ててさっきの位置に戻る。

 

これ以上の援護は期待できない。自分の力でなんとかするしかない。

何ができる?

どうすればこの攻撃を抜けられる?

 

カッター? ハンマー? ストーン? ファイア?

ファイター? スープレックス? ニンジャ?

 

いや、アレだ。

 

 

「むうっ!」

 

『───────ッアアアアアア!』

 

 

このままでは命の果てる限り、攻撃を続けるだろう。逆に言えば、それ以外の行動に対しての抵抗は格段に弱くなっている。

 

両手を上に上げて走り出す。

伸びてくる管を横跳びでかわす。

降りてくるビームを逆方向へと横移動。

正面から迫る管を飛び越え、腕にビームが掠めた。小さな呻き声を喉の奥で噛み殺す。

流れ星のような綺麗な軌道ではないけれど、カービィの意思は幼子の願い事に匹敵するほど純粋だった。

 

 

「うわっ」

 

 

回避に必死になって、つまずき転ぶ。それでもバウンドしたまま、手を使うことなく起き上がった。

 

カービィの足元を、追い詰めるように動く二本のビームをジャンプでかわし、原初の技を繰り出した。

 

 

「はああああああ!」

 

 

『すいこみ』。がんばり『すいこみ』を。

 

防備も回避もできない今のマルクは抗えない。管もビームも収束するようにカービィの口へ吸い込まれていく。

お腹いっぱいに頬張った後は。こんな悪い夢なんてポイだ。

 

 

「ぺえぃ!」

 

 

巨大な化物はカービィの口から星となって飛んで行った。黒い空へ、銀河へと。

カービィは一人、その星が見えなくなるまで目が離せなかった。

 




現ファイター

カービィ
マリオ
マルス
ピクミン&オリマー
パックマン
Wii Fit トレーナー
Dr.マリオ
インクリング
ピチュー
ロックマン
スネーク
むらびと
シーク
リンク
ルカリオ
キャプテン・ファルコン
ピーチ
クッパ
フォックス
シモン
ピット
リュカ
しずえ
Mii 剣術タイプ
ヨッシー
プリン
リュウ
ドンキーコング
アイスクライマー
ダックハント
リトル・マック
ファルコ
ピカチュウ
サムス
ネス
Mii 射撃タイプ
トゥーンリンク
Mr.ゲーム&ウォッチ
ポケモントレーナー
ディディーコング
シュルク
ゼロスーツサムス
デデデ
ルキナ
デイジー
ワリオ
リドリー
ケン
ブラックピット
ルフレ
リヒター
ロゼッタ&チコ
ロボット
ゲッコウガ
ウルフ
カムイ
アイク
メタナイト
ルイージ
キングクルール
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