灯火の星 〜The One Story of Ours〜   作:蘭沙

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三十五周年だからドラクエ関係の大盤振る舞いがすごい…!
新作にテンのオフラインバージョン、ドラクエトレジャーなる新作(モンスターズじゃなかった)、ポケモントローゼ的な新アプリと… どうしよう全部やるかも。
ダイパリメイクとアルセウスも発売日決まりましたね。もっと先だと思っていたのに嬉しい誤算。でもお金足りるかな… つい先日PS4とKHシリーズ買い揃えたばかりだしテイルズ新作も欲しいし。そして歓喜の傍らで静かに最終回を迎えるユニオンクロス。



百五話 易々と超えられてはならないのだ

 

クラウドが立ち上がっている背後で、こどもリンクはそれに触れようとする。握っていた聖剣にそっくりなその剣は左手甲の聖三角に反応し、ひとりでに抜けた。上空へと上がっていくそれは二つのトライフォースと共に、あっという間に光を帯び、大地の闇を晴らしたのだ。

 

 

「(見たかよ、お姫サマ)」

 

 

その心中を知る者は誰もいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上空へと上がった剣が大地の霧を払った。

その報告が広まると、即座に全員が合流した。力にあたる上部のトライフォース。彼らは勇気側と知恵側の二方向から攻めていくことに決めたのだった。

 

 

「こ、こどもリンク、私もご一緒していいですか?」

 

「駄目。ぼくは森方面からいくからあんたは逆からいけ」

 

「そ、そんな…」

 

「いくよ、トゥーン。」

 

「キミは…」

 

 

ここまで来ると、シークは怒りを通り過ぎて戸惑いを覚える。

自分を無条件に慕ってくるような人間を無碍にし続けることは難しい。良心の呵責が引き起こされるはず。でも、彼はそれを続けている。

彼がそうしたいのではなくて、そうし続けなくてはならないとでも思っているかのような。トゥーンリンクも自分に対する対応の差にオロオロとしている。

 

 

「ちょっと待ち! 俺もいくよ!」

 

「あんたは… まあ好きにしたら?」

 

「…!」

 

 

後を追うリンクはシークの方に目配せした。シークもそれに気づく。

 

 

「(頼んだよ、リンク)」

 

 

悔しいが、ゼルダやゼルダに肩入れするシークではその理由を聞けそうにない。ゼルダを慰めながら、リンク達を見送ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこは荒れた荒野だった。そして奥に行けば行くほど不穏な力が強まっていく。その奥に奴がいるのは全員考えなくてもわかることだった。

スピリット一つとっても強敵揃いになっていく敵達に進行速度は遅くなっていった。

 

 

「『森の宝 その中に 聖痕の剣士への道在り』…!」

 

「間違いないです…! お父様…!」

 

 

「04:40…? それだけか? …ああ、このヒントの地味さ、ブロウしかいねえ。」

 

「ミステリーな信頼! でもそんな気がする!」

 

 

そんな中で、大切な誰かを望む者がその道への片道切符を続々と手にする。彼らは今だけ探索者。

そして、ここにも一人、探していた者を見つけた人がいた。

 

 

「クッパー! ジュニア見つけたよー!」

 

「ホントかマリオォー!?」

 

「来るのはや!?」

 

 

普段の鈍重さが信じられないほどの素早さ。マリオからは豆粒のようにしか見えなかったというのに一瞬のうちにここまできた。長年ライバルをやっているが、ここまで速いのは覚えがない。

 

 

「クッパJr.見つかったってー!」

 

「あ、本当? よかったー」

 

 

ネスが近くにいたむらびとを呼び寄せる。トゥーンリンクとリュカは別陣営なので不在だった。周りもそれを聞いたファイターが駆け寄ってくる。

 

 

「なんだ? うるさいのが増えんのか? ンなことより先進むぞ?」

 

「そっちがうるちゃーい!」

 

「ぬお!?」

 

 

ネスの『PKフラッシュ』をキングクルールが避けようとしたところでミュウツーの念動力に捕まった。ネスが下手人にサムズアップのいい笑顔だ。

 

 

「ガッハッハッハー! ジュニアはいい友を持ったものだ! ワガハイが出るまでもないとはな!」

 

「行かないのかい? 前にジュニアに助けてもらったからクッパの意思を尊重してるんだけど」

 

「やるに決まっておる! マリオなんぞジュニアの相手になるはずがないからな!」

 

 

ガッハッハッと上機嫌になるクッパから背を向けて、マリオはとりあえず血管が爆発しそうなキングクルールが追うネス達三人をどう救出するか考えることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もしも、マリオを救出する時にクッパが相手をしていたら? クッパは殴る。情けない、無様と煽りながらいい笑顔でぶん殴り続ける。

もしも、ピーチを救出する時にクッパが相手をしていたら? クッパは殴る。良心を痛めながらも殴るだろう。そこら辺はドライである。

 

では、もしクッパJr.を救出する時にクッパが相手をしていたら?

 

 

「うおおおおぉぉ〜!!! ジューニアァー!!」

 

『…!?』

 

 

涙腺がぶっ壊れながら、炎の息を吐くクッパ。器用な男だ。涙を滝のように流しながら、嗚咽を吐きながら、ブレスを繰り出している。

そう、相手が自分の息子なら。クッパは殴る。泣きながら、謝りながら。

 

操っているダーズが悪い?

その怒りはダーズ本体にぶつけるべき。目の前に息子にぶつけるのはただの八つ当たりだ。

 

巨腕の鋭い爪がクラウンごと裂く。錯乱しながらもその攻撃は強力だ。

『いにしえっぽい王国』という場所で『終点』化された場所で。クッパは吠える。涙を吹き飛ばし、真の心に響くように。

 

 

「グウオォォォ!!」

 

『…!』

 

 

取り出したるは『メカクッパ』。自動走行が可能の小型爆弾だ。更にキャノンも撃ち、爆発のタイミングを早める。

 

 

「フン、甘いわ!」

 

 

『スピニングシェル』を出し、爆弾も大砲も弾き飛ばす。そのまま進んだ方向を引き返した攻撃はギリギリ間に合ったシールドで弾かれた。

だが、終わりではない。

 

 

「ゲキ甘だ! これならマリオと一緒に戦っていた時の方がマシだったぞ!」

 

 

走り寄っての『ジャンピングキック』だ。シールドを解除していたクッパJr.は大きくぶっ飛ばされる。

 

 

「…だが! ダーズなんぞにジュニアの力を引き出せるはずもない! 劣っているのは当然だ!」

 

 

勝手に自分の中で解決する。爪をギラつかせる野蛮な目は立ち上がる息子の姿を捉えていた。

 

 

「根性はいいようだな、こい!」

 

 

息子はいずれ父を超えるもの。クッパはその時を楽しみにしている。それが父親というものだ。

だが、易々と超えられてはならないのだ。簡単に乗り越えられる壁であってはならない。乗り越えた後に何かを得られたのだと実感できるような存在でなくてはならない。

今のクッパJr.はクッパには遠い。

 

 

『…ッ!!』

 

 

『カートダッシュ』で迫り来る。カーブを繰り返しているものの、何の工夫もないのに当たるわけもない。スピードもクッパでも充分捉えられる速さだ。ならばどうするのか。

 

 

「ムゥ…!」

 

 

クッパクラウンから離脱する。クラウンは起爆し、飛び上がったクッパJr.はトンカチを握りしめている。つまり上と下での同時攻撃だ。

まずは爆発。少々遅れて武器での打撃がクッパを襲う。

 

 

「悪くはない。だがまだまだだ!」

 

『…!!』

 

 

対処されぬようにほぼ同時に攻撃したのはいいが、それはクラウンという防壁を失ったことになる。まだまだ小さい体を片手で掴み、腹と大地で押し潰す。『ダイビングプレス』だ。

 

浮き上がった体に炎を浴びせて蓮撃が切れる。フン、と鼻を鳴らして自分を誇示するが、まだ終わらないことはわかっていた。

クラウンが復活し、武装が整った上でまだ立ち向かうクッパJr.。

 

 

「そう、それでいい。ワガハイの息子だ! この程度で挫けるものか!」

 

 

理由はそれだけだ。

それを大真面目に真剣に信じている。

自己評価の高さがそのまま息子への信頼に繋がっていた。

 

 

『…ッ!!!』

 

 

ドンドンドンと、クラウンの口から大砲弾が三発放たれる。飛んでいく方向も速度もバラバラだ。そして放った後、再び『カートダッシュ』を行う。弾と弾の間を隠れながら。

 

 

「ムッ」

 

 

まずクッパが見たのはクラウンの口から出ている円型のノコギリ。次に見たのは長い舌。撹乱している。間違いない。どの武器で向かってくるのだ。

 

 

『…─ッ!!』

 

 

飛び出したクラウンの口には何もない。あるのは横だ。

 

 

「グウゥ…!」

 

 

クラウンのサイドから飛び出た大きな『フォーク』はクッパの体を突き刺していた。少し、少し苦悶の表情を浮かべる。

相手を騙し、敵の不意をつく。マリオが同じことをしていたらクッパは引っ掛からなかったかもしれない。だが、クッパの僅かに残っていた甘えが原因だとしてもクッパJr.が一矢を刺したのは事実。

 

 

「当たってはいるが… それでもぬるい! 次の手も考えるのだ!」

 

『…!!』

 

 

フォークを引き抜く。ガシャガシャ操作している音は聞こえるものの、クッパの腕力の前では動かない。最後の手段として『自爆ジャンプ』を試みた。しかし、それも想像できていたのかクラウンで本体をうち飛ばす。復帰手段を失ったクッパJr.を崖下の奈落へ叩き落としたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

涙腺の脆さは遺伝だった。抱き合い泣き合う親子二人を見てマリオはそう思っていた。

 

 

「お、おとうさぁーん!!」

 

「ジュニアァー!」

 

 

お互いの存在を確かめるように強く抱きしめる。もちろん下のクラウンも泣き顔だ。キーラとの最初の戦いでレッドと一緒にやられたクッパは息子とは離れ離れで囚われたのだ。不安は計り知れない。

 

 

「前はどうやらジュニアがワガハイの目を覚ましてくれたようだからな! 親であるワガハイができないことではないのだ!」

 

「あれー? もう一人、赤いスーパースターがいなかったかな?」

 

「そうだよね! マリオやボクができるならおとうさんもできるよね!」

 

 

茶々を入れるマリオも含めて、ネスは家族っていいなとしみじみ思う。冒険の中でも何回も助けてくれた母、父、妹… おっとこれ以上はホームシックになりそうだ。無理やり思考を止めた。離れ離れは駄目だ。家族は一緒にいなければ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、もう一人。

 

 

「大丈夫… 大丈夫です… ルフレさんの時と同じように…」

 

「ルキナ…」

 





カービィ「ぽよ〜」

ネス「どうしたの、カービィ? そんなにクッパを見つめて…」

カービィ「ぷぃや! ぽよんあ! ぽよっぽい!」

ネス「さっきのクッパのスピードを見たことがあるって? いつなのかは思い出せないんだ」

カービィ「んんん〜… ぽ!」

ネス「え? ガノンに鬱憤ばらしした時…?」


ネス「次回!『こんなところで寝ると風邪をひくよ』!」


ネス「そんな時と今で同じスピードを出すんだ…」

カービィ「ぱやぱや〜」
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